臨床

初期は関連病院で幅広い知識・技術の取得、その後は専門性を重視!

  1. 臨床が基本かつ、研究も臨床を行いつつが基本方針です。
  2. その後、一人一人の興味に合わせた専門技術の取得が大切です。
  3. 最初の関連病院は初期教育に適した病院にしか送りません。

現在の大学における専門

  1. 炎症性腸疾患
  2. C型肝炎・肝癌
  3. 小腸ダブルバルーン内視鏡
  4. 食道癌/胃癌/膵癌に対する化学療法

消化器内科:臨床の特徴

消化器病学は消化管および肝臓、胆道、膵臓など、臓器として多くの領域をカバーするだけでなく、解剖、生理、病理学を基礎として、免疫学(炎症、感染症、自己免疫など)、腫瘍学、遺伝学、栄養学などの幅広い病態学におよびます。また、診断学においても内視鏡検査などの画像診断の進歩は目覚ましく、治療学の進歩も華々しいものがあります。また、消化器内科では、外科や小児科との境界領域も多いため、これらに関する知識も必須であり、また、救急医学においても消化器病学は大きな比重を占めています。

私たちは、指導体制の整った、各地域の拠点病院を関連病院にもち、これら広範な領域について研修する機会を提供することができます。一方で、大学病院では、専門性を生かした、大学病院ならではの診療を行っています。当科の一番の特徴は、こうした関連病院と大学病院の連携が非常にバランスよく保たれている点です。さらに当科では、臨床研究だけでなく基礎研究でも実績があり、臨床と研究両面からよりよい医療を目指す事ができます。みなさんが生涯医師をつづける上で、そのライフスタイルにあったやりがいのあるテーマがきっとみつかるはずです。

炎症性腸疾患

渡辺守教授が厚生労働省「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班」長となり、我が国の炎症性腸疾患センターの中心となっています。患者は紹介患者、特に難治例が多いのが特徴です。これらの患者の診療において、免疫調節剤や抗TNFα受容体拮抗薬などの積極的な治療を行う一方で、長期入院例は極めて少なく、患者QOLを損なうことなく、外来診療が中心となっております。また、治験の依頼も多く、最新の治療を提供することも可能です。リサーチクエスチョンをもちながら日々の診療を行っており、消化器関連学会にておいても、良質の臨床研究を発表し続けています。

C型慢性肝炎・肝癌

C型慢性肝炎のインターフェロン治療については多くの治療経験をもち、特に2004年より開始となった「お茶の水liverカンファレンス共同研究」では多くの関連病院の協力も得て、症例数は約800例以上に及び、C型慢性肝炎治療では我が国有数の臨床研究として認知されています。この研究によりウイルスの遺伝子変異や宿主因子を解析することでインターフェロン治療の正確な効果予測が可能となることが明らかとなり、さらに、導入症例での治療効果を最大限にのばすために、治療後のウイルス動態をモニタリングし、薬剤投薬量の調節や治療期間の延長を行っています。

外来でのC型慢性肝炎患者数の増加に伴い、肝細胞癌患者数も増加しております。当科では、造影超音波検査や4D超音波検査、さらには、ボクセルコンバーター(CTなどの平面画像からパソコン上で立体画像を作製する事が可能。)を用いて、多角的に肝細胞癌を評価し、安全で確実なラジオ波焼灼療法を行っており、これらの有用性についても報告してきました。また、その一方では、放射線科や肝臓外科とも緊密な連携をもち、内科治療に固執することなく、病態に応じた最適な治療を提供しています。

特殊内視鏡(小腸ダブルバルーン内視鏡、カプセル内視鏡)

小腸内視鏡検査の進歩は目覚ましく、当科では早くも2004年9月にはダブルバルーン内視鏡検査を開始し、症例数は現在まで延べ240例に及んでいます。出血例を中心に、広く関東一円から紹介患者を受け入れています。また、クローン病を中心とした炎症性腸疾患の診断でも有用であることを学会等で報告しております。

食道・胃・膵癌化学療法

当科での消化器進行癌に対する化学療法の特徴は、いわゆる癌専門施設とは異なり、大学病院という性質から、基礎疾患を有する治療困難な患者が多い点にあります。癌専門施設の治験等からは除外されてしまうような患者に対しても、患者の基礎疾患等を熟慮したQOLを損ねない治療を心がけています。

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