ご挨拶

クリニカルサイエンスの伝統を継承し、新しい社会における消化器病学を追求します

消化器内科・教授 渡辺守
消化器内科・教授
岡本 隆一

この度、令和2年(2020年)5月16日付で渡辺守教授の後任として東京医科歯科大学消化器内科教授に着任致しました岡本隆一です。本学大学院の消化器病態学講座は平成12年(2000年)に、消化器内科は平成13年(2001年)に大学院重点化による再編に伴いそれぞれ発足し、本年で20年目を迎えました。この間、渡辺教授(初代)の強いリーダーシップの下で、高いレベルで特色ある診療を実践し、これを研究に活かす「クリニカルサイエンス」の伝統が築かれました。また、このような高い目標を目指す「仲間」として多くの医局員に集まって頂き、大学に在籍するスタッフは60名、関連病院等に在籍する全医局員は370名超という、非常に大きな組織に成長しました。さらに大きな組織である利点を活かし、関連病院との信頼関係の下で多施設共同研究等に取り組むことができる体制を有していることも、当教室のこれまでの伝統の中で培われた特筆すべき特長の一つであると考えています。

さて本稿を書いている現在、首都圏は新型コロナウィルスの感染拡大に伴う非常事態宣言下におかれ、本学ならびに当科も、平時とは異なる診療・研究・教育の体制を余儀なくされています。世界全体においても、急速な感染拡大に伴い、医療体制だけでなく社会全体の変革が余儀なくされ、ウィルスとの共存を想定した「ポストコロナの世界」とは何かについて様々な議論が成されている状況にあります。

ポストコロナの世界では高度な情報通信技術等を活用した遠隔医療やビッグデータ・AI技術を活かしたインテリジェントホスピタルなどの新しい医療のあり方を考え、迅速に対応することが求められるのは明らかです。このように社会と医療のあり方が大きく変革するタイミングで、当教室が新しい一歩を踏み出す門出の日を迎えたことは決して偶然ではなく、さらに大きく成長していくための好機と捉えるべきだと考えています。

このため、当教室の「クリニカル・サイエンス」の伝統を継承し、一人一人の患者さんに真摯に向き合いながら、関連各科ならびに関連病院・研究施設等と連携し、世界レベルに視点をおいた診療・研究・教育に取り組む所存です。またポストコロナの世界における「消化器病学」の役割とは何かについて、若手からベテランまで分け隔てなく医局員全体で考え、新しい社会で求められる診療・研究・教育を追求し、医局員一人一人が成長し活躍できる場を作って参ります。

消化器内科は極めて多彩な臓器・疾患を扱う、広くて深い診療科・領域です。このような消化器内科の診療には関連各科や関連病院、近隣施設の皆様のご協力を頂くことが不可欠です。皆様と一層の協力関係を築きながら、高い意欲と情熱を持った医師・研究者が集う教室として成長するため、全力で職務に取り組む所存です。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和2年(2020年)5月
消化器内科・教授 岡本隆一
 

論文一覧

掲 載 誌 Impact Factor
Nature Medicine(2報) 27.3
Cell Stem Cell(2報) 25.3
Immunity 21.5
Gastroenterology(13報) 16.7
Gut(3報) 14.6
Genes & Development 12.6
Hepatology(6報) 12.0
Autophagy(2報) 11.7
Am J Gastroenterol(2報) 9.8
Cancer Research 9.3
EMBO Reports 9.0

 

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