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所長のあいさつRESEARCH INSTITUTE INFORMATION

難治疾患研究所長 教授 仁科博史

2020(令和2)年4月1日より難治疾患研究所長に就任しました仁科博史です。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。国難である新型コロナウイルス感染拡大の真っ只中でのご挨拶です。

本研究所は、1973(昭和48)年に設置された“難治疾患”という名称を掲げる唯一の国立大学法人附置研究所です。本研究所では難治疾患を「病因・病態が明らかにされていないために未だ有効な診断法、治療法、予防法が確立されていない疾患」と定義し、その克服のため基礎から応用まで幅広い研究活動を展開しています。時代の要請に応じられるように新しい研究技術と生物学的知見を取り入れ、基礎医学領域の最前線で活躍をしてまいりました。

教授が主催する22分野と准教授が主催するフロンティア研究室に加えて、連携研究部門、難病基盤・応用研究プロジェクト室、大学院教育研究支援実験施設、事務部からなる全国的に見ても大規模の研究所です。2009(平成21)年には文部科学省から全国共同利用・共同研究拠点「難治疾患共同研究拠点」に認定され、2016(平成28)年度からは第二期目の拠点活動を行なっており、全国の研究者コミュニティーの要請に応える活動をしています。

本研究所は最先端の医学・生物学研究を展開し、その研究成果を実際の医療の場に提供することを目的としています。リサーチ・ユニバーシティー(2013年度)とスーパーグローバル大学(2014年度)の指定を受けた医療系総合大学である東京医科歯科大学の研究力を支えています。また、教育面では、教養部の学生から、医学部・歯学部学生、大学院学生までを対象に講義や研究指導を担当しています。

研究所が果たすべき使命とは、思考を成熟させる静謐な時間と自由に言葉が飛び交う空間の中で、個々の研究者が独創的な研究成果を上げることであり、未来を切り拓く意欲にあふれた若手研究者を育成し世に送り出すことであると考えます。多様で学際的な学問領域を背景とする研究者が集う本研究所は我が国のトップレベルはもちろん、世界にもその存在が示せる研究所になることが期待されています。これを実現するためには、優秀な人材を獲得すること、活躍できる研究環境を整備すること、学内外の連携を強化することであると考えます。

平和で健康な世の中を実現するためには、医学の進歩は重要です。前所長の石野史敏先生が推進してこられた研究所の理念やプロジェクトを継承するとともに、時代を切り拓く研究が行われる場にしたいと思います。研究所の全員が一丸となって活躍できる「生命科学と臨床医学を追求する自由な楽園」を目指して、尽力いたします。皆様の一層のご支援ご鞭撻を宜しく御願い申し上げます。

2020(令和2)年4月1日