食道疾患の診療には高度の専門性とチームワークが求められます。特に食道癌に対しては、高度で精密な診断技術とともに、内視鏡治療、外科手術、放射線治療、抗癌剤化学療法など、様々な治療の中から、それぞれの患者さんにとって最適のものを選択し、あるいは組み合わせ、確実に遂行することが重要で、当科はその全てに豊富な経験を有しています。また、がんの包括的・総合的診療の観点から、近年特に重視されている栄養サポートチーム(NST)および緩和ケアチームにも発足時から参加し、患者さんの全人的ケアを心がけています。
胃に関するあらゆる疾患に対して、個々の患者さんに最適な治療法が選択されるように心かけています。胃癌に対する腹腔鏡下手術は黎明期から世界の中心的な施設として積極的に施行しており、十分な経験を有する内視鏡外科技術認定医の指導の下、安全で、体に優しい手術を行っており、治療成績も良好です。
肝胆膵外科は肝臓、胆嚢、胆管、膵臓、脾臓の悪性腫瘍(がん)、炎症新患などのあらゆる疾患に関して手術、薬物療法も含めた総合的治療を行う診療科です。高度機能を持った大学病院として切除困難な進行癌に積極的に取り組む一方で、腹腔鏡手術を積極的に導入し低侵襲で行えることは可能な限り低侵襲に、患者さんに優しい手術を目指しています。
大腸がんの治療は日進月歩です。当科では腹腔鏡手術を含む大腸がん手術を年間約150 件施行しており、世界的に見てもトップレベルの手術技術で治療を行い、その治療成績も優れています。抗がん剤治療においても専門スタッフが、それぞれの患者さんに応じて治療効果が高く、また、負担が少ない最適の治療法を選んで行っています。 大腸がんと診断されても安心して当科を受診してください。
早期乳がんの場合は、乳房温存療法、センチネルリンパ節生検、腋窩リンパ節郭清の省略などquality of lifeを重視した治療を積極的に行っています。さらに大きさや場所などから乳房温存が難しいという場合も、形成・美容外科と連携し、乳がん手術と再建を同時に実施する同時再建に早くから積極的に取り組み、高い実績を上げてきています。
「人は血管とともに老いる」と言われています。最近、心筋梗塞、脳梗塞だけでなく、足の動脈硬化が極めて危険であることがわかってきました。足の動脈硬化は血管年齢でわかりま すので、65 歳を過ぎたら血管年齢を計りましょう。喫煙、糖尿病があったら、50 歳でも血管年齢測定を勧めます。大動脈瘤は死に至る沈黙の病気であり、CTなどで偶然に発見される病気 です。血縁に大動脈瘤のある方、高血圧で喫煙歴の長い方は、50 歳を過ぎたら一度はCT か超音波で腹部大動脈の太さを測定しましょう。血管の病気を治せば、人生がよみがえります。
消化器癌の治療では、消化器外科医が手術治療から化学療法までに行っていることが多いです。化学療法の進歩に伴い、切除不能な癌が化学療法の効果により手術治療の対象になることも増えてきました。当科では、手術だけでなく化学療法も含めた治療戦略を立てて診療しています。主に大腸癌の手術と化学療法を行っています。
新生児・小児の外科的疾患に対し、保存的・手術的治療を行っています。患者さんそれぞれに最適な治療を選択し、治療の際には整容性にも充分配慮した手技を施行しています。腹腔鏡で補助しながら、創を臍部に隠す経臍的手術も積極的に行っています。また、新生児科・小児科とのスムーズな連携で包括的な治療を行っています。