肝炎・肝がん撲滅外来
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肝炎の治療について

肝がんにならないために

わが国には、約5万人もの肝がん患者さんがおり、先進国では最も多い数となっています。肝がんの原因の多くはウイルス性肝炎で、さらに最近では肥満や糖尿病などの生活習慣病に伴うものも増加してきています。したがって、肝がんにならないためにはB型肝炎・C型肝炎といった①ウイルス肝炎を放置せず治療すること、および②生活習慣病に対する管理が重要となります。

ウイルス性肝炎は自覚症状がほとんどありません~肝炎検査を受けましょう

放置すると肝硬変や肝がんに進行するウイルス性肝炎でも、自覚症状はほとんどありません。わが国では肝炎ウイルスに感染している人は300万人もいると推定されていますが、そのうちまだ自分が感染していることすら知り得ていない方が多くいらっしゃると考えられています。従来B型肝炎は母児感染が、C型肝炎はスクリーニング開始以前の輸血などが原因で感染したと考えられてきましたが、原因がはっきりとしないものやその他の原因によるものもあります。したがって、身の回りに感染者がいない方も、輸血などを受けたことがない方も、是非一度は肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。万が一、ウイルス性肝炎と診断されても、ここ1-2年の医学の進歩は飛躍的で、肝臓専門医のもとで最新の適切な治療を受ければ、副作用も少なく劇的に良い治療効果が得られることが多くなりました。

B型肝炎に対する治療

現在のB型肝炎の治療は、インターフェロン(注射)または核酸アナログ製剤(飲み薬)のいずれかを用いることが基本です。どちらの薬を用いるか、いつ治療すべきかは、それぞれの患者さんの病気の状態によって異なります。したがって、この判断と実際の治療には高度に専門的な診療が必要になります。B型肝炎と診断された方や、既に診断されている方で、主治医の先生から更なる専門診療が必要と判断された場合は、紹介状をお持ちになり私どもの「肝炎・肝がん撲滅外来」を受診することをお勧め致します。また、B型肝炎からの発がんは、C型肝炎からの発がんに比べて若年でも突然起こることがあり、肝機能が落ち着いていると診断されたキャリアの方でも定期的なフォローアップが必要です。

C型肝炎に対する治療

C型肝炎に対しては、従来ではインターフェロン(注射)を用いた治療が行われていましたが、インターフェロンを用いた治療では副作用も多く、治療期間も24週から72週間と長いものでした。近年、C型肝炎ウイルスに直接作用する画期的な新薬(飲み薬)が開発され(図1)、治療成績が飛躍的に向上してきました。現在は、これらの飲み薬だけで、①インターフェロンを用いることなく、②副作用もほとんどなく、③しかも12週間という短い治療期間で、④ほぼ100%近い患者さんでウイルスを消し去ることが可能となってきました。しかし、この飲み薬による治療においても、どの薬を使うかは患者さんの病気により異なりますし、耐性ウイルスや薬の飲み合わせ、さらには高血圧や腎疾患などの併存疾患の有無などの細かい配慮が必要で、その治療には多岐にわたる高度な専門的診療が必須となります。

これら新薬が登場したことを受け、日本肝臓学会のC型肝炎治療ガイドラインでは「原則として、全てのC型肝炎の患者さんが治療対象」とされております。したがって特に、①これまで治療の必要がないと言われた方、②これまで副作用が心配で治療をあきらめていた方、③インターフェロン治療が合わない(効かない)と言われた方、④忙しくて注射の通院ができなかった方、⑤これまでの治療で副作用が出た方、⑥治療を受けても治らなかった方で、主治医の先生とご相談になり更なる専門診療が必要と判断された場合は、紹介状をお持ちになり私どもの「肝炎・肝がん撲滅外来」を受診されますことをお勧めいたします。

なおC型肝炎ウイルスが消え去っても、長年患ってきた肝臓が直ちに元通りになるわけではなく、発がんの危険性もすぐにはゼロになりません。したがって、ウイルスが消えたあとでも引き続き肝臓専門医によるアフター・ケアを受けて頂くことが大切です。

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