炎症性腸疾患センター(IBD外来)
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潰瘍性大腸炎とは

大腸に炎症をおこす病気には原因がはっきりしているものとそうでないものがあります。原因が明らかな腸炎については、たとえば食中毒では特定の細菌が原因となることが多く、また抗生剤などの薬剤によって腸内細菌のバランスが乱れて腸炎を起こすこともあります。

潰瘍性大腸炎ではその原因が明らかではなく、非特異性腸炎の一種として分類されています。最近になり、その原因も少しずつ明らかになってきており、潰瘍性大腸炎では免疫(体に何らかの刺激が加わると排除しようとすること)反応が過剰に働いてしまい、大腸に障害(炎症)を与えてしまうことが考えられています。現在皆さんが使用している薬剤の多くは、この過剰な免疫を正常に戻す作用や炎症を抑えることにより症状が改善されます。

1)どのような症状をおこすのですか?

初期症状として血便(便に血液が混じること)、粘液便(ねばねばした油のような分泌物が混じること)、腹痛を起こすことが多いとされています。直腸だけの炎症(直腸炎型)の場合血便だけが認められることもあり、痔核と間違えてしまうこともあります。ひどくなると下痢や腹痛が夜間に認められたり、発熱や食欲不振がみられたりすることもあります。

食中毒や抗生剤による腸炎と違うのは、症状が持続したり、再燃(悪くなること)と寛解(良くなること)を繰り返したりすることが多いことです。外来に初診でいらした患者さんに前の症状を聞くと「3か月前に血便があったけど痔だと思って放置していた」などということもあります。

2)原因は何ですか?

複数の原因が関与していると考えられていますが現時点では不明な点が多いです。何らかの遺伝的要素に食事や腸内細菌などの環境因子が加わり、上で述べた免疫の過剰により炎症をおこすと考えられています。最近日本の研究グループから特定の遺伝子の配列の違い(遺伝子多型)が潰瘍性大腸炎と関係があることが報告されましたが、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。

父親や母親が潰瘍性大腸炎の場合、子供さんが潰瘍性大腸炎になるリスクは病気でない方と比べやや高いですが、これは遺伝子的要素だけでなく食生活など他の因子も関与していると考えられます。

3)どうして大腸にだけ炎症をおこすのですか?

よくわかっていません。また炎症の範囲によって、直腸だけに炎症をおこす直腸炎型、腸の左側のみ炎症をおこす左側大腸炎型、ほぼ大腸の全部に炎症をおこす全大腸炎型に分類されますが、患者さんによって炎症の範囲がちがう理由についてもはっきりわかっていません。

    潰瘍性大腸炎・クローン病センター     東京医科歯科大学 難病治療センター  

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