MTTフェロー | 東京医科歯科大学

2006年度MTTフェロー | 東京医科歯科大学

片岡 直行 | 2006年度MTTフェロー | 東京医科歯科大学名前   片岡 直行 理学博士
所属  メディカル・トップトラック (MTT)プログラム
職名  ジュニアMTTフェロー (特任講師)
主研究テーマ
1. mRNAスプライシング後のイントロン代謝系の解析
2. mRNAスプライシングと遺伝子発現諸過程との連携の解析
3. 神経細胞におけるmRNA局在化と局所翻訳調節機構の解析
研究概要
高等真核生物では、核にコードされる遺伝子の多くはイントロンによって分断化されている。さらにヒトでは、RNAポリメレースIIによって転写される一次転写産物のうち実に95%以上がイントロンである。これらのことは、イントロンを除く反応、すなわちmRNAスプライシングが遺伝子発現には必須であり、除去されたイントロンが核内できちんと代謝されることが必要であることを示している。私はこのイントロン代謝過程を明らかにしたいと考えている。また、 mRNAスプライシングは単にイントロンを除去するだけの反応ではなく、エクソンとエクソンとの連結部近傍に、EJCという特異的な複合体を付加し、mRNAスプライシングと他の細胞内遺伝子発現過程との連携を行う過程であることが明らかになってきた。中でも神経細胞における細胞内mRNA局在や、転写と共役したDNA修復(TCR)との連携を示唆するデータを得ており、私はmRNAスプライシングとこれらの過程の新たな連携を明らかにしていきたいと考えている。
論文
1. Kataoka, N. and Dreyfuss, G. A simple whole-cell lysate system for in vitro splicing reveals a stepwise-assembly of the exon-exon junction complex. Journal of Biological Chemistry 279: 7009-7013 (2004)
2. Kataoka, N., Yong, J., Kim, V.N., Valazquez, F., Perkinson, R.A., Wang, F. and Dreyfuss G. Pre-mRNA splicing imprints mRNA in the nucleus with a novel RNA-binding protein that persists in the cytoplasm. Molecular Cell 6: 673-682 (2000)
真核生物の遺伝子発現諸過程とmRNAスプライシングとの連携の模式図 | 2006年度MTTフェロー | 東京医科歯科大学
主に行っている研究上の技術
1. In vitroスプライシング反応
2. 培養細胞からの核抽出液の調整
3. RNAやタンパク質の細胞内局在の蛍光顕微鏡による観察
Copyright (C) 2000-2006 Tokyo Medical and Dental University. All right reserved.