MTTフェロー | 東京医科歯科大学

2006年度MTTフェロー | 東京医科歯科大学

築地 信 | 2006年度MTTフェロー | 東京医科歯科大学名前  築地 信 薬学博士
所属  メディカル・トップトラック (MTT)プログラム
職名  ジュニアMTTフェロー (特任講師)
主研究テーマ
1. 糖鎖構造に対する、免疫応答、免疫寛容、免疫記憶の制御
2. 免疫システムにおける糖鎖認識分子の網羅的解析
研究概要
1. 病原性バクテリアの感染時に、免疫応答が誘導されにくい理由として、我々の持っている免疫システムによる糖鎖構造に対する自己と非自己の識別の弱さが考えれる。さらに、病原性バクテリアは、ホストから身を守るために、ホストと共通もしくは類似の構造の糖鎖を細胞表面に有している場合が多い。肺炎球菌糖鎖ワクチンが投与された健常人において、末梢血中のIgM陽性記憶B細胞と分類される画分中に、糖鎖ワクチン特異的抗体を産生するB細胞が濃縮されていることが判明した(論文1)。この結果は、糖鎖に対する免疫応答にも親和性成熟を行うメカニズムがあることをしめすが、詳細な解析はされていない。免疫記憶の成立に関しても不明な点が多い。肺炎球菌の莢膜糖鎖に対する免疫応答の詳細な解析を通じて、議論を展開することを目的として研究を行っている。
2. 近年、抗原提示能を発揮する樹上細胞表面上に多くの糖鎖認識候補分子の存在が明らかになってきているが、T細胞もしくはB細胞との相互作用への関連はあまり議論されていない。各種細胞の有する糖鎖認識分子の全貌と、内在性の糖鎖と抗原性を有する外来性の糖鎖との相違点を含めて、解析を行っている。
論文
1. Tsuiji M, Yurasov S, Velinzon K, Thomas S,Nussenzweig MC, Wardemann H. A checkpoint for autoreactivity in human IgM+ memory B cell development.J Exp Med. 203(2):393-400 (2006)
2. Tiller T, Tsuiji M, Yurasov S, Velinzon K, Nussenzweig MC, Wardemann H. Autoreactivity in human IgG+ memory B cells. Immunity 26(2):205-213 (2007)
図 | 2006年度MTTフェロー | 東京医科歯科大学
主に行っている研究上の技術
1. 単一細胞ソーティング
 (single cell sorting)
2. 単一細胞での遺伝子変異と発現の解析
 (genetic analysis of single cells)
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