My Career Story

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小松谷(小谷野)史香 氏

難治疾患研究所
機能分子病態学分野
講師(キャリアアップ)

当制度に申請した理由(着任への想い、どのようなスタンスやマインドでダイバーシティ推進に携わろうとしているか、キャリアアップに向けた意欲など)を教えてください。

三年前、私には妊娠・出産というとても大きなイベントがありました。非常にうれしい出来事でした。しかしその一方で、以前のペースで研究を進めることができないことからとても焦りを感じていました。そのようなとき、本学のキャリアアップ支援制度の存在を知りました。キャリアアップ教員として着任する前は日々のタスクにひたすら向き合うことしかできない状況でしたが、支援が決まったことで、今後の自分の将来を展望し戦略を練るための少しの余裕を得ることができました。手厚い支援に大変感謝しています。

ご自身のお仕事の内容とその魅力について教えてください。

現在は細胞小器官であるペルオキシソームの恒常性維持機構の解明に向けて研究を行っています。ペルオキシソームは重要な機能を担っているにもかかわらず未解明な事象が多いため、自らの研究成果によって研究分野を大いに発展させることができる可能性を秘めています。そこで、国内外の研究を視野に入れつつ、ペルオキシソームの理解を深めるため、多角的な視点から研究を進めています。また、将来的にペルオキシソームの機能不全を起因とした疾患の治療薬開発につながる知見を得ることを目標としています。

キャリアアップ教員に就いたことで、ご自身や周囲で変化したこと等があれば教えてください。

所属する研究室のメンバーや家族がとても喜んでくれました。研究が予想通りに進まないことも多いですが、予想外の結果を好機としてとらえるよう努めています。それでも研究生活を続けていくにはやはりモチベーションを維持することが必要です。キャリアアップ教員として採択されたことで今後も研究を続ける動機付けのひとつになったことは間違いありません。

当制度に期待すること、ご要望等はありますか。

学会等において自身の研究成果を英語で発表する機会が増えてきましたので、英語スキル向上のために制度を利用できると嬉しいです。そして、年度を跨いで使用する物品の購入を可能にしていただきたいです。

今後の目標(どのような女性リーダーになろうとしているか、研究者・医師・歯科医師・教育者としての抱負など)を教えてください。

「女性は研究助成金やポジションに女性枠があって優遇されている」という声がさまざまな方から私のもとによく届きます。しかしながら、その制度が生まれた背景や成り立ちについて、あまり知られていなかったり、そのことを深く考える機会が限られているようにも感じます。男女問わずお互いによりよい環境を作って成長するためには、継続的な支援と理解促進の両輪が必要だと思います。このような環境を認識しながら、民間企業で新薬の臨床開発に関わる業務をしていた経験を生かして男女共同参画における取り組みを本学に紹介することで、働きやすい環境の構築と私と同じようなマインドをもつ方の将来にお役に立てればと考えております。