6月26日、大阪・関西万博に東京科学大学病院の歯科医師が参加
2025年6月26日(木)13:00~15:00、大阪・関西万博で開催される「2040年への歯科イノベーションロードマップ」において、東京科学大学病院の島田康史先生、戸原玄先生、財津崇先生が発表します。これは大阪・関西万博に共創パートナーである日本歯科医学会からの依頼によって実現するものです。そこで、島田康史先生、戸原玄先生に大阪・関西万博参加への抱負について聞きました。(会場:フューチャーライフゾーン フューチャーライフヴィレッジ(FLV)内 TEAM EXPOパビリオンTEPステージ)
6月26日13:00~15:00に大阪・関西万博で発表をする当院の歯科医師3名
・X 線を使用しない画像診断:島田 康史先生(う蝕制御学分野 教授)
・Voice Retriever & Optical Probe:戸原 玄先生(摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授)
・毎日使う口腔診断アプリ:財津 崇先生(歯科公衆衛生学分野 非常勤講師)
東京科学大学 う蝕制御学分野の島田康史教授にQ&A

X 線を使用しない画像診断
う蝕制御学分野 教授 島田 康史 先生
- 【質問】万博出展の経緯は?
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島田康史教授:私の場合、日本歯科医学会から日本歯科保存学会に、私が行っている研究についての万博出展の協力要請があり、日本歯科保存学会が私を推薦してくださいました。
- 【質問】どんな発表ですか?
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島田康史教授:歯科用の光干渉断層計(OCT)という装置の展示で、これは光で歯の断層画像を撮影することができます。エックス線を使わないので、妊婦の方も安心して、繰り返しむし歯の検査を受けることができます。展示は、日本歯科医学会が行う「2040年への歯科イノベーションロードマップ -未来の口腔医療 その現在地- というタイトルの出展の中で、6月26日の13:00-15:00に行う発表の1つになります。
- 【質問】万博参加への期待や喜びは?
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島田康史教授:妊婦の方のみならず、全身的な疾患をお持ちで、エックス線写真を受けることができない方がいらっしゃいます。そのような方に、安心してむし歯の検査が受けられる装置があることを知っていただきたいと思います。また、OCTではむし歯のほかに歯の損耗状態もわかるので、人生100年時代に必要な歯のメインテナンスについても広めることができればと思います。
- 【質問】最後に抱負をお願いします。
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島田康史教授:歯科用OCTは世界初の1号機が、本学むし歯外来に設置しています。研究で使用していますが、薬事承認を得ているので治療に使用することができます。特に妊婦の方など、エックス線被曝リスクがないので、興味のある方は是非むし歯科を受診してください。
東京科学大学 摂食嚥下リハビリテーション学分野 戸原玄教授にQ&A

Voice Retriever & Optical Probe
摂食嚥下リハビリテーション学分野 教授 戸原 玄 先生
- 【質問】万博出展の経緯は?
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戸原玄教授:日本歯科医学会から老年歯科医学会に出展の話がきて、老年歯科医学会から推薦をいただきました。
- 【質問】どんな発表ですか?
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戸原玄教授:Voice Retrieverという喉頭摘出者向けの口腔内人工喉頭を展示する予定です。この機器は我々が開発した全く新しい機器で、マウスピースにスピーカーが装着されています。スピーカーから音を補填するので、声帯がなくても言葉を話せるようになるという画期的な口腔内装置です。
- 【質問】万博参加への期待や喜びは?
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戸原玄教授:我々が開発した機器は適応でさえあれば簡単に利用可能で、現状当大学病院にて提供できる体制を整えています。また、録音した音を口の中で再生しながら話すので、声以外にもいろいろな音源を使って話してみて、それこそ楽しく使っていただければと思います。また、歯科の一環でこんなことができるんだ!という、可能性も感じていただければ尚ありがたいです。
- 【質問】最後に抱負をお願いします。
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戸原玄教授:我々が開発した機器は適応でさえあれば簡単に利用可能です。また、録音した音を口の中で再生しながら話すので、声を助ける機器という使い方以外にもいろいろな音で話してみてそれこそ楽しく使っていただければと思います。
東京科学大学歯科公衆衛生学分野 財津 崇非常勤講師にQ&A

「毎日使う口腔診断アプリ」
東京科学大学歯科公衆衛生学分野 非常勤講師 財津 崇 先生
- 【質問】万博出展の経緯は?
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財津崇先生:本研究で取り組んでいる「AIによる舌画像診断技術を活用した口腔健康管理」について、歯科医学会を通じてご関心をお寄せいただき、日本歯科医学会の万博出展企画の一部としてお声がけをいただきました。高齢社会の進展とともに、簡便で高精度な口腔セルフケア技術の開発が重要性を増していることも背景にあります。
- 【質問】どんな発表ですか?
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財津崇先生:展示は日本歯科医学会の企画である「2040年への歯科イノベーションロードマップ - 未来の口腔医療 その現在地 -」の中のプログラムの一部として行われます。具体的には、AI技術による舌画像診断の仕組みや、XAI(説明可能AI)によるリスク可視化の技術をわかりやすく紹介する予定です。
- 【質問】万博参加への期待や喜びは?
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財津崇先生:大変光栄に思っております。超高齢社会を迎える中で、誰もが手軽に自分の口の健康状態を確認できる仕組みはますます重要になります。万博という国際的な舞台で、こうした未来の口腔医療の可能性を広く発信できる機会をいただけたことに、心から感謝しています。
- 【質問】最後に抱負をお願いします。
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財津崇先生:今回ご紹介する技術は、スマートフォン等を活用して日々の口腔状態を簡便に把握できる仕組みです。画像診断やAI技術の進展により、病気の早期発見や予防にもつながることを目指しています。今後もさらに研究開発を進め、皆様の健康づくりに貢献してまいりますので、ご期待ください。