お知らせ

「触覚」を有する手術支援ロボットシステム「Saroaサージカルシステム」を用いた婦人科領域での初症例に成功

東京医科歯科大学病院(病院長:藤井靖久)周産・女性診療科は、東京工業大学、リバーフィールド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:只野耕太郎)と共同開発を行った「触覚」を有する手術支援ロボットシステム「Saroa サージカルシステム」(承認番号:30500BZX00108000、以下「Saroa」)を用いた婦人科領域での初症例を、2023年10月20日に実施し、患者さんも無事に退院されたことをお知らせいたします。

東京医科歯科大学病院では、2023年7月に「Saroa」を用いた消化器外科領域での初症例成功に続き、2領域での成功となります。
婦人科領域での「Saroa」による初症例(ロボット支援腹腔鏡下子宮全摘術及び両側付属器摘出術)は、東京医科歯科大学病院 周産・女性診療科 吉木尚之准教授の執刀により実施されました。

執刀した吉木尚之准教授は、「既存の手術支援ロボットが4本のアームを有しているのに対して、「Saroa」のアームは3本のため、補助ポートを含めて4ポートで手術を実施し、安全で低侵襲のロボット支援下手術が実現できました。婦人科領域の手術に国産の新たな手術支援ロボットが使用できるようになり、選択肢が増えました」と述べました。
近年、外科手術において、術後の回復が早い、傷口が小さいなどの利点から、低侵襲の内視鏡外科手術における手術支援ロボットでの治療が増加の一途をたどっています。手術支援ロボットは、手振れ防止機能や手術で使用する術具(鉗子)に関節があることで精密に操作を行うことができ、外科手術における手術支援ロボットでの治療が今後さらに普及すると予想されています。

「Saroa」は、独自の空気圧精密制御技術を生かし、手術に使用する鉗子にかかる力を検出し、執刀医に触覚(力覚)をフィードバックする機能を搭載しています。従来にはなかった触覚(力覚)を有することにより、自分の手で直接手術しているような感覚が得られ、手術の精度がより高くなると期待されています。

プレスリリース

手術の様子