緩和ケア

緩和ケア病棟レポート vol.1

平成29年4月27日

平成29年4月1日、緩和ケア病棟が開棟し、約3週間が経過しました。現在の状況、および今後の見通しについて、腫瘍センターの三宅智センター長と、本松裕子緩和ケア病棟看護師長にお話を伺いました。

患者さんから学ぶことを糧により良い環境づくりをめざしています。

3月までの準備期間から、4月になって患者さんをお迎えして、何か変化がありましたか?
本松看護師長 はい。4月20日現在で7人の患者さんが入棟されました。3月の準備期間まで、通常の業務をこなしながら、できる限りの準備を整えました。一方で、4月になって実際に患者さんが入棟されると、初めて気がついたことや、緊急対応なども多いため、日々の経験を積みながら、たくさんのことを学んで、スタッフが一丸となって、より良い緩和ケア病棟を築こうとしています。

少しずつ新規患者さんを受け入れ、安全確実に新しい一歩を踏み出します。


緩和ケア病棟にて。左から本松裕子看護師長、川﨑つま子看護部長、三宅智腫瘍センター長、鵜澤茂代副看護師長

4月中は院内の患者さんに入棟を限定していましたが、5月からも引き続き、基本的には院内の患者さんが中心になるそうですね。
三宅智センター長 まだスタートしたばかりの病棟ですし、スタッフも試行錯誤を繰り返しながら、より良い環境づくりをめざし、日々精進しています。院外からの患者さんの受け入れも含め、5月になったら一気に患者さんを増やすことは、現在入院中の患者さんやご家族にもご負担をおかけすることになるため、安全に確実に新しい一歩を踏み出すつもりで、少しずつ新しい患者さんの受け入れを増やしていく予定です。そのため、お問い合わせやお申込のご希望をいただいても、お待たせしてしまうことがありますが、温かい目で見守って、お待ちいただければと思います。

清潔で明るく自由な雰囲気、そしてお風呂が人気です。

病棟の患者さんやご家族の様子はいかがですか?
本松看護師長 施設がきれいで明るく、写真や絵を飾るスペースなどがあり、病室らしくない雰囲気が好評です。病室にご家族がくつろげる大きめのソファや椅子があり、面会時間の制限もないので、家族がみんなで自由に集まって患者さんを囲んで楽しそうにお話されている様子を見ると、こちらもうれしくなります。入浴施設も充実しているので、「お風呂に入りたかった!」と喜ばれる患者さんもいらっしゃいました。


課題に取り組みながらスタッフの絆を深めています。

看護スタッフの皆さんのチームワークが大切ですね!
本松看護師長 現在医師3名、看護師15名が担当しています。やはり緩和ケア病棟は他の病棟とは異なる性質も持ち合わせているので、日々の業務で生じた課題を皆で悩み、指摘し合いながら解決する中で、チームワークや絆が深まっています。
ほとんどのスタッフは緩和ケア病棟での勤務の経験はないのですが、経験のある医師や看護師の意見を参考にしながら、医科歯科ならではの緩和ケア病棟を多職種で協力し作り上げていけたらよいなと思っています。


患者さんとご家族が望む“夫婦水入らずのランチ”を準備…

心に残るエピソードなどを教えてください。
本松看護師長 先日、患者さんと奥様のご希望を叶えるために、ちょっと特別な夫婦水入らずのランチの場を準備しました。テーブルセッティングをしたり、花を飾ったり…患者さんとご家族の笑顔をイメージしながらスタッフが試行錯誤しながら考え準備していました。一方で、病棟にない備品を準備したり、他の患者さんへのご配慮や、あと片付けなどについても、しっかり予定を組みながら準備をする必要があることに気づき、大変勉強になりました。こういう経験を積みながら、焦ることなく、ゆっくりと確実な成長をしていきたいと思います。

―ありがとうございました。