TMDUロゴ 東京医科歯科大学 血液内科学教室 TOKYO MEDICAL AND DENTAL UNIVERSITY Department of Hematology

外来受診 アクセス
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研修プログラム

研修プログラム

当科のご紹介

1.はじめに~医師育成の理念と目標

当科では若手医師の育成にあたり、まず大学病院および関連施設における豊富かつ多様な症例経験を通して、正確な診断のプロセスと造血幹細胞移植を含めた様々な治療に触れ、血液内科全般の高い診療能力を習得することを第一の目標としています。

さらに日々の診療の中で遭遇するclinical questionsに対しては、その答えを追求するための既報学術論文の評価、自身による学会発表や論文報告、それをさらに発展させた臨床研究の立案・遂行から成果発表まで、しっかりと指導できる体制を構築しています。

このような過程を経て、より強い探求心と優れた問題解決能力を身につけ、診療・研究・教育のいずれにも前向きなエネルギーをもち、新たな知見を広く国内外へ発信することができる血液内科医を育成することが、当科の専門医教育プログラムの最大の目標です。

私たちは、この目標を共有できる若い先生をいつでも歓迎します。

2.当科の特長について

~関連教育施設ネットワーク〜

当医局は、都内の大学病院血液内科医局としては出色の関連施設数と症例数を有しています。この中には国内有数の移植施設や、東京都内外の基幹的大規模病院も含まれ、連携する施設数は年々拡大しています。

これらの関連施設に、管理職・中堅・若手医師を継続的に派遣することで、診療・教育・自己研鑽の適正なバランスを保ち、ひいては地域医療に継続的に貢献しています。

東京都外、及び都内遠隔地の施設との間では主に後期研修での連携(教育施設群)を、大学近隣の施設との間ではこれに加えて病床管理の連携(連携病床群)を行っています。いずれの施設も日本血液学会の専門研修施設であり、どの施設での研修を選んでも、最短で血液内科専門医の取得が可能です。

この関連施設ネットワークは、血液内科臨床医としてのキャリア形成に必要な豊富な症例経験のみならず、臨床研究の立案・計画における症例数確保や、基礎研究で解析に用いる対象の範囲・多様性という観点からも、重要な点といえます。

施設名 許可
病床数
内科学会
認定教育
施設
血液学会
専門研修
施設
血内
常勤数
内科
専攻医
受入
R3
受入実績
主要研修施設(50音順)
青梅市立総合病院 529 教育 研修 5 3
東京逓信病院 375 教育 教育 4 2
同愛記念病院 373 教育 研修 4 0
武蔵野赤十字病院 611 教育 研修 4 1
横須賀共済病院 740 教育 研修 5 2
横浜みなと赤十字病院 634 教育 研修 4 2
教育・病床連携施設
埼玉県立がんセンター 503 関連 研修 4 0
東京共済病院 350 関連 研修 2 0
豊島病院 438 教育 教育 1 0
その他の連携施設
都立駒込病院 他 専門医教育
〜入局者数と多様性〜

ここ10年の入局者数は毎年3-5名で推移しており、都内の医学部血液内科としては有数の安定した運営です。東京医科歯科大出身者と他大学出身者はほぼ半々で、現スタッフも含めて非常に多様な構成になっています。また特にここ数年は、男女比もほぼ同じで、様々な背景を持つ、多くの若い先生をお迎えしています。

後期研修開始年度 性別 出身大学 合計
男性 女性 本学 本学以外
2022年 R4 2 2 1 3 4
2021年 R3 2 3 2 3 5※1
2020年 R2 3 2 3 2 5※2
2019年 R1/H31 2 1 2 1 3
2018年 H30 2 2 1 3 4
2017年 H29 1 2 0 3 3
2016年 H28 5 0 1 4 5
2015年 H27 2 1 2 1 3
2014年 H26 1 1 0 2 2
2013年 H25 3 2 2 3 5

※1 別途後期研修後入局者1名
※2 うち関連施設内科専門プログラム所属1名

〜医局内の雰囲気、モットー〜

長い伝統と関連施設規模を有しながらも、医局員構成は非常に若く、活気があります。何事につけても、トップダウンではなく、自由な提案と議論を重ねながら方針を決定することができる、垣根のない風通しの良い、発展的な医局運営を目指しています。

専門医研修プログラム

1.概要

東京医科歯科大学血液内科の専門研修プログラムでは、内科専門医・血液専門医の取得を最初の目標とし、まずは一般内科医としての大きな土台、それに上乗せする血液内科専門医としての基礎を築くための、継続的なサポートを行います。

その後は、本学大学院入学(基礎研究、臨床研究)、国内留学(他大学大学院)での学位取得、移植施設でのまとまった数の造血幹細胞移植の経験や、関連施設でのさらなる症例の蓄積、資格の取得(造血幹細胞移植認定医、輸血・細胞治療学会認定医、臨床検査専門医、がん治療認定医/がん薬物療法専門医など)、海外留学(基礎/臨床)など、個々の医師のニーズと、キャリアパスに合わせたプログラムの提供が可能です。

2. 内科専門研修

内科専門研修は、入局後、東京医科歯科大学病院プログラムまたは関連施設のプログラムで行います。J-OSLERシステムに登録し、内科専攻医として計3年間の研修を行います。

いずれのプログラムに所属した場合でも、最初の2年間を関連施設、残りの1年間を大学病院での研修(病棟医)となることがほとんどですが(パターン1および関連施設プログラム)、レジデントとして大学病院での研修を1年目に行うコース(パターン2)もあり、各自のニーズと適性、希望も参考に、研修先を決定しています。

当科では卒後3年目から、サブスペシャリティとして血液内科診療に専従した研修を開始することを基本にしますが、関連施設により内科全般の研修(1年間)から開始する場合もあります。(シェーマ左)

どのコースに所属しても、3年間で内科専門医取得に必要な症例数(症例登録、病歴要約)を経験することができます。

制度が変更になることもありますので、当院のプログラムについては総合教育研修センターのホームページを、内科専門研修およびJ-OSLERシステムの詳細については日本内科学会のホームページも必ずご確認下さい。

3. 血液専門医の取得

血液専門医認定試験受験資格の概略

  1. 日本内科学会認定医または小児科専門医である者。
  2. 卒後6年以上の臨床研修、うち3年以上を日本血液学会が認定した研修施設で臨床血液学の研修を行った者。
  3. 申請時に継続して3年以上日本血液学会の会員である者。
  4. 筆頭者として学会発表または論文が2つ以上ある者。
  5. 「診療実績記録」を提出すること。
  6. 研修カリキュラム評価を提出すること。

当科の専門研修プログラムでは卒後6年目終了時点で、ほぼこれらの資格を満たすことが可能です。多くの医局員は7-8年目に受験し、血液専門医を取得しています。

制度が変更になることもありますので、新専門医制度については日本血液学会のホームページも必ずご確認下さい。

専門医取得後のキャリアパス

当科プログラムでの専門医取得後の進路については、様々な可能性があり、多くの先生方が各方面で活躍中です。
例として

  • 地域の中核的な施設で、血液内科専門医・指導医としての経験を積み、スタッフ・管理職を目指す。
  • 大規模な移植施設で多くの同種造血幹細胞移植に継続的に携わる。
  • 内科開業医として、地域の血液内科医機能に貢献する。
  • 大学病院で特殊な病態の診療、教育や研究(基礎/臨床)に注力し、新たな発信を目指す。
  • 学位取得後、国内/海外留学でさらなる知見を得て、業績を挙げる。
  • 関連した資格の取得を生かして、化学療法部や輸血部、検査部などの重要な院内部門で各施設の病院機能に貢献する。など。

是非一人でも多くの若い先生方が当科に加わり、さらなる発展に向けて力を貸していただけると、医局としてこの上ない喜びです。

入局

  1. 1. 入局時期

    1. 1)初期研修修了時(後期研修開始時)に入局

      東京医科歯科大学病院または関連施設の内科研修プログラムの下で、サブスペシャリティである血液内科をメインとした内科研修を行います。

    2. 2)後期研修修了時に入局

      関連施設、東京医科歯科大学病院で血液内科医としてさらなる研鑽を積む方、大学院生として基礎/臨床研究を開始する方が該当します。

    当科では多くの場合1)に該当します。一方内科全般や総合診療として後期研修を終えられた後、当科に加わって下さった先生方2)もいます。

  2. 2. 募集の詳細

    1. 1)募集人数

      毎年数名の入局者を受け入れています。

    2. 2)応募資格・応募方法

      医師免許証を有し、医師法の定める2年間の卒後初期臨床研修修了または修了予定であること。特に出身大学、所属初期研修プログラム、卒後経過年数の規定はありません。

    3. 3)選考方法

      入局の可否については、当科での候補者選考(書類および面談)を参考に、最終的に部門長(主任教授)が決定します。

      後期研修(卒後3-5年目の3年間、内科専門研修およびサブスペシャリティとしての血液内科研修)の所属先と、その後のローテートの詳細については、入局の確定(入局申請書の提出)を受け、候補者の希望(アンケート調査)と医局人事との調整の上で決定され、当院あるいは関連施設の病院長による承認を受けます。

      後期研修後の入局者のローテートは個別の調整になります。

  3. 3. 入局説明会等

    入局を希望される方は、原則として入局説明会への参加と当科の見学を必須とさせていただいています。見学については、見学の案内・申し込みのページをご覧ください。

    当教室の入局説明会は、例年5-6月頃に行っています。当科の特色や、専門研修プログラム、キャリアパスなどについての説明を行います。日程・スケジュールが決まり次第、トップページに掲示しますので、ご確認ください。

    また、初期研修修了時点での入局を希望される方(通常の入局)は、当院総合研修センター主催の内科専門研修会/合同内科医局説明会へもあわせてご参加をお願いします。

    ※COVID-19対応の状況により、流動的となる可能性があることはご了承ください。

  4. 4. Q&A

    Q1: 後期研修のローテートについて教えてください。自分で研修先を選択することができますか。
    A: アンケートによる進路希望調査を行い参考にしますが、医局人事との兼ね合いもあり、必ずしも希望通りの研修先になるわけではありません。それでも、ここ数年の実績では概ね希望上位の研修先に派遣することができています。
    Q2: 3年目から血液内科専従の研修とのことですが、内科専門医取得に必要な症例を集めることは可能ですか。
    A: 血液内科はその実診療に、広く総合内科的な知識と経験が求められる診療科です。様々な合併症、併存疾患を有する症例も多く、当科の後期研修中に他の内科系診療科の病態・疾患を十分に経験することができます。J-OSLERシステムの導入後、当科の入局者はいずれも問題なく症例登録数、病歴要約数をクリアできています。
    Q3: 他の施設プログラムでの後期研修終了後の入局は可能ですか。
    A: もちろん可能です。血液専門医の取得に向けて医局としてしっかりサポートします。また各自のキャリアを生かした研修が行えるよう調整します。
    Q4: 入局前に施設見学や面接は必須ですか。
    A: 原則的に必須とさせて頂いていますが、COVID-19流行の状況などにより、ある程度柔軟な対応を行う可能性があります。

    その他ご不明な点があれば遠慮なく窓口(医局長)まで。

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