インプラント・顎骨再生・
顎骨造成・歯の移植
Implant・Tissue engineering・Bone development・Teeth transplantation
インプラント・顎骨再生・顎骨造成
顎骨における腫瘍、嚢胞(のうほう)、外傷(骨折や歯の脱落)、先天異常などにより歯を失い、顎骨を切除する場合があります。当科では萎縮した顎骨、切除した顎骨を機能的、審美的に回復させるために、自家骨や人工骨を用いた骨移植を行っています。
また、当科への直接紹介があるか、当科で口腔外科治療をおこなった患者に対してインプラント治療を行っています。
人工骨を用いた顎骨造成
従来より骨造成、骨補填に用いられているのは自家骨ですが、当科では患者さんへの侵襲を減らすために人工骨を用いています。腫瘍や嚢胞により生じた顎骨欠損に対して骨造成する場合や、萎縮した歯槽骨へのデンタルインプラント埋入の前処置における骨造成、抜歯後の歯槽堤温存のための骨補填などが対象となります。骨造成後にデンタルインプラントを埋入しており、その際の骨組織を確認しましたが、良好な骨形成を認めています。
【人工骨と下顎骨による顎骨造成例】
【人工骨と脛骨による顎骨造成例】
上顎洞底拳上術による顎骨造成
上顎洞底挙上術(サイナスリフト)について
上顎洞底の洞粘膜を拳上して、骨を移植し、骨の高さを造成させる方法であり、上顎骨(うわあご)の骨の高さが不足している場合に行います。骨の高さが足りずに、インプラントの埋入ができなかった場合でも、この手術を行うことでインプラント埋入が可能になります。
【サイナスリフト自家骨+人工骨β-TCP移植例】
サイナスリフトと同時にインプラント埋入、人工骨のみ(自家骨採取不要)
顎骨再建後のデンタルインプラント
症例が限定されますが、広範囲にわたって顎骨を失ってしまった場合や先天性疾患の顎骨再建後のデンタルインプラントは保険診療が可能であり、費用負担が軽減されています。保険診療適応症例か、担当医にご相談ください。
次の様な症例に対して、本学顎口腔外科学講座原田教授と連携を行い、インプラント治療を行なっています。
1. 血管柄付きの骨皮弁を用いた顎骨再建
口腔がんや良性腫瘍の切除後に顎骨に大きな欠損が生じ、歯が失われる場合に機能的、審美的に問題が生じます。血管柄つきの骨皮弁を用いた顎骨再建を行い、義歯やデンタルインプラントを入れることで、咬むこと、話すことに対するさらなる機能向上を目指しています。
肩甲骨皮弁による下顎骨再建例(本学顎口腔外科学講座原田教授による)
腓骨皮弁による顎骨再建例(本学顎口腔外科学講座原田教授による)
歯の移植
親知らず(智歯)や咬合していない歯(埋伏歯、転位歯など)を利用して抜いた歯と交換することが可能な場合があります。当科では長年歯の移植を行ってきました。5年生存率は90%程度であり、良好な結果を得ています。インプラントと比べていくつかのメリット・デメリットがありますので、ご相談いただければと思います。
【親知らずを欠損部に移植した例】
【のう胞を伴った歯の再植例】
一度歯を抜いて、のう胞を摘出して再植しています。
相談・質問は
当科では、専門医がさまざまな疑問、質問、相談に応じています。
お気軽にご連絡下さい。
口腔外科専門外来:骨再生医療・インプラント 月・水・金曜日AM
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