My Career Story

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野島 瞳 氏

病院
歯科放射線診断・治療学分野
講師(キャリアアップ)

当制度に申請した理由(着任への想い、どのようなスタンスやマインドでダイバーシティ推進に携わろうとしているか、キャリアアップに向けた意欲など)を教えてください。

やりたい研究テーマがある一方で、長期的な研究をどのように継続していくか、自分自身のキャリアをどのように築いていくかについて考えることが多くありました。特に、臨床試験のように長い時間を要する研究では、将来を見据えながら研究を進めていくことの難しさを感じることもあります。また、女性研究者として、ライフイベントを含めた将来への不安を抱くこともありました。

そのような中で、本制度は自身の研究や働き方、今後のキャリアについて改めて考え、次のステップへ向けて前向きにチャレンジする良い機会になると考え、申請させていただきました。

また、私の専門分野は女性がまだ少なく、学会でも女性研究者をあまり見かけません。だからこそ、自分自身が研究や診療を楽しみながら続けている姿を通して、「こんな働き方もあるんだ」「自分もやってみたい」と思っていただける方が少しでも増えたら嬉しいと思っています。私自身もまだ道半ばですが、この制度を通じて自身の研究やキャリアをさらに発展させるとともに、後輩が将来を描きやすい環境づくりに少しでも貢献できればと考えています。

ご自身のお仕事の内容とその魅力について教えてください。

一般開業歯科医院での勤務や口腔外科の大学院生としての経験を経て、現在は口腔がんに対する放射線治療の臨床と基礎研究に従事しています。患者さんの診療を行う一方で、新しい放射線治療法に関する研究や、治療効果を高めるための研究にも取り組んでいます。

私にとって、研究と患者さんに直接関わる臨床は、どちらも欠かすことのできない大切な仕事です。中高生の頃から基礎研究に携わりたいという思いがありましたが、一方で、患者さんと直接向き合い、その方の治療に関わることにも大きなやりがいを感じています。その両方に携われる現在の環境にとても感謝しています。

この分野の一番の魅力は、臨床と研究の距離がとても近いことです。放射線治療では、患者さんに実際に行っている治療そのものを研究に用いて、培養細胞や実験動物レベルで検証することができます。そして、そこで得られた知見を再び臨床へ還元し、治療法の改善につなげられる可能性があります。目の前の患者さんと向き合いながら、将来の患者さんにつながる研究にも取り組めることが、この仕事の最大の魅力だと思っています。

キャリアアップ教員に就いたことで、ご自身や周囲で変化したこと等があれば教えてください。

まだ就任したばかりですが、自分自身の研究やキャリアについて、これまでより中長期的な視点で考えるようになったと感じています。これまでは目の前の研究や業務に集中することが多かったのですが、「まずはこの3年間で何を実現したいか」という視点を持てるようになり、取り組んでみたいことや新しいアイディアも増えてきました。その結果、かえって今やるべきことが整理され、目の前の仕事にもより集中できるようになったように感じています。また、当制度により研究支援員を雇用できたことは、単に業務負担が軽くなるというだけではなく、自分自身の時間の使い方や仕事の分担について改めて考える良いきっかけになっています。今後、研究をチームで進めていく上で、どのように役割を分担し、お互いの強みを生かしていくかを考えるきっかけにもなっています。

さらに、今回の就任にあたり、周囲の先生方からも声をかけていただく機会が増え、自分の研究を改めて振り返り、客観的に見つめ直す良いきっかけになっています。これまでは自分自身や身近な業務に目が向きがちでしたが、制度を通じて、大学全体や次の世代のために自分に何ができるかという視点でも考えるようになりました。これから一歩ずつ着実に取り組んでいきたいと思っています。

当制度に期待すること、ご要望等はありますか。

理想を言えば、いずれは「女性」という枠組み自体を特別に設けなくてもよい環境になってほしいと思っています。性別を意識することなく、一人の教員、一人の研究者として自然に評価され、活躍できることが当たり前になるのが理想です。

ただ、そこに至るまでにはまだ時間が必要だとも感じています。最近は女性教員も増えてきている一方で、まだ少数派であることを感じたり、性別を意識する場面を経験したりする方も少なくないのではないかと感じています。そのような中で、同じような悩みや経験を共有できる仲間の存在はとても心強いものだと思います。そのため、キャリアアップ教員に限らず、本学の女性教員同士が気軽に交流し、研究や教育、診療などについて率直に話せるコミュニティーや交流の場がさらに充実すると嬉しく思います。

今後の目標(どのような女性リーダーになろうとしているか、研究者・医師・歯科医師・教育者としての抱負など)を教えてください。

研究者・歯科医師としては、自分の専門分野を深めながら、臨床・基礎・さらに異分野とのつながりも大切にし、本学ならではの研究をさらに発展させていきたいと考えています。当院で長年取り組んできた口腔がんに対する放射線治療の一つである小線源治療について、患者さんが適切な治療選択肢にアクセスできるよう、患者紹介につながる活動や医療関係者への啓発を続けていくことも、大切な役割の一つだと考えています。また、研究や診療を楽しみながら、自分なりの役割を果たしていきたいと思っています。そして、周囲の人もそれぞれの興味や強みを生かし、それぞれの形で力を発揮できるよう、一緒に考え、支えていける存在でありたいと思っています。私自身が大切にしているのは、「楽しむこと、焦らないこと、そして頑張り続けること」です。研究では、期待した結果が得られないことや、思うように進まないことも少なくありません。だからこそ、まずは楽しむことを忘れず、必要以上に慌てずに、一歩ずつ積み重ねていくことを心がけています。

教育者としては、これまで多くの先生方に支えていただいたように、後輩には自分が学んできたことをできるだけ伝え、早く力をつけて、自分らしく活躍してほしいと思っています。そして、一緒に悩み、議論しながら研究や診療に取り組める仲間が増えていけば嬉しいです。