My Career Story

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佐々木 律子 氏

大学院医歯学総合研究科
総合外科学分野
講師(キャリアアップ)

当制度に申請した理由(着任への想い、どのようなスタンスやマインドでダイバーシティ推進に携わろうとしているか、キャリアアップに向けた意欲など)を教えてください。

乳癌学会の新規入会者に占める女性の割合は近年急速に増加しています。一方で、専門医取得後も大学病院や市中病院で診療・研究に継続して携わる医師は必ずしも多くはなく、乳腺診療医の確保は地方のみならず都心部においても重要な課題です。

私自身、キャリア形成の方向性に悩んでいた時期に有賀教授から本制度をご紹介いただき、背中を押されたことが申請のきっかけとなりました。現在も臨床・研究・家庭との両立に模索を続けている段階です。だからこそ、本制度を通じて自らのキャリアを一歩前に進めるとともに、その悩みながら挑戦する過程を大切にしたいと考えています。

ご自身のお仕事の内容とその魅力について教えてください。

私は乳腺外科医として、乳癌の診断、手術、薬物療法、遺伝性腫瘍診療に携わっています。乳癌は日本人女性に最も多いがんであり、40代から罹患数が増加するため、患者さんご本人だけでなく、ご家族や社会生活にも大きな影響を与える疾患です。近年は検査や治療選択が複雑化し、個別化医療、ゲノム医療、新規薬剤に伴うさまざまな有害事象や経済的・時間的負担への配慮など、多面的な判断が求められています。その中で、私は臨床遺伝専門医として、遺伝性腫瘍診療の充実にも力を入れています。予防医学の視点から、未発症者への介入も重要な位置づけにあると考えています。このように、科学の進歩を患者さんへ届けられることに、この仕事の大きなやりがいを感じています。また、日々の診療から生まれた疑問を研究へと昇華させるアプローチも重要な仕事であると考えています。特に「bedside-to-bench」を通した分子腫瘍学的な視点を重視しており、尽きることのない魅力を感じています。

キャリアアップ教員に就いたことで、ご自身や周囲で変化したこと等があれば教えてください。

キャリアアップ教員に登用いただいたことで、私自身のマインドセットが「個人として成果を出す」ことに加え、「組織の中でどのように還元していくか」をより意識する方向へ変化しました。上長からも本制度を活用した具体的な取り組みについて助言をいただく機会が増え、教室全体の発展や次世代の環境づくりについて、より具体的に考える機会が増えたと感じています。

当制度に期待すること、ご要望等はありますか。

本制度には、キャリア形成のヒントを得られるリーダーシップ研修や、研究支援員配備などの支援を通じて、時間的制約のある中でもマネジメント力・研究力を高められることを期待しています。また、私は社会人になってから医療という比較的限られた世界で多くの時間を過ごしてきました。今後は、職種や分野、立場を越えたネットワークの中で対話し、多様な価値観に触れることで、中長期的に成長していくための視野を広げたいと考えています。

今後の目標(どのような女性リーダーになろうとしているか、研究者・医師・歯科医師・教育者としての抱負など)を教えてください。

これまでの道程を振り返ると、私は挑戦する機会を与え、支えてくださる指導者に恵まれてきたと感じています。若手に挑戦の機会を与えることは、同時にそれを支える能力と覚悟が必要であり、決して簡単なことではありません。教育は「共育」といいますが、私自身も診療・研究の場で若手や仲間と共に考え、安心して挑戦できる環境をつくれる存在になりたいと考えています。

外科レジデント時代に、外科部長から「常にアカデミックサージャンたれ」と教えられました。診療に真摯に向き合うだけでなく、日々の疑問を研究につなげ、次の医療をつくる視点を持ち続けることが、私がアカデミアで働く原点になっています。

今後も、自分自身が従事する仕事に誠実に取り組み続けるとともに、組織のメンバー一人ひとりが、それぞれの立場やライフステージの中で力を発揮し、成長を続けられるように支えていく存在を目指して、精進してまいります。