My Career Story

高橋 礼奈先生イメージ写真

高橋 礼奈 氏

東京医科歯科大学病院
むし歯科(う蝕制御学分野)
講師(キャリアアップ)

当制度に申請した理由を教えてください。

本学の教員として「女性」は、やはりマイノリティでした。私自身は幸運にも、今まで大学で仕事を続けてくることができましたが、「男女」をまったく意識せずにキャリア形成をできる状況とは言い難いと感じていました。当制度により、自身の仕事をよりやりやすい環境にでき、3年後に昇任審査を受けて、承認された場合は分野のポストが実質1つ増えるので分野のためにもなり、さらには本学のダイバーシティ推進の取り組みの一翼を担えると考え、当制度に申請しました。

ご自身のお仕事の内容とその魅力について教えてください。

まず、学術の先端に触れ、さらなる進歩を目指す研究分野、そして、若い人と接し、自分の知識や人間性が問われる教育分野、さらに、生身の患者さんのために治療を行う外来業務。これら3つの要素を全てやって良いという環境は、それを通じてさまざまな成長を体験でき、飽きることがありません。さらには、う蝕治療ガイドライン作成や共用試験(OSCE)にも携わり、全国の歯学部の人々と一緒に仕事をして、出会いの多さも魅力です。

キャリアアップ教員に就いたことで、ご自身やご周囲で変化したこと等があれば教えてください。

教員になって10年が経ち、飽きることはないものの、仕事がルーティン化していたことは否めませんでした。キャリアアップ教員に就いたことで、やはり、新たな気持ちで仕事に取り組み、モチベーションアップに繋がっていると感じています。これまで、研究、教育、臨床と無我夢中で仕事をしてきましたが、教員を続けてキャリアアップしていくために、リーダーシップへの意識が必要であることを強く感じました。特に女性歯科医師として、他人のロールモデルやメンターになることを考えるとすると必要不可欠であると痛感しています。当制度により、研究費の支援や研究支援員の配置をしてくださるとのことで、今後の研究の道筋が見えた気がしています。

当制度に期待すること、ご要望等はありますか。

当制度が短期間のみの制度になってしまわないように期待しています。もちろん、そのためには、選ばれた自分がしっかりと仕事をしないといけないのは言うまでもありません。3年間の任期ですが、その後の各教員がさらなるキャリアアップへの道筋を描かれていくことを期待しています。

今後の目標を教えてください。

この3年だけでは、研究は完成しません。研究は全て地道に積み重ねていくものなので、積み上げて、研究が形になるようにしていきたいと思います。また、研究だけでなく、教育、臨床と、三位一体で自己研鑽を続けていきたいと思います。その結果として、後進の女性たちのロールモデルになることも可能になると思っています。そして、この国全体のジェンダーギャップの問題はいまだに根深いといわれています。本学でのギャップを埋める、この取り組みに及ばずながら参画させていただき、10年20年先には、女性が女性であることを意識せず、キャリア形成をしていける環境を皆様と作り上げていきたいと思います。これにより、大学全体の活性化、研究、教育、歯科界の、ひいては日本全体の活性化につながることを願っています。