My Career Story

岡田 英理子先生イメージ写真

岡田 英理子 氏

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科(医)
臨床医学教育開発学分野
准教授(キャリアアップ)

当制度に申請した理由を教えてください。

私は大学院卒業後、ほぼ大学病院の消化器内科で高度な専門診療に携わり、9年ほど前からは医学教育分野にも携わっています。大学でのキャリアを維持していくことと家庭を両立していくことは、子供が成長しても大きな負担であり、難しい局面を多数乗り越えてきました。私は大学での仕事が楽しく、たとえ負担であっても周囲の協力もあり、喜びを持って続けることができましたが、悩み挫けそうな若い女性研究者も多数いると思います。そのみなさんに自分自身がロールモデルの一つとなれるよう、今回のキャリアップに申請しました。また、総合教育研修センター長を拝命して4年が過ぎますが、忙しい運営や教育業務のため、自分自身に不足している研究領域に対して、手厚いサポートが得られることも今回の申請理由の一つです。内外にアピールできる医学教育での自らのプレゼンスを高めていきたいと考えています。

ご自身のお仕事の内容とその魅力について教えてください。

現在は臨床医学教育開発学と総合教育研修センターでの卒前卒後医学教育分野での仕事が中心です。消化器内科の外来や内視鏡検査は臨床現場の視点を維持するためにも継続しています。総合教育研修センターでは、センター長という責任のある仕事を任されて丸4年が経とうとしています。責任者になった年、マッチングでの人気は下がっていましたが、研修内容や研修環境の改革を進め、現在は研修医応募者も過去最高を記録し、フルマッチを維持しています。研修を修了していく研修医から、充実した研修だったと伝えられることが大きな喜びです。また、卒前教育や診療参加型臨床実習、OSCEなどにも関わり、大学外では共用試験実施評価機構での共用試験制度の運営、専門医機構での専門研修制度に関わっており、医学教育を通して社会へ貢献しています。

キャリアアップ教員に就いたことで、ご自身やご周囲で変化したこと等があれば教えてください。

まだあまり実感はありませんが、センター長として対外的な仕事も多く、職位も上がったことでより発言力を増していけると考えています。より積極的な活動を行っていきたいと考えています。

当制度に期待すること、ご要望等はありますか。

この制度を上手に利用することで、仕事上の様々なハンデを抱える女性であっても、大学でキャリア維持を目標とすることが当たり前と思えるようにしてほしいと思います。制度の利用など細かい内容については、これからもサポートいただきたいと思います。

今後の目標を教えてください。

ここまで私が続けてきたキャリアの積み方は、自らの努力だけでなく、犠牲と幸運に助けられたことも多かったと思います。これからの若い世代に向けて、自らがロールモデルの一つにはなりたいですが、同じやり方を強要するつもりはなく、もっと新しい働き方を考え多数の意見と協働しながら、個々人の能力育成をサポートできるようなリーダーになりたいと考えています。自らもまだまだ成長段階だとは思いますが、医学教育者として幅広い視野を学び、これからも後進の育成に邁進したいと考えています。