名前 笹野 哲郎 医学博士所属 メディカル・トップトラック （MTT）プログラム
職名 ジュニアMTTフェロー （特任助教）
主研究テーマ
1. 遺伝子治療･細胞治療による不整脈治療
2. 心房細動の発症・維持に寄与する分子の解明
研究概要
1．現在、致死性心室性不整脈の治療は、カテーテルアブレーション・植え込み型除細動器等が中心であり、イオンチャネルをターゲットとした従来の薬物療法のほとんどは予後を悪化させる。本研究の目的は、頻脈性心室性不整脈の治療として、ウイルスベクターを用いた遺伝子導入や、心臓幹細胞を用いた細胞治療を試みることにある。この研究の目標は、不整脈治療の新たなターゲットとなる分子を探索し、遺伝子治療・細胞治療の臨床応用を目指すこと、または薬物治療の新たな方向性を示すことである。
2．近年、心房細動に関して、肺静脈の発生との関連や電気的リモデリングに関する研究が進んできた。本研究の目的は、肺静脈の不整脈源性となるkey moleculeを探索し、その役割について検討することにある。心房細動の新たな治療、あるいはSNP解析などによるリスク診断に役立てることを最終的な目標とある。
論文
1. Sasano T, McDonald AD, Kikuchi K, Donahue JK: Molecular Ablation of Ventricular
Tachycardia after Myocardial Infarction. Nat Med. 12: 1256-8 (2006)
2. Sasano T, Kikuchi K, McDonald AD, Lai S, Donahue JK: Targeted high-efficiency,
homogeneous myocardial gene transfer. J Mol Cell Cardiol. 42: 954-61 (2007)
3. Kikuchi K, McDonald AD, Sasano T, Donahue JK: Targeted modification of atrial electrophysiology by homogeneous transmural atrial gene transfer. Circulation. 111: 264-70 (2005)
主に行っている研究上の技術
1. ウイルスベクターを用いた心臓への遺伝子導入
2. パッチクランプ及びoptical mappingによる単離心筋細胞またはwhole heartの電気生理検査
3. Cardiac progenitor cellの分離、培養と遺伝子導入