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麻酔・蘇生・ペインクリニック科外来担当表はこちら

科長のご紹介

手術を受けられる方が対象の周術期管理、慢性的な痛みに
悩む方のための疼痛メカニズムの解明、
それに基づいた診断・治療に取り組んでいます

科長 内田 篤治郎 -Tokujiro Uchida-
専門医 日本麻酔科学会認定 麻酔科専門医
専門分野 麻酔科学
研究領域 周術期管理医学
バイオマーカー
急性肺傷害
麻酔薬の臨床薬理
電話番号 03-5803-5685
専用ホームページ http://www.tmd.ac.jp/med/mane/mane-J.html

1. 痛みの強さを客観的に表す指標がなく、他人には分かってもらえないもどかしさがあります。ペインクリニック外来では科学的な痛みの評価法、慢性的な痛みのメカニズム解明とそれに基づいた診断と治療を目標に診療を行っています。
2. 麻酔前診察:麻酔科外来では麻酔を受けられる患者さんのために、麻酔前の問診と診察および検査結果の評価を行うことにより、安全な麻酔を行うように努めています。

診療科の概要

周術期管理では、術前診察による綿密な評価と麻酔計画の立案を行い、術中管理では、安全な麻酔管理の下、手術に伴う疼痛刺激やストレス反応を最小限に抑えます。術中から術後にかけては、各種神経ブロックの併用などにより、疼痛管理を行い、早期離床・早期回復を目指したサポートを行います。
ペインクリニック外来では、神経ブロック、薬物療法、および対話療法によって痛みの緩和を行います。中でも、電気生理学に基づいた痛みの診断と治療が特徴です。神経ブロックは、帯状疱疹後神経痛や腰痛などの一般的な痛みから、癌性疼痛、自律神経失調症、アレルギー性鼻炎、血行障害までカバーします。また、高気圧治療部との連携により、突発性難聴、血行障害、複雑性局所疼痛症候群などに対して、高気圧酸素治療と神経ブロックとを効率よく組み合わせた治療を行います。

取り扱うおもな疾患

周術期管理: 手術室で行われる手術や、血管内治療等で麻酔科管理となる症例全般が対象となります。
ペインクリニック: 疼痛一般(神経障害性疼痛、帯状疱疹後神経痛、腰痛、三叉神経痛、癌性疼痛など)

診療体制変更のお知らせ

おもな診断・治療法

手術における麻酔では、全身麻酔、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔、末梢神経ブロックなどの組み合わせにより、麻酔管理が行われます。術後の疼痛管理の目的で、患者自己調節鎮痛法(PCA:patient controlled analgesia)が使われることがあります。
ペインクリニックでは、顔面・上肢などの有痛性疾患や血行障害に対しては、交感神経ブロックである星状神経節ブロックを行い、痛み、しびれ、麻痺などの症状を緩和します。
体幹や腰下肢の痛みに対しては、硬膜外ブロックやトリガーポイント注射等で対応します。X線透視下で、脊髄神経根付近に局所麻酔薬やステロイドを投与することもあります。

高度な先進医療

周術期管理においては、様々な外科系診療科の最先端の術式にも、外科系診療科とチームを組みながら、適切な麻酔方法で対応しています。
癌性疼痛に対して、薬物療法の他、神経ブロック(腹腔神経叢ブロック、上下腹神経叢ブロック、神経根ブロック、硬膜外ポート留置など)で緩和療法を行います。
高気圧治療と神経ブロックの併用による痛みの治療は当院の特徴的治療法です。

診療科における研究テーマ

周術期管理領域:
術後早期回復プログラムに即した経口補水液の開発
周術期血液凝固機能に関する新規全血検査法の臨床検討
周術期バイオマーカーの検討:術中臓器機能障害を血液・尿などの検体から早期に診断を付けるためのバイオマーカーについて検討を行っています。
周術期データベースの構築と予後解析
ペインクリニック領域:
電気生理学による痛みの診断
脳機能イメージングによる慢性的な痛みのメカニズム解明と診断法開発

その他

当科では年間約5,000人の手術患者さんの麻酔管理を行っています。安全で質の高い麻酔を受けて頂くために、毎日外来で患者さんを術前診察して綿密な麻酔計画を立てています。