本学科は豊かな教養と高い倫理観に裏付けられた医療人としての感性を有し,自ら学び研究し,創意工夫することができる人間の形成を目指す。その視点に立ち看護学,検査技術学の2つの領域において,それぞれの専門的領域の知識,技術を教授することにとどまらず,学際的視野に立ち自ら問題を提起し,これを解決する能力を備えた医療人を養成する。
現代医療における臨床検査の役割を理解し,専門的知識と科学的思考能力および医療人としての倫理観を身につけた,臨床検査および関連領域における将来の研究者,教育者,指導者となりうる人材を養成する。
1 臨床検査学の基礎から最先端に至る知識と技術を修得する。
2 検査管理能力を修得する。
3 医療や医学研究に携わる者としての基本的な教養,倫理観,責任ある態度を身につける。
4 新しい臨床検査技術の開発や関連分野における独創的研究の基礎となる,科学的な思考法を身につける。
検査技術学専攻の専門課程のカリキュラムは,前記の教育目的,目標を達成するために,各教員が各担当科目の教育内容,到達目標などを明記したシラバスを作成したものを,本専攻の特色を生かしつつ、臨床検査技師教育の一貫性も考慮して保健衛生学科教育委員会において検討し、作成したものである。これまでの数回のカリキュラム改善を踏まえ、平成19年度から新カリキュラムとして発足させた。以下に示した新しいカリキュラムの特色を理解した上で学習していただきたい。
1)厚生労働省の臨床検査技師学校養成所指定規則に定められている科目を網羅し,さらに選択必修科目として約15の多彩な科目を開講している。これには当専攻の他,大学院医歯学総合研究科,医学部附属病院,難治疾患研究所,生体材料工学研究所,情報処理センター,疾患遺伝子実験センター,機器分析センター,アイソトープ総合センター等の教員によるところも大きく,本学が医系総合大学であり,かつ当学科が医学部に設置されていることのメリットを生かしたものである。
2)基本的には第2学年で基礎的な科目,第3学年で臨床的な科目を履修し,第4学年は卒業研究と臨地実習が主体となる。しかし語学教育は継続性が重要であるので,教養部での履修に続いて第2学年と第3学年でも医学英語を受講し,第4学年では卒業研究の中で英語論文を読むなど,絶えず英語に触れるように配慮した。同様に情報関連教育も,教養部における初歩的な教育に引き続き,第2学年で進んだ内容の演習を行い,第4学年では附属病院や関連病院において,病院内の診療情報処理システムの実際を学ぶことになっている。
3)第4学年の前期は卒業研究として学内・学外の研究室に1-2名ずつ分散して,臨床検査あるいは関連領域の研究の実際を体験し,結果を発表し,論文にまとめる。これらの過程を通じて,将来独創的な研究を行うための基本を習得することができる。
4)平成19年度からは,従来第4学年に開講されていた臨床病態学を分割して,基本的な内容を臨床病態学Tとして第2学年で,応用的な内容を臨床病態学Uとして第4学年で履修するように変更した。
5)平成19年度からは,従来は選択必修科目として開講されていた染色体検査学の内容を取り込んだ遺伝子・染色体検査学を必修科目として開講することとした。
6)以上の他,健康食品管理士認定試験の受験資格のための自由選択科目として、薬理学と健康食品総論とを開講する。
N2 |
講義室4 |
医歯学総合研究棟7階 |
N3 |
講義室2 |
医歯学総合研究棟8階 |
N4 |
講義室1 |
医歯学総合研究棟18階 |
MT2 |
講義室5 |
医歯学総合研究棟7階 |
MT3 |
講義室3 |
医歯学総合研究棟8階 |
MT4 |
講義室1 |
医歯学総合研究棟18階 |
合同講義 |
講義室1 |
医歯学総合研究棟18階 |
専門教育科目を学ぶにあたって
皆さんは、一年間の教養教育を通して本学の学生に望まれる基本理念『自ら問題を提起し、それらを自らの工夫によって解決できる』の素地を身につけて進学されました。これから、いよいよ臨床検査学の専門教育の学習が始まりますが、その前に、ぜひこの要項に記載されている『保健衛生学科の教育理念』、『看護学専攻の教育目的』、『看護学専攻の教育目標』を熟読し、十分に理解をしてください。ここに書かれた内容は、皆さんがこれから学習する専門教育の成果として、卒業時までに身につけることが期待されている内容だからです。
専門教育は、はじめに人体の正常な構造や機能、人体の病気に関わる原因や病態など、検査技術学の土台となる専門基礎分野、基礎医学的知識を習得します。これらの科目は独立した科目ではなく、相互に密接に関わり合っているため、総合して体系的に理解することが必要とされます。
専門基礎分野の学習が進むと、次のステップとして専門分野の教育が始まります。ここでは専門基礎分野で学んだ知識を土台として、生活者としての人間の健康を保持、増進する臨床検査学の理論と実践を学びます。専門分野の教育は、知識と技術の習得だけではなく、医療人、専門職業人にふさわしい態度、行動を、講義ならびに実習をとおして学ばなければなりません。教養教育、専門基礎教育、専門教育における学習を統合し、さらに課外活動における経験などを通して、医療人、専門職業人としてあるべき姿を模索し、自らの理想に近づく努力をしてください。
専門教育は本教育要綱に示すように、各指導教員がシラバスをふまえて体系的に教授します。専門教育内容の習得には、毎回の授業出席に加え、予習、復習が不可欠です。また、遅刻、早退、欠席や、授業中に集中力を欠いている場合には、それを補うために多大な努力を要し、3年間で履修することは困難といわざるを得ません。
基礎知識と技能を有し、論理的、科学的に問題を解決できる能力を習得するにとどまらず、患者および家族から、信頼される臨床検査技師として専門性と倫理観あふれる感性を身につけることを心から望んでいます。
東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
教育委員会委員長
人体構造学講義・実習
病理検査学講義
病理検査学実習
生化学講義
生化学実習
分析化学検査学講義(T)
医用システム情報学講義(T)
医用システム情報学実習(T)
生理検査学講義(T)・実習(T)
病原体検査学講義(T)
病原体検査学実習(T)
遺伝子・染色体検査学講義
検査管理学
医学情報処理演習(T)
公衆衛生学講義・実習
医療概論・関係法規
臨床病態学(T)
医学英語演習(T)
TOEFL/ITP
血液検査学講義
血液検査学実習
分析化学検査学講義(U)
分析化学検査学実習
医用システム情報学講義(U)
医用システム情報学実習(U)
生理検査学講義(U)
生理検査学実習(U)
病原体検査学講義(U)・実習(U)
免疫検査学講義
免疫検査学実習
遺伝子検査学講義
遺伝子検査学実習
医学英語演習(U)
TOEFL/ITP
医学情報処理演習(U)
臨床病態学
総合講義
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卒業研究
神経科学
遺伝学
生体医工学
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分子生物学
細胞のエネルギー獲得と利用のしくみ
科学の中の化学
心臓生理学
実験動物学
癒しの生化学・分子生物学
電子顕微鏡学
健康食品総論【自由選択科目】
薬理学講義【自由選択科目】
3年次編入学学生は,各学期に履修する「必修科目」及び「選択必修科目」の両方について,各学期の始めに,『履修届』を記入し,学務課に提出すること。 ※「全学共通科目(教養科目)」及び「専門科目」の両方を記入すること。