教育内容 > 教育評価 > 2004年アンケート結果


 生命情報科学教育部では、教育内容の改善を図るために、講義・演習期間終了後に、学生ならびに教員に対してアンケート調査を実施しています。以下に2004年度に実施した調査に対する回答の一部を掲載します。2003年度のアンケート結果についてはこちらをご覧ください。

 アンケート結果 <学生>
●履修して良かったと感じた科目

〔最先端疾患生命科学概論〕  
・学部時代に学んできた基本知識の復習から、未習分野の学習まで幅広く学べた。

〔バイオ産学連携特論〕
・特許という制度自体にはあまり興味がなく、個人的に勉強することはまずなかったと思うので、どういう制度であるのかということを知る良い機会となった。研究を続けていく上では、避けて通れないし、特許を出す時に大いに役に立つと思う。
・知的財産あるいは特許などについて非常に現実的な話をして頂いた。また、バイオベンチャーを立ち上げる際のケーススタディが非常に面白かった。本講義で行ったような法律や経済的な話というのは、学部時代を含めて今までほとんど講義として受ける機会がなかったが、この講義を受講してから,法律あるいは経済的な事情に非常に興味が強くなった。
・研究をビジネスに結びつける方法論を学ぶことができて楽しかった。

〔ゲノム科学特論〕
・ゲノムに関する基本事項から、その医療への応用、生命倫理に関することまで幅広く学べて良かった。

〔発生工学演習〕 
・トランスジェニックマウス作製までの一連の流れがつかめた。また、動物細胞をどのように培養するのかということも一応体験できたので,ためになった。
・ES細胞の培養、形態観察やフィーダー細胞のとり方などを体験できた。
・ノックアウトマウスを作るための具体的な方法や、Cre-loxPシステムなどを学べた。

〔プロテオーム解析演習〕
・実験経験の有無によって、バランスよく班を分け,効率よく実験を進めることができた。演習を通して研究室の枠を超えた友人をつくることができた。
・実際にMASSを使った解析など、初めて行う実験ができた。やりたい実験を選択して行えたことも良かった。

〔細胞・組織形態解析演習〕
・マウスの固定・免疫染色や生細胞の様子を可視化して観察できたので面白かった。

〔再生医療/細胞治療実験演習〕
・現在話題のES細胞を扱って実験ができた。

・生物学科や工学部に所属していては,あまり受けることの出来ない演習だった。

●改善すべき点

〔ゲノム情報科学特論〕
・英語でずっと行われる講義はきつかった。

〔細胞シグナル制御学特論〕
・内容は興味深いのに、講義時間の関係で表面をさらうだけになった。

〔発生工学演習〕
・ほとんどの時間が待ち時間だったので、グループ分けや時間配分をもっと考慮すべきだと思う。

〔ゲノム及び遺伝子発現解析演習〕
・実験器具の準備が足りず、待ち時間が多かった。人数の割に実験室が狭すぎた。

〔多くの科目〕
・全ての講義ではないが、内容が難しすぎる講義が多い。教える側の先生は我々の能力を過信しているのではないかと感じた。

〔その他〕
・高次生命科学関連の講義・演習が5月下旬以降に集中しており、講義期間の前半は時間が空き、後半は時間がないという状況だった。専攻によるかもしれないが、もう少し期間を工夫してほしい。

・発生学の講義はすべての講義の前提となっているにもかかわらず、専門の講義がなかったのが残念だった。最新の知見をふまえた新しい発生学の講義を受講したい。

・講義の内容として、もっと基礎的或いは実用的なレベルであればより効果的な講義になったと思う。

・大学外部の研究室で研究を行っているが、講義日程の情報が十分に把握できないので, web等で告知するような方法を検討してもらいたい。

・授業科目の選択の幅が十分ではないので、医歯総合研究科の講義などを単位として容易に認められるようにシステムの改善を図っていただきたい。

・一回の講義のみの先生方も多いので、先生方が執筆しておられる本や雑誌(細胞工学、PNE等など)の記事などを紹介していただけると理解が深まると思う。

・研究室に所属して実験をはじめると忙しくなり、追加の講議に出られない事が有る。

・ガイダンス後に、懇談会を開くべきではないか。演習が始まってやっと、打ち解けていった感がある。 

・試験という形式がふさわしい分野と、それがふさわしくない分野があると思う。一律して全て試験を行うというのはどうなのだろうか。

・博士後期過程にまでなれば、必要な知識や技術は自分から学びに行くこともできるので、授業については興味があれば履修も可能であるという形にした方が良い。

●その他意見

・講義がびっしりで、試験も大変だったが、最先端の話が聞けてよかった。

・このような講義に関するアンケートを書く機会を頂いて、大変嬉しく思う。できたての大学院を少しでも良くしていこうというという考えの表れであると思う。

・さまざまな講義を自由に受けられるのがとても良かった。


 アンケート結果 <教員>

●改善すべき点

・異なるバックグラウンドの学生にどのレベルの講義をすべきか悩んだ。

・履修学生の研究経験があまりにも個人により違いがあるので、全員を満足させる実習は困難だった。全員が理解できるような演習を行ったが、経験者には退屈な内容だったかもしれない。

・連携・協力機関の拡大とともに授業内容も多様になってきているが、それにともなう授業時間や期間の拡大・延長も考慮したほうがよいと考える。授業期間をこのままにして、密度を高くするのでは、学生の授業の消化不良を招くことも懸念される。

・7月の試験期間に集中している学生の負担を平均化し、教育効果を高める。そのためには,一部科目の後期開講、前期前半には実習・演習などのレポートにより評価する科目を多めに開講、5月下旬頃にも試験期間を設ける,等が考えられる。

・講義内容のスライドについて、学内のみアクセス可能なドメインにアップロードして欲しい。

・知的財産と特許制度の基礎的な話をしたが、1コマのため、かなり急いで授業を進めた。2コマあれば欧米の制度についても触れることができ、より深みのある授業ができるのではないかと思われる。

・演習において,機器に限りがある上、履修者が多いので4つに班分けしてローテーションし、1班あたり実質3日しか実習できなかった。受動的に決められたことをして期待される結果を得るだけでなく、課題だけ与えて自由なスケジュールで切片を切ったり染色できたりする方がやりがいがあるかも知れない。

・前期課程と後期課程の合同の講義では,後期課程の学生には内容的に物足りないところもあるので、履修時間を少し減じても別々にしたほうが良い。

・修士の講義については、医歯学総合研究科、保健衛生研究科との合同講義を検討してほしい。

・学外の講師から、学生からの反応がないと言われる。積極的に講義に参加し、講師とディスカッションするように指導してほしい。

●指導した学生からの要望事項

・講義をパソコンプロジェクターで行ったために、資料の請求があった。

・演習の手順のプリントを前もって配布して欲しいとの要望があった。

・一つの科目を複数の講師が担当しているために、試験の出題範囲が広くなっている。試験勉強が広く浅くなり内容を深く理解できないで終わるケースが多々ある。試験問題作成時に考慮して欲しいとの要望があった。

・1コマ3時間は長いという意見があった。2回分の講義と書いてはあっても、実際に2コマ分と分かるように時間割の一覧表や講義ごとの日程表に明記して、休憩を必ず挟むようにしたらいいと思う。

・博士(後期)課程の講義としては少し内容が易しすぎるとの意見があった。

●要望事項
演習機器が整備された演習室などあれば、もっと余裕をもって指導できるように思う。

・演習で使用する機器を設置している部屋が手狭なため、一度に多人数を指導できない。今年度までいくつかのグループに分けて行っているが、今年度の人数以上の履修希望があっても十分な指導をすることができないことが懸念される。

・教員どうしが他の演習内容を閲覧できるように、配布物は教員にも配るのがよい。重複があったり、ちぐはぐなのは問題である。

・大学院・難治疾患研究所・生体材料研究所の中で、教育専門の職員を養成してほしい。

・演習の実施にあたり、TAと大学院支援施設の職員の方に,本務の一環として演習のサポートをお願いしたい。
 
●その他の意見

・初年度であった昨年に比べればスムーズに運営されているように思われた。

・今年度は試験前に準備期間を設定したが、学生が授業内容の理解を深めるよい機会だったと思う。この期間中に学生からの授業内容への質問を多く受けた。

・すべてを把握していないが、知っている範囲では学生のために履修項目は良く考えられていると感じた。

・熱心な学生が多い印象だった。

・1回だけ講義を担当したが、熱心によい質問をする学生がおり、感心した。

・講義後、数名の学生からレベルの高い質問を受けた。知的財産への関心は年を追うごとに確実に上がっていると感じた。



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