看護先進科学専攻 災害・クリティカルケア看護学分野
共同災害看護学専攻

教育方針・活動

学部

当分野では、1年次後期の「看護の統合と実践Ⅰ」、4年次前期の「看護の統合と実践Ⅱ」「看護の統合と実践実習」を担当しています。「看護の統合と実践Ⅰ」では、看護専門職に必要とされる知識・技術・態度について学生自らが考え、看護観を育み、短期的、長期的な自身の学修およびキャリアプランについて検討することを目的とし、様々な領域で活躍する看護職や協働する他職種からの講義、関心のある看護トピックスに関し情報収集・統合し、理解を深めています。

「看護の統合と実践Ⅱ」では、看護専門職に必要とされる知識・技術・態度について、3年次までの学修内容に看護倫理やマネジメントの視点を含めて熟考・統合し、看護観を発展させ、短期的、長期的な自身のキャリアプランを明確にし、さらに卒後数年間のアクションプランを検討することを目的とし、看護倫理、看護マネジメント、医療制度・経済の専門家から講義を受けて知識を深めるとともに、組織において多職種と連携しながら看護が果たす役割を探究し、学生自らが、自身の看護職としてのキャリアプラン、アクションプランについて考察しています。

さらに、「看護の統合と実践実習」では、病院機能全体において看護職が果たす役割を総合的な体験・実践を通して理解することを目的とし、既習の知識や技術を基盤として、病棟における複数の患者の受け持ちや、重症患者の受け入れやケアを学び、優先性を考慮した多重課題への対応や、チームにおける協働を経験するなど、現場の看護職に求められる知識・技術・態度についてあらためて考察し、自らの課題を見出し、総合的な看護実践能力を高めています。

大学院(DNGL, APN教育)

当分野は、2014年4月に、文部科学省博士課程教育リーディングプログラム事業の「災害看護グローバルリーダー養成プログラム」として、本学および高知県立大学、兵庫県立大学、千葉大学、日本赤十字看護大学の5大学による共同教育課程(5年一貫制博士課程)が開設されたことに伴い、本学の「共同災害看護学専攻」として創設されました。構成大学が蓄積してきた災害看護の経験や資源を活かして、災害看護の深奥を極め、人々の健康社会の構築と安全・安心・自立に寄与すること、また、災害看護に関する多くの課題に的確に対応し解決するために、学際的・国際的指導力を発揮できる災害看護のグローバルリーダーを養成することを目標としてきました。2023年3月末までに5大学で52名(本学11名)が入学し、21名(本学9名)が修了して教育や実践の現場で活躍しています。

上記文科省事業の終了に伴い、2019年度の入学者を最後に同プログラムは学生募集を停止しました。2021年度からは、あらたに5大学災害看護コンソーシアムを組織し、災害看護グローバルリーダーの養成を継承しています。

一方、各大学は、それぞれの特徴をこれまで以上に生かした独自の教育・研究も推進していくこととなり、本学では、看護先進科学専攻の、「災害・クリティカルケア看護学分野」として、災害、外傷や重篤疾患の急激な発症、高侵襲治療などにより、心身の危機的状況にある人々の看護や危機回避のための仕組みの構築、また大規模災害時に帰宅困難となった人々の生命や心理社会的な危機を回避するための対策に焦点を当てて、教育、研究を進めています。2022年度からは、東京都との共同事業「大規模災害時の帰宅困難者民間一時滞在施設の対応力強化支援事業」にも取り組んでいます。当分野には、災害看護グローバルリーダー養成コース、クリティカルケア看護高度実践看護師コースを2つの柱とした、多様なコースワークを設置しています。

1)災害看護グローバルリーダー、災害看護学の教育・研究者の養成

本学は、これまでも主に大規模災害発生時の防災・減災に向けた備えと発災急性期における看護の役割に着目しており、引き続き、学内はもとより地域住民、行政、医師会、企業等と連携した大災害への備えをテーマに、人材育成と研究に尽力しています。

災害看護グローバルリーダー養成コースを履修される方は、5大学から提供される災害看護コンソーシアム科目を10単位以上(本学は、「災害看護学特論Ⅰ」と「看護政策学特論」を担当)と、本学独自の必修・選択科目(インターンシップを含む)を履修し、災害看護学に関連した博士論文研究に取り組み、学位論文審査と最終試験に合格すれば、学位記に「災害看護グローバルリーダー養成コースを修了」したことが付記されます。また、他分野に所属し、災害看護をサブスペシャリティとしたい方や、災害看護を少しだけ学びたい方の受講も歓迎します。

2)クリティカルケア看護高度実践看護師の育成、クリティカルケア看護学の教育・研究者の育成

当分野は、2021年2月に、日本看護系大学協議会より、「クリティカルケア看護高度実践看護師教育課程」の認定を受けました。2021年度より、重篤疾患の急激な発症、高侵襲治療、災害や外傷などにより、心身の危機的状況にある人々の看護のスペシャリストである、急性・重症患者看護専門看護師(38単位)の養成を行っています。

クリティカルケア看護高度実践看護師コースを履修される方は、専門看護師受験資格に必要な所定の科目の単位を修得し、修士号を授与されると、在学中(2年次修了以降)でも専門看護師の受験資格を得ることができます。また、クリティカルケア看護学の教育・研究者を目指す方の入学も歓迎します。