新学術領域研究の概要
- 領域略称名 :
- ナノメディシン
- 領域番号 :
- 2306
- 設定期間 :
- 平成23年度~平成27年度
- 領域代表者 :
- 石原 一彦
- 所属機関 :
- 東京大学
ナノメディシン分子科学は、生体を構成し生命活動を司る細胞環境における分子反応に関わるものです。しかしながら、細胞環境は通常の化学反応環境とは全く異なります。ナノメディシン分子科学では、特殊な細胞環境における分子反応を定量的に理解・考察するために、分子反応パラメータを導出します。すなわち、細胞にフォーカスし、細胞環境での分子反応論の確立、細胞環境の理解、細胞内化学反応様式の理解を基本とする学術と定義します。これにより分子反応場となる細胞を通して生体全体へと連携するシステムを、各次元で、異分野に属する研究者が共通する言葉で理解・考察できるようにします。これには大きく2つの目的があります。一つは、ナノメディシン分子科学の創成により、細胞環境での分子反応パラメータを基盤として、生命反応の理解、病態理解の科学的根拠、医薬品や医療機器創製のための設計に結実し、超高齢社会に対応する安全・安心医療の発展に貢献します。また、バイオ・医療産業の爆発的発展を誘引する工学的情報提供と、将来的にこれを支え、より発展させる人材育成を行います。