歯科心身医学分野/歯科心身医療科
「口の中がねばつく」「糸や膜が出てくる感じがする」。診察ではその感覚を十分に説明できる異常が見つからなくても、苦痛は実際のものです。症状の特徴と診療について説明します。
口の中に、通常の言葉では表現しにくい、つらい感覚が続く状態です。口腔異常感症、口腔内セネストパチー、oral cenesthopathyとも呼ばれます。診察や検査では、その感覚を十分に説明できる歯科・医学的な異常が確認できないことが特徴です。
「口の中がネバネバ、ベタベタする」「唾液が泡状に感じる」「歯ぐきや上あごに何かが張り付く」「口の中から糸や膜のようなものが出てくる」「歯やあごが動く、変形する感じがする」など、症状は多様です。
まず口腔粘膜、唾液、歯や歯科材料の状態、服用薬などを確認し、必要に応じて神経学的・全身的な病気も検討します。ねばつきや異物感があるという理由だけで、口腔セネストパチーと決めることはできません。
どのような感覚が、いつ、どこに、どの程度生じるのか、食事・会話・仕事・睡眠にどう影響しているのかを詳しく伺います。患者さんが言葉にしにくい感覚も、できる範囲でそのままお伝えください。
症状を否定するのではなく、口腔感覚の受け取り方や注意の向き方、気分・睡眠・生活上の負担なども含めて評価します。症状と背景に応じて、説明、薬物療法、生活指導、関連診療科との連携などを検討します。
当分野では、症状と生活への影響を整理する評価尺度「Oral DRS」の研究・公開も行っています。評価尺度は診察を支えるもので、質問票だけで診断を決めるものではありません。
主訴:口の中がねばつく、唾液が泡状に感じる。
A.いいえ。検査で原因を説明しにくくても、患者さんが感じている不快感や生活上の支障は実際のものです。当科では、症状の具体的な内容と経過を丁寧に伺います。
A.口腔セネストパチーでみられることがある表現です。まず粘膜、唾液、歯科材料、薬剤などを確認し、明らかな原因がない場合にも、苦痛の程度や生活への影響を評価して治療を考えます。
A.「どこで」「いつから」「何をしているときに」「どのように感じるか」を、普段の言葉でお伝えください。症状の経過や、これまでに受けた検査・治療についてのメモも役立ちます。
当分野では、口腔セネストパチーの臨床像や症状の評価を研究しています。
当分野の606例の診療記録を用いた後ろ向き研究です。口のねばつきなどを含む多様な症状、患者さんの背景と経過を調べています。病態や治療には未解明の点があり、一つの研究だけで標準治療の有効性を確定するものではありません。
初診は完全予約制です。予約なしに直接ご来院いただいても診察できかねます。初診をご希望の方は、事前にお電話でご予約ください。
歯科心身医療科外来:03-5803-5898
電話予約受付:平日 午前8:30~午後3:30(土・日・祝日を除く)
当科の受診には、医科医療機関からの紹介状が必要です。大学病院・総合病院等の歯科口腔外科も、制度上は「歯科」として扱われますのでご注意ください。
初診の診察に先立って問診票を郵送しています。必要事項をご記入のうえ、初診当日に必ずご持参ください。詳しい予約手続き・持参物は受診案内でご確認ください。
このページは疾患や診療の考え方を知っていただくための一般的な情報です。個別の診断・治療は、診察と必要な検査に基づいて判断します。