3. 研究概要

 

寄生虫は真核生物で、かつ動物性の感染病原体です。寄生虫は私たちヒト宿主とも近縁の生物ですから、細菌やウイルス感染とは大きく異なる独自の寄生メカニズムを獲得しています。その解明は広く生物学一般に応用できるばかりでなく、ガンや難病の病態解明や治療など、医療の革新に直結する情報としての可能性も含んでいます。私たちの研究室では、寄生虫の複雑な宿主適応メカニズムと病態を分子生物学、免疫学などのアプローチから解析するとともに、熱帯地方を中心に猛威を振るっている寄生虫病の克服のために、新規調査法・薬剤の開発も目指しています。

分子生物学的アプローチ 〜寄生適応・生存に関係する遺伝子をRNAiによってノックダウンする!〜

免疫学的アプローチ 〜寄生虫の引き起こす病態形成・免疫抑制機構を解明する!〜

薬学的アプローチ 〜寄生虫に対する新規薬剤を開発する!〜

疫学・進化・臨床診断学的アプローチ 〜寄生虫の流行・分布域を疫学調査で把握する!〜

当研究室で扱っている主な寄生虫

日本住血吸虫

動画日本住血吸虫成虫(頭部)

動画日本住血吸虫シストソミュラ(幼虫)

旋毛虫

広東住血線虫

アニサキス

動画イヌ・ネコ回虫卵

ネズミマラリア原虫

アフリカトリパノソーマ

マンソン住血吸虫