分子生物学的アプローチ

 
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プロテオーム
サブトラクション法

標的となる遺伝子の探索!

siRNA

long-dsRNA

vector-based dsRNA

標的遺伝子から二本鎖RNA(dsRNA)を作製!

RNAi

日本住血吸虫

RNAi後の遺伝子発現量の減少

蛍光標識したdsRNAの取込み

「動き」関連遺伝子ノックダウン後の増殖抑制

「動き」関連遺伝子ノックダウン後の形態変化

 寄生適応・生存に関係する遺伝子の機能から、新規薬剤・ワクチンを開発!

・住血吸虫を標的としたRNAiによる機能解析とRNAi関連分子SID-1の解析

住血吸虫はヒトを含む哺乳類に感染する寄生虫であり、水中で皮膚を貫通して感染する。感染後は血管内に寄生し、門脈や腸間静脈で成熟し、産卵を開始する。この住血吸虫はC.elegans等の線虫と同様に、容易にRNAiを引き起こすことができる。それを利用し、特異遺伝子の一過性の遺伝子ノックダウンを行い、薬剤やワクチンの標的となる遺伝子の解析を行える。また、dsRNAも体内に容易に取込まれることから、寄生適応にRNAi機構が重要であると考え、RNAi関連分子の一つであるSID-1をノックダウンする研究についても行っている。

・アフリカトリパノソーマの「動き」遺伝子を標的としたRNAi研究(ガーナ・野口記念医学研究所)

アフリカトリパノソーマはアフリカを中心に流行が見られる原虫疾患であり、ヒトにアフリカ睡眠病や、家畜にナガナ病等を引き起こす。現在、効果的な治療薬も少なく、安全かつ効果的な薬の開発が待たれている。このトリパノソーマ原虫はテトラサイクリン(tet)誘導型のRNAiベクタ ーを導入することで、薬剤誘導性のRNAiを引き起こせる。これを利用して、新規薬剤開発としての「動き」関連遺伝子に着目して研究を行っている。この遺伝子のノックダウンでは、虫体の増殖抑制や形態的な変化が観察された。

アフリカトリパノソーマ

寄生適応・生存に関係する遺伝子をRNAiによってノックダウンする!