パーキンソン病は、神経伝達物質であるドーパミンを産生する黒質緻密部のドーパミンニューロンが減ってしまうこと(神経細胞死)によって、様々な異常が発生する神経変性疾患です。
代表的な運動症状として、静止時振戦、筋強剛、動作緩慢、姿勢反射障害等(安静時に手足や顎にふるえがみられる、動作の開始に極端に時間がかかる、姿勢を保持することが難しく転倒しやすいなど)がみられる他、病気が進行すると睡眠障害・自律神経症状・精神症状・認知機能障害などの非運動性症状が表れることも報告されています。進行すると、自立した生活が困難になってしまう恐れがあります。
日本では1000人に1人以上の頻度で発症するといわれており、15万人を超える患者さんがいると推定されています。高齢者の罹患率の極めて高い難治性神経病であり、超高齢化社会の今日、予防法や治療法の確立が求められています。
多くの場合、老化に伴い50〜60歳で発症する「孤発性」(遺伝的な要素がない)の病気ですが、少数ながら「家族性」(遺伝的な要因があり、家系内で発症する)の場合があります。私たちはこの「家族性」のパーキンソン病に注目して、研究を行っています。