「腸呼吸の応用により、呼吸不全の治療に成功!」― 腸換気技術を用いた新たな呼吸管理法の開発へ光 ―
2021.05.20
【ポイント】
- 腸に酸素を供給するというアプローチにより、全身の酸素化を可能とする腸換気(Enteral Ventilation :EVA)法を開発しました。
- EVA法は、呼吸不全モデル動物の生命予後を改善できることを明らかにしました。
- EVA法は、モデル動物の検討において明らかな有害事象は認められないことを示しました。
- 上記の成果は、呼吸不全に対する新しい呼吸管理法の開発に貢献すると考えられます。
東京医科歯科大学統合研究機構の武部貴則教授の研究グループは、名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器外科学(芳川豊史教授)及び京都大学呼吸器外科(伊達洋至教授)との共同研究で、重篤な呼吸不全に対して、腸換気法が有効であることをつきとめました。なお、本研究はAMED 2021年度 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する研究」(研究代表者:武部貴則)、AMED 2020年度 新興・再興感染症に関する革新的医薬品等開発推進研究事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発」(研究代表者:武部貴則)、『「橋渡し研究戦略的推進プログラム」東京大学拠点シーズA(19lm0203003j0003~21lm0203003j0005 研究代表者:武部貴則)、京都大学拠点シーズA(19lm0203006j0003研究代表者:芳川豊史、20lm0203006j0004 研究代表者:田中里奈)』 、科研費(19K22657 研究代表者:芳川豊史)等の支援により行われたもので、その研究成果は、国際科学誌Med(メッド)に、2021年5月14日午前11時(米国東部時間)オンライン版で発表されました。