研究成果(医療者向け)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)人工呼吸器 およびECMOの使用に関する一般市民の意識調査

2021.03.30

【ポイント】

  • 「人工呼吸器※1」「体外式膜型人工肺(ECMO)※2」に関する認知度は高い一方で、COVID-19 感染症※3 が重症化※4 した場合に、人工呼吸器やECMO が使用される可能性があることについては知っているものの、装着はどのように行われ、装着した患者はどのような状態になるかについての認知は低いことがわかりました。
  • 治療や介護の方針を事前に決めておく「ACP※5(Advance Care Planning:もしものときのために自分が望む医療やケアについて、健常時に繰り返し話し合い、家族や医療者と共有するプロセス)」の実施がCOVID-19 感染症に関しても専門家から推奨されていることへの認知は低く、事前にどのような医療を受けたいかについて意思表示する人が、このままでは増加していかないことが予想されます。
  • COVID-19 感染症治療において「トリアージ※6」が行われる可能性があることについて想像したこともない一般市民の多いことがわかりました。 東京医科歯科大学生命倫理研究センターの吉田雅幸教授、東京大学医科学研究所附属先端医療研究センター 生命倫理研究分野の神里彩子准教授らの共同グループは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者に対する治療で用いられる人工呼吸器やECMO の使用、およびトリアージについて、一般市民の認知度・理解度を把握するため、全国の20 歳~89 歳の男女、合計2,239 名を対象に2020 年12 月17 日~21日の期間でインターネット調査会社※7 を通じて調査を行いました。