研究成果(医療者向け)

「市中感染事例における海外系統株の増加を確認」~医科歯科大 新型コロナウイルス全ゲノム解析プロジェクト 第3報~

2021.03.15

【ポイント】

  • 2021年1月中旬から2月初頭までにおいて、東京医科歯科大学医学部附属病院に入院または通院歴があり、お互いに関連性が認められない複数のCOVID-19患者から、海外SARS-CoV-2系統株の割合がさらに増加していることを確認しました。
  • 従来の日本国内流行株の感染例が減少し、複数の海外SARS-CoV-2系統株感染例が増加している傾向が維持されており、市中流行株が継続的に遷移しつつあることが示唆されます。
  • 2021年2月初頭までの全ゲノム解析対象となった本学症例には、感染性が増強しているとされる新型変異株(英国型、南アフリカ型、ブラジル型)はまだ検出されていません。

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科ウイルス制御学分野の武内寛明(たけうちひろあき)講師・医学部附属病院病院長補佐、難治疾患研究所ゲノム解析室の谷本幸介(たにもとこうすけ)助教、リサーチコアセンターの田中ゆきえ(たなかゆきえ)助教らによる本学入院患者由来SARS-CoV-2ゲノム解析プロジェクトチームは、木村彰方(きむらあきのり)理事・副学長・統合研究機構長および貫井陽子(ぬくいようこ)医学附属病院感染制御部・部長との共同解析により、2021年1月中旬から2月初頭までの期間において、本学病院への入院または通院歴のあるCOVID-19患者から、海外系統株のさらなる市中感染事例を確認しました。