免疫逃避型変異(E484K 変異)を有する海外(カナダ)系統株の新たな市中感染事例を確認
2021.02.18
【ポイント】
- 東京医科歯科大学医学部附属病院に入院または通院歴があり、お互いに関連性が認められない複数のCOVID-19 患者から、新たな海外SARS-CoV-2 系統株を検出しました。
- 従来の日本国内流行株の感染例が減少し、複数の海外SARS-CoV-2 系統株感染例が増加していることから、市中流行感染株が遷移していると示唆されます。
- 当院のCOVID-19 患者から新たに検出した海外(カナダ)系統株は「免疫逃避型変異(E484K 変異)」を有していることがわかりました。
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科ウイルス制御学分野の武内寛明(たけうち ひろあき)講師・医学部附属病院病院長補佐、難治疾患研究所ゲノム解析室の谷本幸介(たにもと こうすけ)助教、リサーチコアセンターの田中ゆきえ(たなか ゆきえ)助教らによる本学入院患者由来SARS-CoV-2 ゲノム解析プロジェクトチームは、木村彰方(きむら あきのり)理事・副学長・統合研究機構長および貫井陽子(ぬくい ようこ)医学附属病院感染制御部・部長との共同解析により、2020年秋以降から本学病院への入院または通院歴のあるCOVID-19 患者において、様々な海外系統株の感染事例が増大していることを確認しました。また、海外系統株の1つは「免疫逃避型変異(E484K 変異)」を有していることがわかり、複数の市中感染事例を確認しました。