感染予防

臨床栄養部栄養のチカラで元気に過ごそう!鯖と納豆のドライカレー

2020.06.19

【臨床栄養部】
一般の皆様、医療関係者にも役立つ、新型コロナウイルス感染症に負けないマメ知識を、
東京医科歯科大学の専門家に聞きました。

栄養のチカラで元気に過ごそう!鯖と納豆のドライカレーのレシピをダウンロードする»

鯖や納豆が好きな方も、そうでない方も食べやすい料理です。常備できる食材で、調理も簡単なので、普段料理をしない方でも気軽に作れます。
さらに、動物性・植物性のたんぱく質を一緒に摂ることができます。栄養バランスの良い食事で、健康維持しましょう!!

栄養の土台づくり

健康維持には、まずは、土台となる栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質をきちんと摂り、感染症などに対しても対抗できる免疫機能を維持することが重要です(バックナンバーVol.19も参照)。
主食主菜副菜を揃えることが、栄養バランスの良い食事につながります。今回のメニューのように、品数は少なくても使用する食材を工夫することで、様々な栄養を摂ることができます。

主に含まれる栄養素 主な食品 今回のメニュー
主食 炭水化物 ご飯、パン、麺 ご飯
主菜 たんぱく質、脂質 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 鯖、納豆、卵
副菜 ビタミン、ミネラル、食物繊維 野菜、きのこ、海藻 玉ねぎ、ピーマン

さばパワー

さばは、良質な脂質だけでなく、生活習慣病・骨折・感染症予防効果が期待されるビタミンDも多く含んでいます。
また、缶詰の魚は骨まで食べられるため、不足しがちなカルシウムの補給に役立ちます。

納豆パワー

納豆は、大豆を納豆菌により発酵させた食品で、手軽にたんぱく質を摂ることができるうえ、発酵により消化吸収されやすいたんぱく質を含んでいます。その他にも多くの魅力的な成分を含んでいます。

含まれる成分例 特徴
納豆菌 腸内細菌を増やす
熱や酸に強く生きたままで腸に届くため、善玉菌の増殖を助けます。
腸内細菌叢を整え、排便の調整(便秘・下痢の改善)に役立ちます。
ナットウキナーゼ 血栓の溶解を助ける
血栓の主成分の分解、体内の血栓溶解酵素の前駆体の活性化、血栓溶解酵素を作る組織量を増大させる作用などがあります。
動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの予防が期待されています。
ビタミンK 血液の凝固を調整する
血液凝固因子であるプロトロンビンが肝臓で作られる際に不可欠な成分で、血液を凝固したり凝固を制御する働きがあります。
骨の形成を助ける
吸収されたカルシウムを骨に取り込むのを助けます。
骨粗鬆症の予防・治療効果が報告されています。
  • 緑色の濃い葉野菜にはビタミンK1、納豆には、ビタミンK2が多く含まれます。
  • ナットウキナーゼは、酵素のため、熱に弱く長時間加熱すると効果が失われる可能性があります。
  • ワーファリン内服中の方は、納豆の摂取を避ける必要があります。
  • 特定の食品の摂取により、疾患予防や改善ができるわけではありません。過剰摂取には注意しましょう。

田中雄二郎学長メッセージ

新型コロナウイルス感染に正面から取り組む
―大学基金へのご協力のお願い―

全世界が新型コロナウイルス感染という危機に直面しています。これは世界の4 人に1 人が感染し、5000 万人が死亡したスペイン風邪以来の大規模パンデミックとも言われており、大きく世の中を変えることになると思います。
大学自体も、卒業式、入学式が相次いで中止となり、教育はe-ラーニング、研究もコロナウイルス感染関連以外は最低限となり危機的状況です。
もともと、本学は「知と癒しの匠みを創造し人々の幸福に貢献する」という理念を掲げています。
この理念に基づき、東京に位置する医系国立大学としてこの危機に正面から取り組むのは使命だと考えて行動を開始しました。

新型コロナウイルス感染克服を最優先に

新型コロナウイルス感染克服への取り組みを最優先課題としました。
大学病院は高度先進医療を優先すべきだという議論もあります。しかし感染爆発の状況に至れば、そのような姿勢は社会的に許容されないだろうと考え、3月初旬から準備を開始しました。
診療面では、医学部附属病院がこの前面に立ち、集中治療室全体を陰圧化するなどの改装や、病院前に検体採取用テントを設置するなどのハード面の改修を行いました。また、新たに20台の人工呼吸器を購入し、ECMO(人工肺)5台、人工呼吸器82台の体制を敷いて多くの重症患者様の治療に当たっています。
ソフト面では、多くの研究者たちの応援のもと院内感染ゼロを維持するため入院患者様およびコロナウイルス対応職員の院内PCR検査体制を実施しています。また、コロナウイルス感染拡大防止の観点から医学部および歯学部附属病院の通常診療も大幅縮小し、患者様にはご迷惑をおかけしつつ、そのスタッフたちがコロナウイルス対応スタッフの応援に回っています。

このような本学の取り組みの結果、全国でも有数の新型コロナウイルス感染者の治療に当たることができ、その社会貢献を評価して頂き、防護服の寄附や弁当の差し入れなどを頂戴することが出来ました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

しかしながら、病院の改装、医療機器、防護服、検査試薬など諸費用は莫大なものになっており、より良い診療、教育、研究を維持向上させるために、皆様のご支援を重ねてお願い申し上げる次第です。お寄せ頂いたご厚意には必ず報いることが出来ますよう使途も明らかとして、一層の社会貢献に努めて参りたいと思います。
宜しく、ご理解、ご支援のほどお願い申し上げます。

東京医科歯科大学 学長 田中雄二郎

新型コロナウイルス対策基金にご協力ください

東京医科歯科大学は、新型コロナウイルス感染症に正面から立ち向かっています。そのため、病院の改装、医療機器、防護服、検査試薬など諸費用は莫大なものになっており、より良い診療、教育、研究を維持向上させるためには、皆様のご支援が必要です。お寄せ頂いたご厚意には必ず報いるよう、一層の社会貢献に努めて参りたいと思います。宜しく、ご理解、ご支援のほどお願い申し上げます。