もやもや病患者のための妊娠出産管理

もやもやびょうのあなたとご家族かぞくへ。

妊娠前にんしんまえから妊娠中にんしんちゅう産後さんごまで、専門家せんもんか監修かんしゅうした
最新情報さいしんじょうほうもとづく実用じつようガイドです。
みなさんがかかえる不安ふあん疑問ぎもんに、「Q&A」のかたちでわかりやすく、
やさしい言葉ことばでおこたえします。

厚生労働省こうせいろうどうしょうもやもや病研究班びょうけんきゅうはんからのごあいさつ

質問しつもん内容一覧ないよういちらん

妊娠前にんしんまえのこと

もやもやびょうでも妊娠にんしんできますか?

はい。すでにもやもやびょう診断しんだんされていて、産婦人科さんふじんか脳神経外科のうしんけいげか麻酔科ますいかなどが連携れんけいしている病院びょういんであれば、安全あんぜん妊娠にんしん出産しゅっさんできることがおおいです。妊娠にんしんかんがえるまえに、病気びょうきかんする基本的きほんてきなリスクなどをしっかりっておくことが大切たいせつです。

しかし、すでにもやもやびょう診断しんだんけているかた場合ばあい脳出血のうしゅっけつなどのおも症状しょうじょうるリスクはかなりひくいことがかっています。

【プレコンセプションケアとは?】
プレコンセプションケアとは、妊娠前にんしんまえ健康管理けんこうかんりで、最近広さいきんひろまりつつあります。プレコンセプションケアには、せい健康けんこうかんするただしい知識ちしきつ、健康的けんこうてき生活習慣なせいかつしゅうかん適切てきせつ医療的いりょうてきケアをけることがふくまれます。将来しょうらい妊娠にんしん出産しゅっさん希望きぼうしないかたでも、妊娠にんしん出産しゅっさんについてただしい知識ちしきっておくことは大切たいせつです。
もやもやびょうかたも、プレコンセプションケアをけることがすすめられます。妊娠前にんしんまえ病気びょうきのリスクや出産しゅっさん方法ほうほうなどを、脳神経外科のうしんけいげか産婦人科さんふじんか先生せんせい一緒いっしょはなっておくことで、安心あんしんして妊娠にんしん出産しゅっさんむかえられます。

妊娠前にんしんまえをつけておくべきことはなにですか?

妊娠にんしん希望きぼうする場合ばあいは、事前じぜん画像検査がぞうけんさをして妊娠にんしんのリスクを把握はあくしたうえで、計画的けいかくてき妊娠にんしんすることが大切たいせつです。

妊娠中にんしんちゅう画像検査がぞうけんさはできますが、なるべくけたほうがいものもあります(Q11. 妊娠中にんしんちゅうにできるのう画像検査がぞうけんさはありますか?)。ですので、妊娠前にんしんまえ必要ひつよう検査けんさ(MRIや脳血流検査のうけつりゅうけんさなど)をけておくと安心あんしんです。

とくに、どものころに手術しゅじゅつけたかたで、しばらく検査けんさをしていない場合ばあいは、画像がぞうデータがのこっていないことがあります。そうなると、妊娠中にんしんちゅう対応たいおうむずかしくなることもあるため、10代後半だいこうはんなどで一度検査いちどけんさをしておくのがいとされています。

妊娠前にんしんまえから高血圧こうけつあつのあるかたは、あらかじめ治療ちりょうはじめることをおすすめします(Q7. 妊娠にんしんしたら、とくけるべきことはなんですか?)。普段飲ふだんのんでいるおくすりがある場合ばあい妊娠前にんしんまえから主治医しゅじい先生せんせい相談そうだんしてください(Q5. 今飲いまのんでいるくすり妊娠にんしんしたらどうすればよいですか?)。

妊娠にんしんかんがえている場合ばあい妊娠前にんしんまえにバイパス手術しゅじゅつをしたほうがいいですか?

バイパス手術しゅじゅつけたかた妊娠にんしん出産時しゅっさんじ脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつこしにくいという報告ほうこくがあります。ただし、だれでも妊娠にんしん出産前しゅっさんまえにバイパス手術しゅじゅつ必要ひつようなわけではなく、その必要性ひつようせいについては主治医しゅじい先生せんせいとしっかり相談そうだんすることが大切たいせつです。

もやもやびょう脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつのリスクは、現在げんざい症状しょうじょう脳血流のうけつりゅう状態じょうたいのう血管けっかんかたちなどから判断はんだんされます。脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつのリスクがたか場合ばあい、バイパス手術しゅじゅつ将来しょうらい脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつのリスクをげるとされています。

バイパス手術しゅじゅつけたかたは、妊娠にんしん出産中しゅっさんちゅう脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつこしにくいという報告ほうこくがあります。ただし、バイパス手術しゅじゅつ妊娠にんしん出産時しゅっさんじ脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつすという明確めいかく証拠しょうこはありません。もやもやびょうだからといって、妊娠にんしんかんがえているすべてのおかた手術しゅじゅつ必要ひつようなわけではありません。妊娠前にんしんまえにバイパス手術しゅじゅつおこなうかどうかは、現在げんざい症状しょうじょう脳血流のうけつりゅう状態じょうたいのう血管けっかんかたちなどをもとに、医師いしとしっかり相談そうだんして判断はんだんすることが大切たいせつです。

不妊治療ふにんちりょうはできますか?

できます。ただし、脳神経外科主治医のうしんけいげかしゅじい先生せんせい妊娠可能にんしんかのうといわれていることが前提ぜんていです。

現在げんざいのところ、もやもやびょうがあると不妊治療ふにんちりょうのリスクが特別とくべつたかくなるというはっきりした根拠こんきょはありません。

ただし、不妊治療ふにんちりょう卵巣らんそう刺激しげきする方法ほうほう使つかうと、女性じょせいホルモン(エストロゲン)が一時的いちじてきたかくなることがあります。その結果けっか血液けつえきかたまりやすくなり、のう血管けっかん負担ふたんがかかり、脳梗塞のうこうそくのリスクがすこたかまる可能性かのうせいがあります。

そのため、もやもやびょう状態じょうたい不安定ふあんていで、脳神経外科主治医のうしんけいげかしゅじいから「妊娠にんしんはまだむずかしい」とわれている場合ばあい不妊治療ふにんちりょうはおすすめできません。もやもやびょう状態じょうたい安定あんていしていて、脳神経外科のうしんけいげか主治医しゅじい不妊治療ふにんちりょう医師いしがしっかり連携れんけいできる状況じょうきょうおこなうことが大切たいせつです。

年齢ねんれいがると妊娠にんしん不妊治療ふにんちりょう必要ひつようになることがおおいため、妊娠にんしん希望きぼうされる場合ばあいはやめに主治医しゅじい妊娠にんしんについて相談そうだんし、準備じゅんびすすめていくことをおすすめします。

今飲いまのんでいるくすり妊娠にんしんしたらどうすればよいですか?

自己判断じこはんだんせず、かなら妊娠前にんしんまえ産婦人科さんふじんか脳神経外科のうしんけいげか先生せんせい相談そうだんしましょう。

妊娠中にんしんちゅうでも、病気びょうき症状しょうじょうやわらげるためにくすり必要ひつよう場合ばあいには、くすり使つかうことがあります。くすり使つかうかどうかは、病気びょうきなおす・悪化あっかふせ効果こうかと、あかちゃんへの影響えいきょうくらべて判断はんだんします。

妊娠初期にんしんしょきあかちゃんとくすり影響えいきょう
あかちゃんのからだ基本きほんかたちつくられるのは妊娠にんしん4~10しゅうごろです。この時期じき一部いちぶくすりむと、あかちゃんのからだかたち影響えいきょう可能性かのうせいがありますが、そのようなくすりはすでにごく一部いちぶっています。くすり使つかわなくてもあかちゃんにからだ異常いじょう確率かくりつやく3%くらいありますので、あかちゃんにたいするくすり影響えいきょうはこの自然しぜんなリスクとくらべてかんがえます。

【もやもやびょう妊娠中にんしんちゅうくすり使つかかた
おおくのかた妊娠にんしんづいたときにはすでに5しゅうぎています。そのため、妊娠にんしん希望きぼうする段階だんかいで、妊娠前にんしんまえ必要ひつようくすりりょう種類しゅるい調整ちょうせいし、安全あんぜんなものに変更へんこうすることがあります。
たとえば、てんかんのくすりなかには、りょうおおいとあかちゃんへの影響えいきょうおおきくなるものがあります。バルプロさんというくすりおおむとあかちゃんに影響えいきょうこすリスクがたかいので、妊娠前にんしんまえりょう調整ちょうせいすることが重要じゅうようです。最近さいきんでは、くすりえらかたりょう工夫くふうあかちゃんへのリスクはかなりっています。それでも、てんかんのくすり使つか場合ばあいは、あかちゃんの背骨せぼね病気びょうき二分脊椎にぶんせきついなど)の発症はっしょうリスクをげるために、妊娠にんしん1か月前げつまえから1にち400μg以上いじょう葉酸ようさんをサプリなどで摂取せっしゅすることがすすめられます。(てんかんのくすりんでいなくても妊娠前にんしんまえからの葉酸ようさんサプリはすすめられます。)
もやもやびょう治療ちりょう使つかわれるアスピリン(血液けつえきをさらさらにするくすり)やカルシウム拮抗薬きっこうやく血圧けつあつげるくすり)は、妊娠中にんしんちゅう比較的安全ひかくてきあんぜん使つかえることがかっています。ただし、妊娠中にんしんちゅうからだ状態じょうたいわるため、くすりりょう調整ちょうせいする必要ひつようがあることがあります。

妊娠中にんしんちゅうくすり相談そうだん
くすりのことに不安ふあんがある場合ばあいは、まずは脳神経外科のうしんけいげか産婦人科さんふじんか医師いし相談そうだんしてください。さらにくわしい相談そうだん希望きぼうする場合ばあい全国ぜんこくの「妊娠にんしん薬外来くすりがいらい」がある病院びょういん紹介しょうかいしてもらうこともできます。(妊娠にんしん薬情報くすりじょうほうセンター https://www.ncchd.go.jp/kusuri/

もやもやびょうあかちゃんに遺伝いでんしますか?

遺伝いでんすることもありますが、あかちゃんがもやもやびょうになる可能性かのうせいより、ならない可能性かのうせいのほうがずっとたかいです。

もやもや病患者びょうかんじゃさんの10%〜20%には、家族かぞくおな病気びょうきひとがいることがあります。ただし、これは母親ははおやだけでなく、父親ちちおや兄弟きょうだい祖父母そふぼ、いとこなど、つながったすべてのおかたふくめての数字すうじです。ですから、もやもやびょう母親ははおやあかちゃんがおな病気びょうきになる可能性かのうせいは、10%〜20%よりもひくいです。もやもやびょうになる可能性かのうせいより、ならない可能性かのうせいのほうがずっとたかいということです。

もやもやびょう関係かんけいする遺伝子いでんしとして「RNF213アールエヌエフにいちさん」という遺伝子いでんしられています。日本人にほんじんもやもや病患者びょうかんじゃさんの80%〜90%は、この遺伝子いでんし変化へんかがあります。しかし、もやもやびょうのない日本人にほんじんの1%〜2%にも変化へんかがあります。つまり、遺伝子いでんしだけでは、もやもやびょうになるかどうかはわからないということです。

もやもやびょうになるまえあかちゃんに遺伝子いでんし画像がぞう検査けんさ必要ひつようかは、まだわかっていません。遺伝いでん不安ふあんがあれば、主治医しゅじい先生せんせい相談そうだんしましょう。遺伝専門外来いでんせんもんがいらい遺伝いでんカウンセリングを紹介しょうかいしてもらうのもよいとおもいます。

RNF213遺伝子いでんしについての情報じょうほうは、今後発行こんごはっこうされる予定よていRNF213遺伝子いでんしについてのパンフレット(かり参照さんしょうしてください。

妊娠中にんしんちゅうのこと

妊娠にんしんしたら、とくけるべきことはなんですか?

妊娠中にんしんちゅう高血圧こうけつあつ注意ちゅういしてください。

妊娠中にんしんちゅう高血圧こうけつあつになると「妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐん」と診断しんだんされます。これにはもともと高血圧こうけつあつっているひと妊娠中にんしんちゅうはじめて高血圧こうけつあつになるひとふくまれます。もやもやびょうっていない妊婦にんぷさんでは、3〜8%のかた妊娠高血圧にんしんこうけつあつになり、おも場合ばあいは、けいれん発作ほっさ脳出血のうしゅっけつ肝臓かんぞう腎臓じんぞう障害しょうがい胎盤たいばんのトラブル、あかちゃんの発育不良はついくふりょう子宮内死亡しきゅうないしぼうにつながることもあります。

もやもや病患者びょうかんじゃさんの妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐん発症率はっしょうりつは20〜50%と非常ひじょうたかくなるといわれています。ただし、おも合併症がっぺいしょう重症妊娠高血圧腎症じゅうしょうにんしんこうけつあつじんしょう)までいたることはすくないとも報告ほうこくされています。それでも血圧けつあつたかくなると脳出血のうしゅっけつ脳梗塞のうこうそく危険きけんたかまるため、妊娠中にんしんちゅう血圧管理けつあつかんりはとても大切たいせつです。

妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐん診断しんだんされた場合ばあい出産前しゅっさんまえには脳出血のうしゅっけつに、出産後しゅっさんご脳梗塞のうこうそくとく注意ちゅういする必要ひつようがあります。

妊娠にんしんしたときはまず妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐんにならないことが重要じゅうようですが、妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐんになった場合ばあい血圧けつあつをしっかり管理かんりし、脱水だっすいにならないように注意ちゅういしましょう。妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐん予防よぼう管理かんり分娩方法ぶんべんほうほうなどについて、産婦人科さんふじんか脳神経外科のうしんけいげか先生せんせいとしっかりと相談そうだんすることが大切たいせつです。

血圧以外けつあついがい妊娠中にんしんちゅう出産しゅっさんときをつけたほうがよいからだ変化へんかはありますか?

過呼吸かこきゅう貧血ひんけつ血栓症けっせんしょう注意ちゅういする必要ひつようがあります。

妊婦にんぷさんは貧血ひんけつになりやすいといわれていますが、もやもや病患者びょうかんじゃさんが貧血ひんけつになると脳梗塞のうこうそくこしやすくなる可能性かのうせいがあります。妊娠中にんしんちゅう貧血ひんけつになった場合ばあいは、鉄分てつぶんのおくすりんで治療ちりょうをしましょう。

出産しゅっさんのとき、いたみのせいで過呼吸かこきゅう呼吸こきゅう回数かいすうえること)になったり、血圧けつあつがあがることがあります。過呼吸かこきゅう脳梗塞のうこうそく原因げんいんに、血圧けつあつ脳出血のうしゅっけつ原因げんいんになる可能性かのうせい心配しんぱいです。このため、いたみをやわらげるような出産方法しゅっさんほうほうがより安全あんぜんといわれています(Q12. どの分娩方法ぶんべんほうほうがよいですか?)。

妊娠中にんしんちゅう出産後しゅっさんご血栓症けっせんしょう血管けっかんなかのかたまりができて 血管けっかんがつまる 病気びょうき)になりやすいです。もやもや病患者びょうかんじゃさんののう血管けっかんほそくてつまりやすいため、血栓症けっせんしょうにも注意ちゅうい必要ひつようです。脱水だっすいにならないように注意ちゅういしましょう。

妊娠中にんしんちゅうにアスピリン(血液けつえきをさらさらにするくすり)を内服ないふくしたほうがよいですか?

もやもやびょうだけを理由りゆう内服ないふくしたほうがいいとはいえません。ただし、妊娠中にんしんちゅう高血圧こうけつあつになりやすいかたは、その予防よぼうのために内服ないふくすることがすすめられます。

もやもやびょう患者かんじゃさんで症状しょうじょうがない場合ばあい、またはのう血流けつりゅうわる場合ばあいに、アスピリンを内服ないふくするほうがよいというはっきりとした証拠しょうこがあるわけではありません。

ただし、妊娠中にんしんちゅう高血圧こうけつあつになりやすいとかんがえられる場合ばあい、その予防よぼうのためにアスピリンをむことがすすめられます。

アスピリンは妊娠にんしん12~16しゅうごろから出産しゅっさんまで毎日少量まいにちしょうりょう内服ないふくすることで、妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐんになりやすいかたおも妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐん発症はっしょうするリスクを低下ていかさせる効果こうかがあるといわれています。

ただし、出血しゅっけつのリスクもすこがるため、全員ぜんいん使つかったほうがよいわけではありません。以下いかのようなかたとくにすすめられます。

  • 以前いぜん妊娠にんしん妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐんになったことがある
  • 多胎たたい双子以上ふたごいじょう)の妊娠にんしん
  • もともと高血圧こうけつあつ糖尿病とうにょうびょう腎臓じんぞう病気びょうきがある
  • 自己免疫じこめんえき病気びょうきがある

はじめての妊娠にんしんや35歳以上さいいじょうなど、中程度ちゅうていどのリスク因子いんしがいくつかある場合ばあい検討けんとうされます。産婦人科さんふじんか脳神経外科のうしんけいげか先生せんせいとよく相談そうだんしてください。

妊娠にんしんしたら、のうのトラブルはこりやすくなりますか?

すでにバイパス手術しゅじゅつけているかた比較的安全ひかくてきあんぜん妊娠にんしん出産しゅっさんができるといわれています。手術しゅじゅつ必要ひつよう状態じょうたいにもかかわらずバイパス手術しゅじゅつけていないかたは、妊娠にんしん出産中しゅっさんちゅう脳卒中のうそっちゅうおも症状しょうじょうがでやすくなる可能性かのうせいがあります。

のうのトラブルの発生頻度はっせいひんど

  1. すでにバイパス手術しゅじゅつけている場合ばあい
    妊娠中にんしんちゅう出産しゅっさんのときに脳卒中のうそっちゅう痙攣発作けいれんほっさこる可能性かのうせいやく0〜8%です。実際じっさい問題もんだいっても軽症けいしょうむことがおおいとわれています。
  2. バイパス手術しゅじゅつけていない場合ばあい
    妊娠中にんしんちゅう出産しゅっさんのときに脳卒中のうそっちゅう痙攣発作けいれんほっさこる可能性かのうせいは、報告ほうこくによってばらつきがあり、0〜38%です。とき重症化じゅうしょうかする場合ばあいもあり、なかには脳出血のうしゅっけつくなったひと報告ほうこくされています。ただし、手術しゅじゅつ必要ひつようないと判断はんだんされていたひとではトラブルの頻度ひんどたかくないともわれています。だれでも妊娠にんしん出産前しゅっさんまえにバイパス手術しゅじゅつ必要ひつようなわけではなく、その必要性ひつようせいについては主治医しゅじい先生せんせいとしっかり相談そうだんすることが大切たいせつです(Q3. 妊娠にんしんかんがえている場合ばあい妊娠前にんしんまえにバイパス手術しゅじゅつをしたほうがいいですか?)。

【トラブルがきやすい時期じき
脳卒中のうそっちゅうおおく、とく脳出血のうしゅっけつ妊娠中期にんしんちゅうき後期こうきとく妊娠にんしん24週以降しゅういこう)にきています。分娩中ぶんべんちゅう出産後しゅっさんごにトラブルがきることもあり、とく脳梗塞のうこうそく出産後しゅっさんご3〜7にちくらいにこることがおおいです。

妊娠中にんしんちゅうにできるのう画像検査がぞうけんさはありますか?

医師いし必要ひつよう判断はんだんした場合ばあいには、あたまのレントゲン、CT検査けんさ、MRI検査けんさ妊娠中にんしんちゅういつでもけることができます。

あたまのレントゲンやCT検査けんさ放射線ほうしゃせん使つかった検査けんさですが、あかちゃんがける放射線ほうしゃせんりょうすくなく、影響えいきょうはほとんどありません。MRI検査けんさ放射線ほうしゃせん使つかっていないので、妊娠中にんしんちゅういつでも可能かのうです。

造影剤ぞうえいざいからだなかをよくえるようにするくすり使つかった検査けんさは、あかちゃんにおおきな影響えいきょうるとはわれていませんが、ちいさな影響えいきょうがある可能性かのうせいがあります。そのため、造影剤ぞうえいざい検査けんさ医師いし必要ひつようかんがえた場合ばあいにのみおこなうことになっています。

SPECT検査けんさあかちゃんがける放射線ほうしゃせんりょうすくなく、必要ひつようとき検査けんさができます。ただし、ヨードを使つかったくすり使つか場合ばあいあかちゃんの甲状腺こうじょうせん影響えいきょう可能性かのうせいがあります。

出産しゅっさん産後さんごのこと

どの分娩方法ぶんべんほうほうがよいですか?

過換気かかんき、いきみ、血圧上昇けつあつじょうしょうけるため、帝王切開ていおうせっかいいたみをやわらげての経腟分娩けいちつぶんべんおこなわれることがおおいです。帝王切開ていおうせっかい経腟分娩けいちつぶんべんのどちらがいかは、はっきりしていません。

もやもやびょうで、自然しぜんなおさん経腟分娩けいちつぶんべん)が脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつやすという明確めいかくなデータはありません。しかし、過換気かかんきやいきみ、血圧けつあつ上昇じょうしょうけたほうがよいとかんがえられています(Q8. 血圧以外けつあついがい妊娠中にんしんちゅう出産しゅっさんときをつけたほうがよいからだ変化へんかはありますか?)。

帝王切開ていおうせっかいは、いきみをなくし、血圧けつあつをよりきびしく管理かんりできる利点りてんがあります。妊娠高血圧症候群にんしんこうけつあつしょうこうぐんになった場合ばあい帝王切開ていおうせっかい選択せんたくする施設しせつおおいともいわれています。昼間ひるま脳神経外科医のうしんけいげかい待機たいきしている状態じょうたいで、短時間たんじかん分娩ぶんべんおこなえるのもおおきなメリットです。

経腟分娩けいちつぶんべん身体しんたいへの影響えいきょうすくなく、分娩後ぶんべんごいたみからの回復かいふく帝王切開ていおうせっかいよりもはやいとされます。このため、血圧けつあつ脳血流のうけつりゅうへの影響えいきょう帝王切開ていおうせっかいよりすくないとかんがえられています。経腟分娩けいちつぶんべんでは、分娩時間ぶんべんじかんみじかくするために吸引きゅういん鉗子分娩かんしぶんべん使つかわれることもあります。

もやもやびょうでの帝王切開ていおうせっかいいたみをやわらげての経腟分娩けいちつぶんべんについては、おおくの施設しせつくにから報告ほうこくがあります。しかし、どの分娩方法ぶんべんほうほうすぐれているかは、血圧けつあつ管理かんり脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつ発症はっしょうあかちゃんの健康状態けんこうじょうたい、いずれの観点かんてんでもはっきりしていません。妊娠前にんしんまえから適切てきせつ管理かんりけていれば、分娩中ぶんべんちゅう分娩直後ぶんべんちょくご脳梗塞のうこうそく脳出血のうしゅっけつこす危険きけんたかくないとかんがえられています。

帝王切開ていおうせっかい経腟分娩けいちつぶんべんいずれの方法ほうほうにも利点りてん欠点けってんがあります。また、もやもやびょう状態じょうたい患者かんじゃさんによってことなります。そのため、一律いちりつにもやもやびょうはこの方法ほうほうがよいとはめられません。それぞれの施設しせつかんがえる一番いちばんよい方法ほうほうえらんでもらうのがいとおもいます。

退院後たいいんご育児いくじ注意ちゅういすることはありますか?

もやもやびょう理由りゆうとした授乳じゅにゅう育児いくじ制限せいげんはありません。母親ははおやんでいるくすり画像検査がぞうけんさは、基本的きほんてきあかちゃんに影響えいきょうしません。

くすりについて】
くすりんでいても、基本きほん的に授乳じゅにゅう可能かのうです。くすり種類しゅるいによっては母乳ぼにゅう移行いこうすることはありますが、おなかなかあかちゃんへの移行いこうくらべると格段かくだんすくないです。ほとんどのくすりは10%以下いか、1%未満みまんなどしか移行いこうせず、あかちゃんへの影響えいきょうはありません。ただし、授乳じゅにゅうつづけるかは、あかちゃんの成長せいちょう母親ははおや希望きぼう育児いくじつかれなどをかんがえて判断はんだんすることが大切たいせつです。

妊娠前にんしんまえ妊娠中にんしんちゅうくすりををやめたり変更へんこうした場合ばあい、まずつぎ妊娠にんしん希望きぼうするかかんがえましょう。そのうえで、主治医しゅじい先生せんせい今後こんごくすりについて相談そうだんしましょう。

画像検査がぞうけんさについて】
画像検査がぞうけんさ造影剤ぞうえいざい使つかっても、授乳じゅにゅうをやめる必要ひつようはありません。注射ちゅうしゃのあと、24時間以内じかんいない母乳ぼにゅう移行いこうするりょうは1%もありません。あかちゃんが母乳ぼにゅうから吸収きゅうしゅうするりょうはもっとすくないので、授乳じゅにゅうつづけても問題もんだいありません。

放射線ほうしゃせん使つか脳血流検査のうけつりゅうけんさけたあとも、あかちゃんやまわりへの放射線ほうしゃせん影響えいきょう心配しんぱいする必要ひつようはありません。脳血流のうけつりゅうPET(ペット)検査けんさは、検査直後けんさちょくごから周囲しゅういばくはまったくありません。脳血流のうけつりゅうSPECT(スペクト)検査けんさも、妊娠中にんしんちゅうでもあかちゃんにほとんど影響えいきょうしません。検査後けんさご周囲しゅういかたばくりょうは、自然界しぜんかい放射線ほうしゃせんによるばくりょうくらべてもごくわずかです。検査けんさあと安心あんしんして授乳じゅにゅう育児いくじつづけてください。