連携体について

申請担当大学の病院の役割

東京医科歯科大学医学部附属病院は国立大学病院最多の年間7,700台を超える(平成19年度)救急車を受け入れる救命救急センターを中心に急性期医療を展開する他、大学院医歯学総合研究科と密接に連携した高度先進医療と臨床研究を遂行している。全ての診療科に臨床研修実務者を置き、指導医数も432名を有する充実した教育体制を敷いている。教員5名を置く臨床教育研修センターをキャリア形成支援部門とし、事業責任者とコーディネータを置き、各コースに関わる診療科(講座)と研修協力病院の連携調整、ファカルティ・デベロップメントの実施、研修環境と内容の評価を行う。連携する秋田大学、島根大学との連絡、調整も臨床教育研修センターが窓口となる。

 

連携する各大学病院の役割分担

秋田大学、島根大学はいずれも日本有数の高齢化地域、医療過疎地にあり、その附属病院は地域に高度先進医療を提供するとともに専門医養成機関としての役割を果たしている。他方、地域の中核病院、診療所と連携してそれぞれ秋田県または島根県全体の医療ネットワークの中心として地域医療を支えている。このためプライマリケアの高い能力を有する医師による指導環境も充実し、豊富な症例も経験できることが確実である。秋田大学においては附属病院卒後臨床研修センター、島根大学においては島根大学医学部附属病院地域医療教育研修センターが窓口となり、それぞれの後期研修プログラムの運営管理に当たるほか、大学間連携の調整にあたる。

 

各大学病院・関連医療機関等の連携体制

東京医科歯科大学医学部附属病院臨床教育研修センターを軸に、各大学のキャリア形成支援部門と密な連携を行う。関連医療機関は各大学病院出身者が指導医として活躍し、人事交流のある医療機関を選定している。このため各コースにおける連携はすでに密に行われており、初期臨床研修での連携にも実績がある。各医療機関の副病院長級の医師を連携責任者とし、各大学病院のコーディネータとの連携体制を確立する。情報共有のためにテレビ会議システムおよびオンラインネットワークを構築し、Webベースの共通評価が可能となる電子ポートフォリオを運用する。

 

指導体制

大学病院においては屋根瓦方式の導入により、若手医師は教育経験豊富な指導医から高度先進医療の指導を受けるとともに、初期臨床研修医や学生への指導を行うことで自らの知識、技術を定着させることができる。関連医療機関には各コースに対応する診療科に適切な指導責任者を選定しており、後期研修医の派遣のみならず指導医の人事交流も定期的に行われている。

さらに、上述のようなWebベースの共通評価システムを構築し登録研修医毎のポートフォリオに評価が蓄積され、研修先が変っても指導の一貫性が担保される体制とする。この電子ポートフォリオ評価を通じて登録者は何が付加価値かが明らかになり、その付加価値をもたらすパッケージ研修プログラム(3ヶ月または1年)を受けることができる。また、本評価システムにより登録研修医による指導体制評価および研修環境評価などのフィードバックも可能となり、指導体制改善に資すると期待される。

 

その他

効率的なプログラム運営を図るための体制は、参考1の下図に示すが、個々の役割は以下の通りである。下記委員会は定例を基本とするが、迅速な個別対応を図るため各大学のキャリア形成部門がテレビ会議システムを活用し緊密な連携をとる。

  • 3大学連携プログラム運営委員会(申請大学である東京医科歯科大学の事業責任者を委員長とし、各大学のコーディネータと外部委員からなる)が全体の連携を統括する。
  • 各大学のプログラム評価点検委員会(各大学の事業責任者を委員長、コーディネータが副委員長、関連病院代表他からなる)が個々の大学関連プログラムを統括する。
  • 各大学のキャリア形成支援部門(東京医科歯科大学臨床教育研修センター、秋田大学卒後臨床研修センター、島根大学地域医療教育センター)が電子ポートフォリオ評価システムを活用しつつ、プログラム参加者のニーズに即時対応する。

本事業における派遣実績


  東京医科歯科大学-秋田大学 東京医科歯科大学-島根大学
平成20年度 2人 1人
平成21年度 4人 4人
平成22年度 0人 4人

平成22年10月現在


主体となる大学病院