東京都と医工連携セミナーを開催
生体医歯工学共同研究拠点は成果の実用化と企業との連携を深化させるため,東京都医工連携HUB機構と連携して,WEB形式での医工連携セミナーを開催しています。セミナーの対象者は,東京都内の医療機器の製造販売メーカ約700社です。
今回は2025年1月15日に「アカデミア発,医工連携スタートアップの最前線」をテーマに,東京科学大学 生体材料工学研究所の梶弘和教授,未来産業技術研究所の石田忠准教授,静岡大学 電子工学研究所の青木徹教授,広島大学 学術・社会連携室の花之内健仁教授にご講演いただきました。当日のWEB参加者は100名を超え,大変盛況でした。
セミナーでは初めに東京科学大学 生体材料工学研究所の宮内昭浩特任教授から拠点の概要が紹介されました。その後,花之内教授から「臨床経験のあるアカデミアから観た医工連携スタートアップの最前線」,梶教授から「生体模倣システムの開発―ヒト胎盤を例に」,石田准教授から「バイオ医療用マイクロ流路の実用化に向けた取り組み」,そして青木教授から「静岡大学とANSeeNの例で」と題し医工連携を軸とした講演をいただきました。
医師自身が3Dプリンタを応用して人口股関節手術の精度を格段に向上した機器開発の実例や医師との強力な連携でCdTeフォトンカンティングセンサを手術用X線CTへ応用した例が紹介されました。また,MPS (Microphysiological System)やマイクロ流路の医療応用の最新技術が紹介されました。工学技術の医療応用への成功例や難しさが赤裸々な実体験をもとに講演され,医工連携のビジネスモデルを考える際の大きな刺激となりました。最後に日本医工ものづくりコモンズ理事長の慶応大学 谷下一夫名誉教授からコメントをいただき,閉会となりました。
拠点は今後も東京都と連携した医工連携に関するセミナーを開催していく予定です。
![]() 講演会のチラシ |