生体医歯工学共同研究拠点

東京都と医工連携セミナーを開催

生体医歯工学共同研究拠点は成果の実用化と企業との連携を深化させるため,東京都医工連携HUB機構と連携して,WEB形式での医工連携セミナーをシリーズ化しました。セミナーの対象者は,東京都内の医療機器の製造販売メーカ約700社です。

今回は令和5年12月5日に「アカデミア発,医工連携ベンチャーの最前線」をテーマに,東京医科歯科大学生体材料工学研究所の中島義和教授,東京工業大学未来産業技術研究所の田原正樹准教授,静岡大学大学院の庭山雅嗣教授,広島大学病院の加治屋幹人教授にご講演いただきました。当日のWEB参加者は132名(製販企業64名,ものづくり企業18名,臨床機関2名,研究機関15名,行政・公的機関8名,関係者11名,その他14名)でした。

セミナーでは初めに東京医科歯科大学生体材料工学研究所の宮内昭浩特任教授から拠点の概要が紹介されました。その後,中島教授から応用が広がるAIの医療分野への展開、その社会実装を加速させる仕組み,田原准教授から医療分野で使われる形状記憶合金がもつユニークな現象と、その原理についてニッケル・チタン合金を例に最新の研究開発動向と展望が紹介されました。庭山教授からは非侵襲的かつ比較的簡便な近赤外光を用いた生体組織血液動態計測の基礎研究から実用化のための開発体制やプロセス,そして加治屋教授から細胞などを使うバイオ3Dプリンタで開発した3D移植体とそれを活用する歯周組織再生療法の研究と課題、実用化への取り組みをご紹介いただきました。最後に日本医工ものづくりコモンズ理事長の谷下一夫(慶応大学,名誉教授)からコメントをいただき,閉会となりました。

材料からデバイス,医療,AIシステムと幅広い生体医歯工学の分野における学術,及び企業連携の話を聞ける貴重な機会となり,参加された医療機器の製造販売企業の今後の開発の一助になったかと思われます。

講演会のチラシ
講演会のチラシ