- 学部教育では区保健所,市町村保健センターなどの行政機関を中心とした地域保健看護サービスについて,制度,法的根拠を理解すると共に,地域の保健看護ニーズのアセスメント,計画,実施,評価と保健看護活動の具体的な展開方法について総合的に学べることを目指して教育を行っています。人々の健康を保持増進する支援を行うために,人々の生活とそれを取り巻く社会環境を含めて捉える視点を養っています。
- 本分野では,地域看護学の総論からライフサイクル別・健康レベル別にみた地域看護活動論,個人・家族・集団を単位とする多様な地域看護学演習などを,関連科目と連携をとりながら授業を展開しています。学生のより深い習熟をめざして,学内における講義および演習と実習を相互に連動させながら,地域保健看護活動の理論と実践と研究の統合を目指して教育をしています。
- また,卒業研究は学生の関心を尊重し,特別区保健所,特別区保健センター等及び関東地区の市町村保健センターなどの行政機関,施設,住民組織,学校,産業の場等と協力して適切な研究フィールドを開拓・提供することによって,実践的な地域保健看護学に関する研究ができるように指導しています。
- さらに,国内のみならず,本学の大学院保健衛生学研究科の協定大学であるフィンランドのセイナヨキ応用科学大学のあるフィンランドのセイナヨキ市や周辺市町村の協力も得て行っております。 実習は,地域保健,学校保健,産業保健に関する実習を東京都特別区の保健所,保健センター,都下の島嶼,都内小学校,企業にて行っています。
地域看護・公衆衛生看護は,人々の健康課題やそれに関連する生活上の課題を,幅広い視野をもって,総合的に取り組むための基盤となるものです。地域看護・公衆衛生看護は地域の健康課題の把握に基づき,家庭や地域社会で生活する人々を対象とします。地域看護・公衆衛生看護は,健康の保持・増進,疾病の予防,健康障害者の健康回復と悪化の予防,リハビリテーションなど地域でなされる保健・医療・福祉活動の地域ヘルスケアシステムの中でサブシステムとして機能します。現在行われている地域看護・公衆衛生看護に関係する諸制度を,地域看護・公衆衛生看護の歴史や実際の活動を通して考えます。地域の特色を把握した上で,ライフサイクル,健康レベル,疾病のプロセスにあわせたセルフケアに基づく,看護の方法の適用と諸機関との協働で組織的に地域看護・公衆衛生看護活動を展開するための基礎を習得します。
地域看護・公衆衛生看護の対象を,個人だけではなく家族の枠組みで捉え,その基礎となる家族看護学の理論と実際を学びます。家族看護学の理論的発展と実際の家族への関わり方について理解し,乳幼児から高齢者までを対象とする地域看護・公衆衛生看護の場面においてみられる多様な家族像を理解し,その家族の課題を理解し,看護の関わり方を理解します。また家族のアセスメントの方法を理解し,家族の捉え方の実際を学びます。家族に対する相談支援の実際について,家族への働きかけを理解します。
地域で生活している人々に対する地域看護・公衆衛生看護活動について学びます。特に成人高齢者と母子を中心に,地域保健システムとヘルスニーズのアセスメント,地域看護・公衆衛生看護活動の展開方法,評価の視点を学びます。成人高齢者・母子保健看護活動の目的と基盤になる地域保健システムを理解します。地域における成人高齢者のヘルスニーズに対する地域看護・公衆衛生看護活動の展開方法と評価の視点を学びます。地域における女性のライフサイクル別ヘルスニーズに対する地域看護・公衆衛生看護活動の展開方法と評価方法の視点を学びます。地域における乳幼児のヘルスニーズや障害児に対する地域看護・公衆衛生看護活動の展開方法と評価の視点を学びます。地域づくり型の保健活動の展開方法を学びます。
地域看護学で学んだ知識を活用し,地域看護・公衆衛生看護活動の具体的な手法である地区診断と小集団活動・地区組織活動について学びます。地域特性の把握,地域のヘルスニーズのアセスメント,計画の立案,活動の展開方法,評価に必要な知識と技術を習得します。地域の人々の生活,地域保健システム,地域の社会資源など地域特性について理解します。地区診断の目的と展開方法と評価方法を学びます。小集団活動および地区組織活動の目的と展開方法を学びます。地域看護・公衆衛生看護管理の目的と展開方法を学びます。

地区診断発表会
地域保健活動を行う保健所,保健総合センター等の位置づけ,機能を学びます。地域の人々の健康状態や生活状況を理解し,地区診断を行います。保健事業について理解し,健康教育の企画方法を学びます。既存の資料の分析と地区踏査からの地域アセスメントを行います。地区診断を行い,その地区の健康課題を把握します。保健所・保健総合センターの主な機能,概要を学びます。家庭訪問や組織活動などを通じて,保健所・保健センターの保健師の所属する組織と役割を理解し,また健康教育の実施方法を学びます。

地域看護学実習(両親学級での健康教育)

地域看護学実習(高齢者への転倒予防体操の指導)

八丈町での地区踏査

地域看護学実習報告
教育研究領域は行政機関における地域保健看護サービスに重点をおき,地域保健看護活動の計画・実践・評価ができる専門的な知識および技術,地域保健看護学の実践への有用性を検証する開発的な研究に関する教育を行っています。学内における講義・演習・実習,学内外における研究会への参加,学会発表,フィールドワークをとおして地域保健看護学分野における高い実践力と教育・相談・研究能力を修得します。各自の研究課題は地域保健看護学の実践場面に参加して実用可能性を含めた検討を行い,独創的かつ有用な成果を得られるものとなるよう指導しています。大学院生,専攻生は下記の研究テーマの中から,各自の関心にそっていずれかを選び,新たな地域保健看護技術や地域保健看護サービスの展開方法・地域保健看護システムの開発と地域保健看護学理論の構築を含めて,研究を進めています。
大学院保健衛生学研究科の提携大学であるフィンランドのセイナヨキ応用科学大学の他,教員が研究交流を行っているスウェーデンの大学など外国の大学や現場との連携により滞在型の研修・研究を行う機会を設けています。
国内外の地域保健医療福祉に関連する専門職者との共同プロジェクト研究のうち,学生の関心により1〜2のテーマを選択し,共同研究者として研究を行いながら研究・実践能力を修得し,大学院生が研究を行う機会を提供しています。具体的には,大学院生がフィンランドのセイナヨキ応用科学大学などに外国研修へ出向き地域保健看護学における研究を深めています。
国内外の学会,外国人研究者の招聘セミナーや国際共同研究の参加,国内外学術雑誌への発表などの積極的な活動を学生に奨励,指導し,発表を行っています。

フィンランドのセイナヨキ応用
科学大学での
学生の海外研修

セイナヨキ応用科学大学の教員との研究討議
教育研究領域は地域で生活する人々に対して,主に予防を意図した行政機関における地域保健看護サービスに重点をおき,地域保健看護活動の計画・実践・評価ができる専門的な知識および技術,地域保健看護学の実践への有用性を検証する開発的な研究の教育を行っています。国内外における講義・演習・実習,研究会への参加,学会発表,フィールドワークへの参加を通じて教育者,研究者を担う能力獲得を目指した指導を行っています。
地域で生活する人々に対して主に健康課題とそれに関連する生活課題へ取り組む予防を意図した地域保健看護サービスを中心として,そのプログラム開発,展開方法,評価方法の研究およびそれらの指導能力の向上を図るために,プロジェクト研究などに参加し,国際的学際的な研究を行い,国内外の学術誌に発表し,自立して研究ができる能力を修得します。
地域で生活する人々に対して主に予防を意図した地域保健看護サービスを中心として関連情報を分析し,個人・家族・集団を単位とした看護活動計画,展開法,評価法,実践や指導への応用方法,具体的な研究展開および関連する実践の能力を演習により修得します。
地域保健看護学分野において,研究方法を学び,研究テーマを定めて文献検討・調査・実験・事例分析などによりデータを収集し,論文としてまとめる過程を通して学会発表や学術論文として公表する能力を修得します。
地域保健看護の活動領域における高い実践力と教育・相談・研究能力を修得するため,活動の計画・実践・評価ができる専門的な知識および技術,実践への有用性を検証する開発的な研究に関する教育を行っています。また,国内外の学会への参加,国内外学術雑誌への発表などの研究活動を学生に奨励し,指導しています。
地域で生活する人々に対して主に健康課題とそれに関連する生活課題へ取り組む予防を意図した地域保健看護サービスを中心として,そのプログラム開発,展開方法,評価方法の研究およびそれらの指導能力の向上を図るために,プロジェクト研究などに参加し,国際的学際的な研究を行い,国内外の学術誌に発表し,自立して研究ができる能力を修得します。

スウェーデン人研究者との研究討議

スウェーデンのウメオ大学における研究討議
地域保健看護学分野において,特定のテーマで研究することを通して自立して研究活動ができ,学会発表および論文を国内外の学術雑誌に公表できる能力を修得します。

フィンランドのセイナヨキ応用科学大学
における研究討議

フィンランドのセイナヨキ応用科学大学の研究者、
セイオナヨキ市の関係者とともに