東京医科歯科大学大学院疾患生命科学研究部の田中光一教授は、東京都神経科学総合研究所の原田高幸部門長、東京大学、および京都大学等との共同研究によって、グルタミン酸を回収する輸送体(グルタミン酸輸送体)を破壊したマウスの眼を解析したところ、眼圧が正常であるにもかかわらず、ヒト緑内障と同様の視神経の萎縮と、視覚機能の障害が確認されました。このマウスは世界で初めての正常眼圧緑内障のモデル動物として、今後の病態解明や治療法の開発に役立つことが期待されます。この成果は、独立行政法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)「タイムシグナルと制御」研究領域(研究総括:永井克孝)における研究課題「神経幹細胞の分化過程と神経回路網の再構築」(研究者:田中光一、平成15年9月終了)の一環として行われたもので、成果の詳細は米国の医学雑誌「Journal of Clinical Investigation」に、2007年6月21日付(米国時間)オンライン版にて一般公開されました。
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田中 光一 教授(右)
本学大学院疾患生命科学研究部分子神経科学
原田 高幸 部門長(左)
東京都神経科学総合研究所分子神経生物学部門
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