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フランス留学フェア東京医科歯科大学

 本学では平成19年11月5日にフランス留学フェアを開催した。フランス留学フェアは、日仏の高等教育機関間の教育・研究交流の推進を目的として在日フランス大使館が実施している事業である。 フランス国内で選抜された複数のトップ高等教育・研究機関の代表が来日し、1週間の滞在中にわが国における少数のトップ高等教育・研究機関を訪問し、 教育制度および研究制度に関する情報交換と学生・教員を含めた交流をはかるものである。 フランス留学フェアは文科系・理科系を問わず全ての学問領域を対象とするものであるが、一時にすべての領域を対象とすることは不可能であるため、毎年2学問領域を選択し実施されている。 昨年は工学と芸術が対象領域であったが、第4回目にあたる本年は生命科学と経済学を対象とすることが決定されたとのことで、本年4月末に在日フランス大使館科学担当官イブ・ミオー氏より 連絡があった。私は日仏医学会に所属しているため、その名簿を見て連絡したとのことであった。5月の連休明けに大使館を訪問し、イブ・ミオー氏および大学間交流担当官ブノア・ド・トレグロデ氏と 面談し、フランス留学ファアの企画内容についての情報をいただいた。 その後本学において種々検討した結果、難治疾患研究所、大学院生命情報科学教育部・疾患生命科学研究部の3部局が中心となって本学における留学フェアを開催することとした。 フランス側からの参加機関との連絡を含め、開催に関する具体的な打ち合わせはフランス留学局担当官フランク・ミシュランとの間で行い、以下のとおりの企画を実施した。

 まず、フランス留学フェアに先立ち、B棟16階第一セミナー室においてフランス側参加校代表者との研究交流会を行った。 具体的には、野田政樹難治疾患研究所長から難治疾患研究所の構成と研究内容の紹介、鍔田武志大学院疾患生命科学研究部長より疾患生命科学研究部における研究内容と今後の展開 についての紹介、田中博大学院生命情報科学教育部長より生命情報科学教育部における大学院教育の実施内容と特徴に関する紹介があり、 それぞれについてパリ第11大学のアニタ・ベルセリーニ学長およびブリジット・デビュール教授、エコール・ノルマール・シューペリオール・ド・リヨンのヤン・マタ教授、ポワチエ大学のイブ・コーベ教授、 アグロパリテックのマリリン・ラプラース国際センター長らとの間での質疑応答を含め、種々の意見交換を行った。

ついで、B棟16階大会議室に場所を移し、以下のプログラムのもとにフランス留学フェアを実施した。難治疾患研究所、大学院疾患生命科学研究部・生命情報科学教育部の教員・大学院生のみならず、 医学部や歯学部からも教員・大学院生など総勢103名の参加があった。



1)挨拶
  野田政樹/東京医科歯科大学難治疾患研究所 所長
2)第4回フランス留学フェアの紹介
  Mrブノワ・ド・トレグロデ/在日フランス大使館大学交流担当官
3)フランスの高等教育・留学制度の紹介
  Mrフランク・ミシュラン/フランス政府留学局エデュフランス日本支局長
4)各大学の紹介
 1. AgroParisTech (パリテック農学校)
   http://www.agroparistech.fr/
   Mme マリリン・ラプラース(国際センター長)
 2. Ecole normale superieure de Lyon (Lyon高等師範学校)
   http://www.ens-lyon.eu/
   Mr ヤン・マタ(国際連携部長、地球科学研究者)
 3. Universite Paris-Sud 11(パリ第11大学)
   http://www.u-psud.fr/
   Mme アニタ・ベルセリーニ(学長),
   Mme ブリジット・デビュール(Andre Lwoff 研究所所長)
 4. Universite de Poitiers (ポアティエ大学)
   http://www.univ-poitiers.fr/
   Mr イブ・コーベ(教授、健康科学)
 5. Centre Regional des Oeuvres Universitaires et Scolaires de Poitiers
   (地域学生支援センター・ポアチエ)
   Mme カトリーヌ・ミオー (センター長)
 6. Centre National des Oeuvres Universitaires et Scolaires
   (国立学生支援センター)
   Mr ジャンポール・ルメガ(国際学生支援担当官)
5)フランス留学経験者による体験談
  浜崎浩子准教授(難治疾患研究所分子神経科学分野)
6)質疑応答

 フランス側参加大学はそれぞれの大学における教育と研究の特徴についての紹介があり、地域学生支援センターおよび国立学生支援センターからは留学生に対する支援体制の紹介があり、 具体的な大学院への入学方法や奨学金制度を中心に熱心な質疑応答が行われた。
 留学フェアの後には、フランス側参加者と大山喬史教育担当理事、難治疾患研究所、大学院疾患生命科学研究部、医学部、歯学部の教員との懇談会を実施し、 本学における教育・研究面での日仏交流に関する今後の方向性や継続性について意見を交換し、フランス留学フェア企画を盛況のうちに終了した。
 なお、今回の企画はこれまでになく多数の参加者があり活発な意見交換が行われたもので日仏交流に大きく寄与するとのことで、ブノア・ド・トレグロデ氏およびイブ・ミオー氏から多くの感謝の 言葉があったことを付記する。