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難治疾患研究所オープンキャンパス報告
(平成15年7月30日)
7月30日に難治疾患研究所においてオープンキャンパスが行われ、雨の中にもかかわらず当日は、高校1年生,2年生や、北は山形から南は沖縄までの大勢の3年生、卒業後の受験生を中心とし、本学ならびに東大、早稲田大などの大学生も加わり、朝10時から夕方6時まで200名を超える来場者を迎えました。
難治疾患研究所では今年が創立30周年にあたり、超高齢者社会を迎えて 癌、心臓病、神経疾患、骨関節疾患、歯科疾患、生活習慣病などますます多くの問題を抱えている我国の国民の健康維持と向上に向けて、治療の困難な疾患に対して毎日、たゆみない研究者の努力が傾けられていますが、特に難治疾患研究所の大学院生や若手研究者の情熱は将来ならびに現在の病気への挑戦の原動力となっており、今回のオープンキャンパスにも大勢の若手の方が企画の実行に参加してくださいました。
また難治疾患研究所の参加するプログラムは平成15年度採択の文部科学省の指定する21世紀COEの拠点校に選ばれ、「歯と骨の分子破壊と再構築のフロンティア」と題する研究と教育の拠点の形成はゲノム医科学とナノテクノロジーを駆使して本研究所が東京医科歯科大学の中核の一つとなって世界の最先端の研究を打ち立て、若い人達を育成する為のプログラムとしてこれらの若手を支援しています。
オープンキャンパスはこのように活発に活動し、発展する研究所の、特に若手の研究員、ならびに大学院生の心意気を 高校生、大学生の皆さんと若手の研究者や大学院生が直接話しをすることにより新しい研究の息吹を感じて頂き、また将来このような難治疾患に対する研究に飛び込む方が現われてくれる機会の一助となればと企画されました。
プログラムでは、ポスターによる各分野の展示に加えて、『先生と話そう』 と題してリストにあるような多彩なトークの時間を設けました。各々のトークに高校生が 話しを聞きに来て 熱心に質問してくる生徒や複数のトークに参加した方が少なく有りませんでした。最も多い生徒は7コマに参加しています。


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さらに 実物をみて実感してもらうために 展示物として 一見して シグナルの変化の結果の分るアフリカツメガエルの 実験や 蠢く線虫等が 実体顕微鏡により観察出来るように設置したり ビデオモニターで 癌の組織を説明して頂き、多くの見学者の興味を引きました、

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このほかビデオ上映を閲覧室2Fで骨粗鬆症をテーマに行ない、また教授室訪問の時間をご設定頂いた先生がた(別表)に 直接生徒達がお邪魔してお話を伺う企画も 好評でした。

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研究所のみなさんの努力の結果として、これらの来場した方々の殆どの方がこの研究所のキャンパス公開を喜んで下さったことがアンケートに現れています。
高校生達が率直に面白いと思ったり、学校で聞いていたことの現実的な部分が繋がったと感じたり、サイエンスに対する自分達の認識の甘さを感じてしまったり、もっと聞きたい、もっと見たいと思ったり、御家族や自分自身に関連する病気についてさらに知りたいという気持ちが湧いたり、この大学に入りたいという気持を持ったりなど、サイエンスに率直な驚きや興味を増して下さったことが来場者のアンケートから読み取れます。
研究所の一つの活動としてこのような若い方たちと、日頃研究に向う研究所の研究者や大学院生との交流が出来、このことは理科離れと言われる昨今の流れに対し、研究所の貢献できる一つの道となった面もあると思います。
来場者の大変真摯な姿勢は印象的でその気持ちが我々一人一人にもよく伝わり、それ故に私達も限られた時間やリソースの中ではありましたが、高校生の方たちの希望や質問に多少とも応えるべく努力ができましたし、教えられたことも多く有りました。
今回のオープンキャンパスが、同時に、研究所内で普段はお話しする機会の少ない研究者同士や大学院生の方とお話しができたり、お仕事の話を聞かせて頂く機会となったことも大変感謝しております。
キャンパス公開に快く賛同し、ご多忙の中で貴重な時間を割いて御参加頂いた所長をはじめ全教官、学生ならびに夜遅くまで全力で支援して頂いた事務長、事務室の方々、動物実験室の方の全職員の方に心から御礼申し上げます。