倫理審査委員会
平成21年度
第5回難治疾患研究所倫理審査委員会議事要旨
日 時: 平成21年11月9日(月) 15:30〜17:45
場 所: 難治疾患研究所 会議室
出 席: 木村、稲澤、岡澤、古川(以上、内部委員)、稲葉、小笹、加藤、神奈木、
徳永、原田 (以上、外部委員)
場 所: 難治疾患研究所 会議室
出 席: 木村、稲澤、岡澤、古川(以上、内部委員)、稲葉、小笹、加藤、神奈木、
徳永、原田 (以上、外部委員)
議事
1. | 委員長選出 |
委員長の改選時期にあたるため互選により委員長の選出を行った。その結果、木村委員が委員長に選出された。 |
2. | 前回(平成20年度第4回倫理審査委員会)議事要旨について |
前回議事要旨は各委員にメール配布され確認された後に研究所HP上に掲載されている旨、委員長より紹介があった。 |
3. | 迅速審査案件について |
前回委員会後に4件の迅速審査(平成21年度第1回〜第4回倫理審査委員会)を実施したため、これらについて審査の経緯および結果について委員長より説明があり、迅速審査結果を承認した。 |
4. 審議
1. 第1号(受付第5号案件)
「神経変性疾患ヒト脳の病理、タンパク、および遺伝子発現の解析」(実施計画の部分変更)
実施責任者:岡澤均教授 (神経病理学)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画の部分変更申請である。申請書式の変更(学内統一書式)に伴って加筆した部分を含めた研究計画の変更点について 岡澤均教授(研究実施者)から説明があった後、研究期間の延長の理由、同意書(剖検同意書)の有無についての質疑応答があった。また、将来的に本研究に他組織が 参加する可能性があることが説明された。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
「神経変性疾患ヒト脳の病理、タンパク、および遺伝子発現の解析」(実施計画の部分変更)
実施責任者:岡澤均教授 (神経病理学)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画の部分変更申請である。申請書式の変更(学内統一書式)に伴って加筆した部分を含めた研究計画の変更点について 岡澤均教授(研究実施者)から説明があった後、研究期間の延長の理由、同意書(剖検同意書)の有無についての質疑応答があった。また、将来的に本研究に他組織が 参加する可能性があることが説明された。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
1) | 新たに研究に参加する組織がある場合には、当該組織における倫理審査委員会による研究計画の承認を受けるとともに、本委員会に研究計画の部分変更を申請し承認を受けること。 |
2. 第2号(受付第6号案件)
「メタボリックシンドロームにおける慢性炎症の分子機構の解明」
実施責任者:小川佳宏教授 (分子代謝医学)
本研究計画は、主たる研究組織(徳島大学医学部)において承認された研究計画の一部を当研究所にて実施するものである。 研究計画の概要について菅波助教(研究分担者)より説明があった後、当研究所において遺伝子発現解析を実施する理由、 主たる研究組織における研究計画の部分変更申請状況などについての質疑応答があった。討議の結果、以下の条件にて研究計画を承認することが妥当であると判定した。 なお、以下の条件に関しては、徳島大学医学部において研究計画の変更申請がなされていたが、その承認書(H21.10.27付)の写しが提出された(H21.11.13付)。
「メタボリックシンドロームにおける慢性炎症の分子機構の解明」
実施責任者:小川佳宏教授 (分子代謝医学)
本研究計画は、主たる研究組織(徳島大学医学部)において承認された研究計画の一部を当研究所にて実施するものである。 研究計画の概要について菅波助教(研究分担者)より説明があった後、当研究所において遺伝子発現解析を実施する理由、 主たる研究組織における研究計画の部分変更申請状況などについての質疑応答があった。討議の結果、以下の条件にて研究計画を承認することが妥当であると判定した。 なお、以下の条件に関しては、徳島大学医学部において研究計画の変更申請がなされていたが、その承認書(H21.10.27付)の写しが提出された(H21.11.13付)。
1) | 徳島大学医学部から以下に記載する事項についての研究計画の部分変更を申請し、その承認書を受けること |
2) | 徳島大学における被験者への説明文書に当研究所において遺伝子発現解析を実施する理由を記載することが望ましい |
3) | 徳島大学における試料採取手続きに関して、「同意撤回書」を備えることが望ましい |
3. 第3号(受付第7号案件)
「ヒト化マウスを用いたヒト樹状細胞の分化・機能研究」
実施責任者:樗木俊聡教授 (生体防御学)
本研究計画は臍帯血から得たCD34陽性細胞をNOGマウスに導入し、ヒト樹状細胞の分化を検討するものである。樗木教授(研究責任者)から研究の概要について説明を受けた後、 試料採取実施施設として想定される機関、当該機関における研究計画の倫理審査状況、遺伝子解析研究の有無、個人情報の保護などについての質疑応答があった。 討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
「ヒト化マウスを用いたヒト樹状細胞の分化・機能研究」
実施責任者:樗木俊聡教授 (生体防御学)
本研究計画は臍帯血から得たCD34陽性細胞をNOGマウスに導入し、ヒト樹状細胞の分化を検討するものである。樗木教授(研究責任者)から研究の概要について説明を受けた後、 試料採取実施施設として想定される機関、当該機関における研究計画の倫理審査状況、遺伝子解析研究の有無、個人情報の保護などについての質疑応答があった。 討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
1) | 想定される試料採取施設(本学医学部産婦人科)の研究責任者から、医学部倫理審査委員会に本研究計画と関連する研究計画を申請し、その承認を受けること |
2) | 試料は連結不可能匿名化して取り扱うこと |
3) | 試料提供者への説明文書において「自由意志」を「自由意思」に修正すること |
4) | 遺伝子解析は実施しないこと |
5) | 実験マウス個体は当該世代に限る(次世代を作製しない)こと |
4. 第4号(受付第8号案件)
「ゲノム網羅的解析情報を基盤とするオーダーメイドがん医療」(研究計画の部分変更)
実施責任者:稲澤譲治教授(分子細胞遺伝)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画の部分変更申請である。研究計画の変更点について稲澤譲治教授(研究実施者)から説明があった後、がん特支援班における試料収集経緯、 試料保管状況、使用申請状況、試料使用申請の倫理審査状況について質疑応答を行った。討議の結果、研究計画を承認することが妥当であると判定した。
「ゲノム網羅的解析情報を基盤とするオーダーメイドがん医療」(研究計画の部分変更)
実施責任者:稲澤譲治教授(分子細胞遺伝)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画の部分変更申請である。研究計画の変更点について稲澤譲治教授(研究実施者)から説明があった後、がん特支援班における試料収集経緯、 試料保管状況、使用申請状況、試料使用申請の倫理審査状況について質疑応答を行った。討議の結果、研究計画を承認することが妥当であると判定した。
5. 第5号(受付第9号案件)
「ヒトiPS細胞の不整脈研究への利用」
実施責任者:古川哲史教授(生体情報薬理学)
本件は、主たる研究施設において承認を受けて実施中の研究計画に参加し、その一部の研究を実施する計画申請である。研究計画の概要について古川教授(研究責任者)から説明があった 後、本学における試料提供情報の可能性、主たる組織における研究分担状況などについて質疑応答を行った。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。 なお、研究実施計画書の記載変更の適正性については、委員長がこれを確認することとした。
「ヒトiPS細胞の不整脈研究への利用」
実施責任者:古川哲史教授(生体情報薬理学)
本件は、主たる研究施設において承認を受けて実施中の研究計画に参加し、その一部の研究を実施する計画申請である。研究計画の概要について古川教授(研究責任者)から説明があった 後、本学における試料提供情報の可能性、主たる組織における研究分担状況などについて質疑応答を行った。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。 なお、研究実施計画書の記載変更の適正性については、委員長がこれを確認することとした。
1) | 研究実施計画書にフローチャート形式で試料提供から解析までの手順を分かりやすく記載すること |
2) | 研究試料提供の可能性がある本学医学部循環器内科の研究責任者から、医学部倫理審査委員会に研究計画(試料提供)を提出し、承認を受けること |
3) | 主たる研究施設における研究計画に本研究所の研究者が参加し研究を分担することについて記載し、当該倫理審査委員会による承認を受けること | 4) | 被験者への説明文書において、16歳未満が対象となる可能性がある場合は、ルビをふった文書を用いるなどの対応を行うことが望ましい |
6. 第6号(受付第10号案件)
「ヒトB リンパ球の機能制御についての研究」(研究計画の部分変更)br> 実施責任者:鍔田武志(免疫疾患)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画に類似した研究である。研究計画の概要について松原直子特任助教(研究実施者)から説明があった後、被験者を募集する具体的な計画、 個人情報の保護方法、研究計画に必要な被験者数などについて質疑応答を行った。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
「ヒトB リンパ球の機能制御についての研究」(研究計画の部分変更)br> 実施責任者:鍔田武志(免疫疾患)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画に類似した研究である。研究計画の概要について松原直子特任助教(研究実施者)から説明があった後、被験者を募集する具体的な計画、 個人情報の保護方法、研究計画に必要な被験者数などについて質疑応答を行った。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
1) | 被験者は原則として研究に直接携わる者に限ること |
2. | 研究に直接携わる者以外を被験者とする場合には、個人が特定されない手法によって試料を採取すること(例えば、 他の研究室に所属する者を対象とし、本研究に関連しない個人情報管理者をおき、連結不可能匿名化を担保する) |
7. 第6号(受付第11号案件)
「ポイントオブケア感染症検査システムの性能実証研究」
実施責任者:清水則夫准教授(ウイルス治療学)
本件は、医学部附属病院検査部において採取された試料を用いて、ウイルス等の微生物検出装置の試作機による検出精度について検討するものである。研究計画の概要について 清水則夫准教授(研究実施者)から説明があった後、医学部における倫理審査状況、予定試料数、個人情報の取り扱い、検査データの取り扱いなどについて質疑応答を行った。討議の結果、 以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
「ポイントオブケア感染症検査システムの性能実証研究」
実施責任者:清水則夫准教授(ウイルス治療学)
本件は、医学部附属病院検査部において採取された試料を用いて、ウイルス等の微生物検出装置の試作機による検出精度について検討するものである。研究計画の概要について 清水則夫准教授(研究実施者)から説明があった後、医学部における倫理審査状況、予定試料数、個人情報の取り扱い、検査データの取り扱いなどについて質疑応答を行った。討議の結果、 以下の条件で研究計画を承認することが妥当であると判定した。
1) | 対象検体は医学部倫理審査委員会によって承認された範囲に限ること |
2. | 個人情報は取り扱わないこと |
8. 第8号(受付第12号案件)
「臍帯血Tリンパ球の無血清培養法の開発」
実施責任者:清水則夫准教授(ウイルス治療学)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画に類似した研究申請である。研究計画について清水則夫准教授(研究実施者)から説明があった後、東京臍帯血バンクにおける同意状況、 臍帯血バンクからの試料譲渡申請手続きなどについて質疑応答を行った。討議の結果、研究計画を承認することが妥当であると判定した。
「臍帯血Tリンパ球の無血清培養法の開発」
実施責任者:清水則夫准教授(ウイルス治療学)
本件は、すでに承認を受けて実施中の研究計画に類似した研究申請である。研究計画について清水則夫准教授(研究実施者)から説明があった後、東京臍帯血バンクにおける同意状況、 臍帯血バンクからの試料譲渡申請手続きなどについて質疑応答を行った。討議の結果、研究計画を承認することが妥当であると判定した。
9. 第9号(受付第13号案件)
「ヒト間葉系幹細胞の分化過程におけるゲノムDNAメチル化の研究」
実地責任者:江面陽一
本件は承認を受けて平成17年より実施した研究計画をさらに発展させる研究である。研究の概要について江面准教授(研究実施者)から説明があった後、予定される被験者数、 試料採取施設における倫理審査状況、個人情報の保護方法、被験者への危険や不利益に関する内容などについて質疑応答を行った。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが 妥当であると判定した。なお、研究計画の修正内容については、委員長がこれを確認することとした。
「ヒト間葉系幹細胞の分化過程におけるゲノムDNAメチル化の研究」
実地責任者:江面陽一
本件は承認を受けて平成17年より実施した研究計画をさらに発展させる研究である。研究の概要について江面准教授(研究実施者)から説明があった後、予定される被験者数、 試料採取施設における倫理審査状況、個人情報の保護方法、被験者への危険や不利益に関する内容などについて質疑応答を行った。討議の結果、以下の条件で研究計画を承認することが 妥当であると判定した。なお、研究計画の修正内容については、委員長がこれを確認することとした。
1) | 試料は連結不可能匿名化して研究に用いること |
2) | 研究期間は試料採取施設における承認を受けた期間内(H23.3.23まで)とすること |
3) | 被験者への危険や不利益に関する記載を適切に修正すること(連結不可能匿名化で解析するため、個人を特定する遺伝情報が得られない) |
4) | 試料採取施設における被験者への説明文書に本研究所における研究実施者と研究分担内容を記載することが望ましい |
10. その他
全学統一の倫理審査用実施計画書における研究遂行者は実施責任者と分担研究者に分類されている。一方、難治疾患研究所における倫理審査委員会においては、 実施責任者(研究全体の責任者)、分担研究者(分担して研究を実施する教員)以外の研究従事者(大学院生等)は「研究補助者」として位置付けているため、 全学の様式との整合性が懸念される。この点に関して討議した結果、全学の様式における「研究遂行者(実施責任者及び分担研究者)」の項を「研究遂行者(実施責任者、 分担研究者及び研究補助者)」に変更することを申し入れることとした。
以上
全学統一の倫理審査用実施計画書における研究遂行者は実施責任者と分担研究者に分類されている。一方、難治疾患研究所における倫理審査委員会においては、 実施責任者(研究全体の責任者)、分担研究者(分担して研究を実施する教員)以外の研究従事者(大学院生等)は「研究補助者」として位置付けているため、 全学の様式との整合性が懸念される。この点に関して討議した結果、全学の様式における「研究遂行者(実施責任者及び分担研究者)」の項を「研究遂行者(実施責任者、 分担研究者及び研究補助者)」に変更することを申し入れることとした。
以上