トップインタビュー 千葉司

千葉司

教養部長
教養部教授
女性研究者支援対策会議運営委員

先生の「座右の銘」がありましたら教えて下さい。

「Beauty is truth, truth beauty」座右の銘というわけではありませんが、頭の片隅にある言葉です。

詩人のキーツが言おうとしたこととは異なるかも知れませんが、ニュートンの運動方程式やマクスウェルの方程式は、簡潔でしかも美しい。物理学を学ぶときに単に公式を覚えるというのではなく、こんなことも感じて欲しいと思っています。生物学でも、DNAの二重らせん構造などはかなり美しいですよね。

先生ご自身のワーク・ライフ・バランスはどのようなご様子ですか?

時間の使い方がうまくできませんでした。家人もフルタイムの職業に就いていますので、家事の分担には心懸けています。もう成人しましたが、3人の子どもの子育てにコミットしましたし、親の介護についても関与しましたが、バランスの取り方が難しかったです。

少子高齢化の時代ですが、この時代における女性研究者・女性医師の役割について、先生のお考えをお聞かせ下さい。

男性だから、女性だからという区別は必要ないと考えます。女性だから特別な役割があるとは思いません。

ただ、女性の患者さんの場合、女性の医師が対応した方が良い場合はあるのかも知れません。優秀な女性研究者・女性医師の方が、家庭の事情で職を離れるのは残念なことです。本学でも本年度から保育園が整備されましたが、やはりまわりの環境が整わないと女性が仕事を続けるのは難しいのではと思います。

2020年までに学内の女性研究者の比率を20%に上げる方策について、どんな方策があったらよいとお考えですか?

現在教養部では、専任教員(2名の助教を含めて)22名の内、7名が女性ですので、女性の比率は32%となっており、既に目標を達成しています。

基本的にはすべて公募制を採っていますが、その際には男性・女性の区別をしていません。優秀な女性教員の方が、たくさん応募されることを望んでいます。先ほど述べたことと重なりますが、女性が仕事を続けて行くためには環境整備が大切だと考えています。また、一度、職を離れても、復帰できるようなシステムを作ることも重要だと思います。

女性研究者・女性医師に向けて、メッセージを頂けますでしょうか。

いろいろとハンディがあると思いますが、それに負けず、しなやかに頑張って下さい。

パートナーを選ぶときには最初が肝心です。家人は研究者でも医師でもありませんが、最初に「フィフティ・フィフティ」と宣言されてしまいました。気が付いたときは後の祭りで出産以外は、全てそのようになってしまいました。ただ、これもあまり厳密に考える必要は無く、70:30のときもあれば、20:80のときもあり、トータルで見たときに50:50と思えればよいのでないでしょうか。

家事や育児も楽しんでやること、そして私はうまくできませんでしたが、仕事と家事・育児の切り替えをうまくやることがポイントだと思います。それができないと、どちらも中途半端に終わってしまうような気がします。

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