学内女性研究者インタビュー Vera Regitz-Zagrosekさん

Vera Regitz-Zagrosek

Berlin Institute of Gender in Medicine Charite Universitatsmedizin Berlin Center for Cardiovascular Research ディレクター
平成14年にCharite Berlin/Humboldt Universityにて、初の女性教授に就任。平成15年にはCharite UniversityにBerlin Institute of Gender in Medicine(GiM)を設立。現在 European IP Eugeneheartにおいてプロジェクト・リーダーと性差医学領域の実行リーダーを務める。

ドイツの大学院では、博士課程在学中にどのようなキャリア支援を受けることができますか

ドイツと日本で提携しているあるプログラムでは、Ph.D.を取得した女性へのキャリア支援を行っています。具体的には、メンター制度の実施、プレゼンテーションや交渉等のスキルに関するセミナーの開催、キャリア形成プログラムの提供を行っています。メンター制度はとても大切で、男性よりも女性の方がより必要としています。その他に保育支援のプログラムもあり、子供を持つ女子学生が利用できます。

ドイツでは、女性研究者は国からどのようなキャリア支援を受けることができますか

女性研究者向けに、様々なプログラムが用意されています。メンター制度は全国で導入が進んでいます。女性研究者のグラント応募率は12%と少ないため、研究財団はこれを奨励するような取り組みを行おうとしています。また女性を対象にした俸給制度も立ち上げられようとしています。

女性研究者が仕事と育児を両立させるためにはどのようなことが必要だとお考えですか

フレキシブルな労働時間制を職場に導入することがとても大切です。そうすることで育児を昼間に行い、仕事を夜間や週末に行うことができるようになります。また、育児や買い物、夕食の支度は男性もするべき、との思想を夫に持たせるようにすることも大切です。

ドイツにおける外国人Ph.D.取得者の労働環境を教えてください

環境はよいと思います。私の職場では仕事上の共用語は英語です。私のラボにはイランやチェコスロバキア、中国、ギリシャ等、様々な国からの人が来ており、国際色が豊かです。また、ドイツと日本には、ベルリン、京都、ボストンを結ぶ共通の大学院研修プログラムがあるので、海外で勉学をする経験が培えます。この大学院の共通研修プログラムへの参加には、ドイツの研究財団を利用できます。一般的に、奨学金に関してはドイツ学術交流会(DAAD)から出ているものが最も重要です。

海外でキャリアを形成するためにはどのような能力が必要ですか

英語力と自意識、書く能力、話す能力がとても重要です。また、明瞭なプロジェクトや目標を設計する能力や、自分のやりたいことの実行可能性を分析することも重要です。世界はこれからもっと国際的になっていくことと思いますので、是非海外でキャリアを磨いてください。

(注釈)このインタビューは、女性研究者支援室が主催する第10回性差医学・医療セミナーでZagrosek先生にご講演いただいた際に行われました。

(インタビュー:平成22年9月16日 博士2年 小西真紀子、修士2年 及川真実・本下愛子)

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