学内女性研究者インタビュー 金井 正美さん

金井 正美(Masami Kanai-Azuma)

実験動物センター 疾患モデル動物解析学分野 教授
大阪府立大学農学部獣医学科卒業。東京大学で博士(農学)取得。臨床医学総合研究所の流動研究員を経て、Queensland州立大学に留学。帰国後、臨床研の研究員を経て杏林大学部解剖学教室講師に。平成22年より現職。

研究者を志した理由を教えてください

小さい頃から動物が好きで、ずっと獣医さんになりたいと考えていました。獣医学部に入学してからも、臨床獣医師になりたいと考えていましたが、卒業研究がきっかけで基礎研究に興味を抱きました。形態を分子で語るクリエイティブな仕事に感動を覚え、以後、基礎研究の道を歩んでいます。研究テーマは、マウス初期内胚葉の分化過程に重要な役割を持つSox17遺伝子の解析です。

学術機関の研究者になって良かったことを教えてください

多くの方々に教えて頂いた考え方や知識を、次の世代の方に少しでも伝えられる機会が増えたことです。現在、学生さんと接することが出来る大学の研究者になれて良かったと思います。

留学されたご経験について詳しく教えてください

海外での研究経験を積みたいと考えていたので、主人に留学の話が出たときにすぐ一緒に行くことを決めました。当初、主人が所属する研究室で無給ででも研究する場を頂ければと思っていましたが、研究室のボスとご自分も研究者である奥様がとても親切な方で、私の仕事先を同じ研究所に探して下さいました。そこで幸運なことに、今まで取りかかったことのなかった発生工学の技術を学び、習得する機会を得ました。帰国後もご夫婦とは交流を続けさせて頂いており、公私ともにとても良い刺激を受けています。

女性研究者の先輩として私達が今何をすべきか教えて下さい

研究だけではありませんが、何事も継続することが大切だと思います。ある先生から楽しく仕事を続けるためには 1.よく寝ること、2.十分栄養を摂ること(心も体も)、3.感動すること、を大切にするようにと教えて頂き、なるべく実践するようにしています。当たり前で普通のことをきちんとこなすこと、目前の課題に一つ一つ落ち着いて取り組みましょう。研究については、長期的展望や最新のテーマ・技術への挑戦はもちろん重要ですが、基礎をきちんと見直す機会を持つことも大切だと思います。

研究が忙しくなると、人と会う機会も時間も減ってしまいがちですが、悩みを共有できるような友人を大切にされると良いと思います。

(インタビュー:平成22年10月13日 修士2年 及川 真実)

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