お知らせ

臓器移植外来(心臓)の取り組み

2025.6.18

2025年1月からスタートした移植医療部の「臓器移植外来(心臓)」での診療の様子をご紹介します。

現在、当院は心臓移植実施施設の申請を行っているところです。一方で、植込型補助人工心臓(LVAD)手術にも取り組んでおります。LVADは、高度に低下した心臓の機能を補助するために心臓に装着する小さな機械です。LVADには、「体外設置型(体外式)」と「植込型」があります。LVADを装着された患者さんには、手術前から、手術後、そして退院後の定期的な外来受診まで、循環器内科医、心臓血管外科医、看護師(慢性心不全看護認定看護師)、臨床工学技士(ME)などが、患者さん自身で、LVADを装着して日常生活を送るための知識と技術を指導します。

このように、臓器移植外来(心臓)では、外来受診の患者さんを受け入れています。

移植医療部 藤田 知之部長・教授のコメント

 患者さんにとって臓器移植外来(心臓)は、移植患者さんだけでなく重症心不全患者さん専用のスペースであり、プライバシーが守られること、人工心臓に関わる機器が広いスペースで展開でき診療がスムーズにできること、医師やコーディネーター、看護師、臨床工学技士がそれぞれ患者さんの元に訪れ(患者さんが移動してそれぞれ受診するのではなく)、シームレスな連携をとることができ、患者さん中心の医療が提供できることです。当院の移植医療部は、2025年1月にスタートしましたが、半年が経過した今、上記のような診療を、多職種のスタッフが協力しながら、スムーズに行っております。

移植医療部 荒畑 美樹看護師(慢性心不全看護認定看護師・心臓リハビリテーション指導士)のコメント

 現在臓器移植外来(心臓)に通院されている患者さんの多くは、心臓移植待機中、または生涯を通じて補助人工心臓を装着して生活されている方です。
 外来では、心不全症状や生活に関する問診、エコー検査による機器の調整、ドライブライン貫通部の自己消毒手技の確認、皮膚トラブルの状況の観察・対応、機器管理に必要な物品のお渡し、などを、医師・看護師・臨床工学技士(ME)が協力しながら行います。
 臓器移植外来(心臓)が2025年1月に開設してからは、場所の移動も少なくなり、プライバシーが保たれた環境で診察を受けられるようになりました。さらに多職種が連携し、補助人工心臓を装着しながら質の高い生活が送れるような調整や相談対応ができています。