当院看護師8名(東京科学大学病院看護部)が千葉大学医学部附属病院で移植医療に関する研修を受講
2025.3.6
東京科学大学病院看護部では、移植実施指定施設の認定をめざして、臓器移植に必要な看護について習得するために、2025年2月、千葉大学医学部附属病院に8名の看護師を派遣しました。研修の様子を撮影しましたので、ご紹介します。
研修に参加した看護師の感想
手術部 高安純也 看護師
千葉大学病院で移植医療にかかわる部署の役割や活動、看護について学びました。体制の整備や連携が重要であることを再確認できたことに加え、実際に心臓移植医療を実施している施設が抱えている問題点や課題について伺えたことが、今後私たちが対応していく必要があることを考える契機になりました。
手術部では、移植手術体制や業務の流れ、使用している物品や管理方法について説明していただきました。手術部が当院と同規模であることから、スタッフの体制やマネジメントについても有意義なお話が伺え、様々な状況に対応できる体制を整備し、調整や支援することが重要であると感じました。今回の研修を活かし、マニュアル作成や体制の整備、スタッフの支援を進めていきたいと思います。
手術部 福島美季 看護師
本研修では心臓移植に関わる多くの部門における取り組みや看護の実際、課題を学ぶことできました。特に、心臓摘出手術・移植手術を担当することができる手術室看護師の人数や経験状況が当院と似ており、実際のオリエンテーションの方法や勤務調整について大変貴重なお話を伺うことができました。また実際に手術室内を見学させていただき、摘出チームが持参する物品の準備や管理についても学ぶことができ、大変参考になりました。誰が見てもわかるマニュアル作成や、これまでの経験を踏まえての物品準備やチェックリストの作成など、当院での移植手術開始に向けて参考にさせていただきたいと思います。
ICU 坂本眞衣 看護師
実際にICUを見学させていただき、移植に係る教育体制が非常に充実していることが印象的でした。それだけでなく、感染対策やタスク、管理基準についても可視化されている部分が多く、このような体制が安全な看護実践に繋がるのだと実感しました。
研修を終えて、自部署での課題が明確化されたため、引き続きマニュアルの整備や看護の質の向上など、質の高い移植医療が提供できるように努めていこうと思います。
ICU 土居純子 看護師
ICUでは実際に移植看護や感染対策の重要性について学び、当院のICUの課題に気付くことができました。その他にも、院内や部署マニュアル、多職種の連携、患者指導やドナー家族への配慮の重要性など幅広く移植について学ぶことができました。当院でも他部署や部署スタッフと協力しながら、準備を進めていきたいと思います。
B13 田形朋子 看護師
研修を通して、患者さんの思いに寄り添いながら意思決定や生活を支えていくために、移植医療や移植後の生活についての豊富な知識に基づいて患者さんをサポートすることが重要である、と学びました。また、マニュアルの整備やスタッフ教育、管理面での調整を行い、いつでも対応できる体制を構築する必要があると感じました。移植前後の看護を安全に実践できるよう、関連部署での連携を図りながら、当院での心臓移植の体制構築に努めてまいります。
B13 平松知恵 看護師
千葉大学では移植コーディネーターを中心に多部署で迅速な連携を取っている様子を見学させていただきました。移植手術をいつでも受け入れられるよう、日頃からマニュアルの整備とスタッフ指導を行う重要性を学びました。患者さんにとって移植の待機期間は長く、実際にドナーが見つかり手術を行う際にも大きな決断が必要です。移植後も厳重な感染対策が必要であり、生活への不安が大きいことを改めて感じました。医療スタッフが連携し根拠のある医療を提供することが患者さんの安心と安全に繋がるため、研修で学んだことをマニュアル作成や病棟の体制作りに活かしていきたいと思います。
外来 鳥海真帆 看護師
心臓移植に携わる様々な部署の方からご説明いただき、病院全体で多職種が密に連携することで、安全な移植医療を提供する仕組みが構築されていることを学びました。実際に手術室・病棟の見学やマニュアル等も拝見させていただき、患者・家族に対してだけでなく、移植医療に携わるスタッフへも細やかな配慮がされていることが印象的でした。また、移植後外来を見学させていただき、コーディネーターの方が患者さんそれぞれの生活を詳細に把握している驚きとともに、移植待機中から移植後の生活を見据えた患者教育・指導が必要であることや、移植待機中に築いた関係性が移植後の個別性のある患者ケアにつながっていることを学びました。今回の学びを日々の業務に生かし、患者さんにとってより良い支援ができるよう努めてまいります。
外来 荒畑美樹 看護師
安全・リエゾン・医療連携部門・感染など、様々な院内連携が行われていました。レシピエント移植コーディネーターが専任・専従ではなく兼任という特性から、コーディネーター間で連携するだけでなく部署のスタッフとのタスクシフトについても検討・実施されていることが印象的でした。そのために、誰が見ても行動できるマニュアルの作成・整備が重要だと学びを得ました。研修において今後の当院での体制づくりの課題にも気づくことができたため、役立てたいと思います。また、移植前の支援や信頼関係を活かし、移植後の患者教育が行われており、当院でも今後移植後も継続して支援できるよう準備していきたいと思います。