当院看護師3名(東京科学大学病院看護部)が東京大学医学部附属病院・臓器移植医療センターで移植医療に関する研修を受講 ①
2024.11.14
2024年9月、東京科学大学病院看護部では、移植実施指定施設の認定をめざして、臓器移植に必要な看護について習得するために、東京大学医学部附属病院の臓器移植医療センターに、7名の看護師を派遣しました。今回の研修に参加した看護師3名に感想を聞きました。
荒畑 美樹 看護師
移植の受容を促す支援が重要なことを知る
今回の研修では、研修施設内全体の移植体制についての講義を受け、移植立ち上げ時の看護部の準備に関する講義も学びました。また、病棟や外来での移植前後の患者の看護を見学し、多職種カンファレンスやレシピエント・コーディネーターの活動も見学することができました。
特に印象に残ったのは、移植後の看護においては、生活の再構築や自己管理の支援だけでなく、移植の受容を促す支援が重要であるということです。この学びを活かし、今後は伝達講習の実施や、看護マニュアルの作成に取り組みたいと思います。また、さっそく現在当院に通院中の移植前の患者さんに対して、移植後の生活を踏まえた指導を実践し始めました。これからも研修で得た知識を活かし、患者さんの支援に努めてまいります。
岩本 康伸 看護師
看護スタッフと他の医療職種との緊密な連携が不可欠
今回の研修を通じて、心臓移植に関連した看護体制や移植当日の流れ、そして多職種との連携について深く学ぶことができました。心臓移植における看護体制の確立には多くの努力と時間がかかっており、特にICUやCCUでの患者管理においては、看護スタッフと他の医療職種との緊密な連携が不可欠であることを実感しました。
近年、心臓移植の需要が増加していることから、対応できる施設の負担も増していることを感じました。移植に関わる多職種との連携や詳細なマニュアルの整備が重要であることを再確認し、移植コーディネーターの役割とその業務量の多さにも驚かされました。また、レシピエントの方々がドナーとその家族への感謝の気持ちを強く抱いていることを学び、移植医療の尊さを改めて感じました。
東京科学大学病院では、心臓血管外科手術や循環器疾患の症例が増えており、今後心臓移植実施施設となる可能性があります。他施設と連携することで、患者さんが選択できる治療の幅が広がると考えています。ドナーやそのご家族、そして医療施設関係者への感謝の気持ちを忘れず、レシピエントが早期に社会復帰できるように貢献していきたいと思います。
石山 純子 看護師
移植患者さんへのきめ細やかなサポートや教育を行う姿に感銘
今回の研修では、心臓移植の流れや移植医療部の体制、立ち上げに関する説明を受け、心臓移植待機中や移植後の患者さんの看護外来、病棟での移植に関連した看護について学びました。特に印象に残ったのは、移植後外来を見学した際に、患者さんが様々な形で社会復帰されている姿を目にしたことです。患者さんは免疫抑制剤をはじめとする細かな制約がある中でも、ドナーやドナー家族への感謝の気持ちを忘れずに日常生活を送っていることがとても印象的でした。また、移植に関わるレシピエント・コーディネーターの方々が、様々な部門や職種と協力し、移植患者さんに対してきめ細やかなサポートや教育を行っている姿にも感銘を受けました。
今回研修させていただいた東京大学医学部附属病院は、全国の中でも心臓移植件数が多い施設であり、すでにマニュアルや体制がしっかりと整備されており、各スタッフがそれぞれの役割を果たしていました。東京科学大学病院看護部としても、まずは申請に向けて準備を進めていきたいと思います。今回の学びを活かし、移植医療における看護の質を高め、患者さんにとって、より良い支援ができるよう努めていきます。