教育概要

1) 学部教育
医学教員shadowing、腫瘍学ブロック、病理学総論ブロック、そのほかのブロック型学習内での病理実習、problem-based learning(PBL)、Clinico-pathologic excercise(CPE)、クリニカルクラークシップでの実地病理診断実習等により、第1学年より第6学年に至る6年間を通した教育が行われています。実施にあたっては、人体病理学分野、医学部附属病院病理部、保健衛生学科分子病態検査学分野、難研神経病理部門、歯学部口腔病理学講座の協力のもとに行われています。東京医科歯科大学の病理学の卒現教育の特色の一つである5年次に行われるCPEは、病気によりお亡くなりになり、病理解剖となった実際の症例を担当し、少人数の学生グループで解析し発表会を行うことで症例経験を通した病理学の理解を進めています。

2) 卒前研究教育
医学部医学科学生に対しては、2年次および3年次に研究実践プログラムを履修可能で、実験の基礎から丁寧に指導を行っています。さらに医学科4年次ではプロジェクトセメスターでおよそ半年にわたり研究活動に専念した期間を送ることができます。いずれも部活などの学業以外の活動と両立可能であり、学生たちが元気よく研究活動を行える環境が整っています。そのほか、本学保健衛生学科や文京学院大学保健医療技術学部からの卒業研究学生を積極的に受け入れており、与えられた期間で研究発表準備、論文作成まで指導を行います。

3) 卒後教育(病理専門医取得および学位取得コース)
初期研修では東京医科歯科大学初期研修コースに基づき、東京医科歯科大学附属病院病理部にて病理診断学の研修を行うことができます。後期研修では日本専門医機構によって認定された東京医科歯科大学後期研修医プログラムに基づき、病理学会認定医の資格を取得することを目的とした外科病理学、病理解剖学の研修を行います。当分野の後期研修プグラムには、附属病院病理部での研修のほか、癌研有明病院をはじめとした高度専門医療病院での半年間の研修や、他の関連病院での非常勤病理診断業務により幅広い病理診断分野の研修が可能となっています。具体的には、臨床病理検討会(clinoco-pathologic conference; CPC)や、臨床各科との症例検討会を通じて臨床医学に対する理解のある病理診断医の育成を目指しています。研究に関しては、包括病理分野スタッフとの良好な関係のもと、通常の病理学的手法に加えて、免疫病理学、ウイルス学、生化学および分子生物学的手法など、各人にフィットしたテーマに応じた先端的な研究を行える様に配慮しています(研究テーマご参照ください)。

4) 卒後教育(修士およびPh.D取得コース)
当分野では、医師免許を持たない修士、および博士大学院生にも広く門戸が開かれています。修士過程においては2年間という期間で基礎的な研究的手法の取得とともにプロジェクトの一角ないしプロジェクトの主体として包括病理スタッフの丁寧な指導の下研究を進めています。研究データが集まれば学会発表などの機会も積極的に得られます。博士課程では学生独自のプロジェクトを進めていくことになりますが、ここでもスタッフの行き届いた指導と、学内外の研究協力体制を駆使した独創的な研究が可能です。修士、博士過程を通して、病理専門医取得コースの医師や人体病理学分野をはじめとした分野の垣根をこえた交流もあり、充実した研究生活が送れると確信しています。

5) 卒後の進路(修士およびPh.D取得コース)
株式会社大塚製薬工場
日本臓器製薬株式会社
武田薬品工業株式会社
佐藤製薬株式会社
YAMAHA
和光純薬工業
富士フイルムモノリス
国立衛生試験場
癌研究会癌研究所
国立がんセンター
日赤医療センター
慶應大学病院
都立駒込病院
都立広尾病院
石心会狭山病院
都立墨東病院
中野総合病院
川崎幸病院
国際医療福祉大学三田病院