東京医科歯科大学知的財産本部の橋本一憲特任准教授らのグループは、日米欧三極におけるバイオテクノロジー分野のパイオニア発明に対する特許保護の現状の研究を行った結果、日本では、特許庁による厳格な審査により、欧米と比較して審査期間が長期化し、特許の寿命(存続期間)が顕著に短くなっていることを明らかにしました。また、この厳格な審査は、欧米と比較して、より大きな権利範囲の減縮を導いていることをも見出しました。このような状況は、バイオテクノロジー企業の国際ビジネスに影響を与えるばかりか、新規発明公開の代償として一定期間の特許保護を与える特許制度の根幹をも緩めることから、新たな特許戦略の構築の必要性と行政的・立法的措置の必要性の提言を行いました。本研究は、本学における評価担当技術員制度(本学学生を知財本部で雇用し知財のOJT教育を行うプロジェクト:文部科学省科学技術振興調整費「ライフサイエンス分野知財評価員養成制度」による支援)の一環として行われたものです。この研究成果は米国の科学雑誌Nature Biotechnologyの5月号に掲載されました。
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